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遺伝性乳がん卵巣がん症候群

乳がんになった。もう6年も前だが。世間的には完治と言われる5年を過ぎた。だけどまだ3ヶ月おきの経過観察。いつまでがん患者?死ぬまでがん患者?

正直に言って忘れている時間の方が多い。体重も増え(いや増えすぎだが)どこから見ても健康そうだ。だけどいつまたがんになるかわからない。それは私が遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)だから。

がん抑制遺伝子にエラーがあることでがんになりやすい。乳がんに死ぬまでに70%以上がかかる。卵巣がん、膵臓がん、その他のがんにもかかりやすい。男性だと前立腺がんのリスクも上がる。

私がHBOCだとわかったのは6年前、まだ検査もリスク低減手術も保険適応ではなかった。全て自費で行ったから費用は150万を超えた。決して私は金持ちではない。掛けていたがん保険でギリギリまかなえたから実現した。保険に入っていなかったら諦めていたと思う。

今、標準治療として検査や手術が保険収載されたことで、HBOCだとわかる方が増えた。なので、それほど珍しいことでも無くなったが、以前は患者会に行っても「遺伝性」であることで、周りはお気の毒感を出してきた。自分たちとは違う可哀想な人という感じだ。

それが今はどこへ行ってもゲノムゲノム…。正直、あの時関係無いって顔してたのになって思ってしまう。
差別と偏見がって言う人が、偏見持って差別してるんだってこと、気がついていない。



私は生きるために検査をして生きるためにリスク低減手術をした。自分の選択を何一つ後悔なんかしてない。勇気があると言われるが違うんだ。死ぬのが怖いから死にたくなくて生きられる可能性を必死で探した結果がリスク低減手術だっただけ。やれることは全部やらないと後悔しそうだったから。

がんになったけど、とりあえずそれから6年生きた。トリプルネガティブ5年生存率には貢献出来た。
診断された時にブログを読み漁って長く存命な方を必死で探した。だいたい「ご報告」か更新無しで途切れていて絶望したけれど。


私が今生きてることが誰かの希望になれたらいいなって思う。「ご報告」は老衰がいいな。

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