【創作の中毒×中毒の創作29】

「た、たすけてくれ」
 俺は、震えている。
 ――こえーよ。こわくてしょうがないんだ。
 青山霊園の地下で一人きり、白塗り人間のファミリーに囲まれているのだから“恐怖”に駆られて当然である。

「お」

「コロセ、コロッセウム」
「コロセ、コロコロコミック」
「コロセ、コロリン、コロコロ。ルルルウ」
 ファミリーの怒りは、おさまらない様子だった。
 さらに意味不明で支離滅裂の言葉を発しながら、俺との距離を縮めてくる。

 死んだ白塗り人間(オトーサン)のオクサマが、手を俺の頬に伸ばしてきて、指が触れそうになった瞬間。
「オタスケ!」
 俺は叫んでいた。
「助けてくれ。悪霊退散!」
 俺は、目をつむっていた。  

 ――――――――――――――

 そして、再び目を開けた時、俺は、行きつけの“心療内科病院”の前に、倒れていた。

「おい、患者」
 そして、ドクターが心配そうに俺の顔をのぞき込んでいた。

(な、な、なんじゃこりゃ)
 何がどうなったのかは、まだ全くわからなかった。
 そんな状況である。


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