【創作の中毒×中毒の創作11】

「ここは、どこだろう」
 俺は、目を覚ました。
 辺りは真っ暗で、強い風の音だけが響いている。

「ガサゴソ」 
 変な音が聞こえてくる。

(そうだ)
 俺は、思い出した。
 俺は、あの白塗りした奇怪なイキモノを探す為に、青山霊園にやってきたのだ。

 そして、あの文学者の墓石の裏側に回り、真っ逆さまに、深い穴に落ちた。
 ここは、穴の底ということらしい。

「ガサゴソ」
 音は続いている。

(あの音の正体を突き止めるのが先決だろうな)
 穴の底に落ちたせいで、身体の節々が痛い。
 ちょっと、立ち上がれそうにない。

 やむを得ないだろう。
 俺は、匍匐前進で暗い闇の中を進んでいった。



 

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