たき

主に、読書記録を貯蔵する場所として使っています。 以前は、選んで記録していたけれど、最近は全部記録しようとしている。(2024年9月19日からだったと思う) ダイエットと同じで、全部記録すればたぶんよい方向に進み、少しずつ、本当に読みたい本の割合が増えていくはず。

たき

主に、読書記録を貯蔵する場所として使っています。 以前は、選んで記録していたけれど、最近は全部記録しようとしている。(2024年9月19日からだったと思う) ダイエットと同じで、全部記録すればたぶんよい方向に進み、少しずつ、本当に読みたい本の割合が増えていくはず。

最近の記事

上野 泰也『No.1エコノミストが書いた世界一わかりやすい金利の本』

たきです。複利とか住宅ローン金利とかについては知っていたが、イールドカーブ、長短金利、公開市場操作、とかの知らない単語がわかるようになりたくて、よさそうな本を調べて読んだ。この本はわかりやすく書いてあった。ただし、2018年の本なので、現在の日本の金利の状況については書いてない。

    • ジョッシュ・ウェイツキン『習得への情熱――チェスから武術へ』

       2022年8月に買って途中まで読んでいた。そのときは、熱烈な羽生結弦君ファンだったので、スポーツを極めるということはどういうことなのかを知りたくて、この本にぶつかったのだった。途中まで面白く読んでいたけれど、今改めて残りを読むと、自分自身にはあまり関係がないのかもしれないという気がしてきた。チェスや武術を極める事、スケートを極める事、つまり何かを極めるために集中しきること、それは憧れではあるけれど、どうもそれは私のやりたいことではないらしい。とりあえず、極めるタイプがやって

      • 山内朋樹『庭のかたちが生まれるとき――庭園の詩学と庭師の知恵』

          Xかどこかで千葉雅也さんが勧めていて買って積読になっていた。断捨離しようとして、売る前にさーっと読んでみた。京都の寺の作庭現場のフィールドワーク。記録し解釈する。ちゃんと読んでいないので、和風の庭だったら、設計図なしに石を置きつつ考えたりするのは当たり前のような気がしてしまい、この本のどこがどう画期的なのかが今一つぴんとこなかったが、これまで言葉にされていなかった庭造りのプロセスが言葉にされたというのがすごいのかな。ちゃんと読まないとわからないのだろう。

        • 保坂和志「鉄の胡蝶」19『群像』2020年3月号

           10年前くらいに鎌倉のブタのアンティークの置物を買った店で10歳くらい年上の女性の店主から、従兄弟とふたりで映っている昔の写真を示されて昔語りをされた話~伯父の死~その女性ひ従兄弟がバスの中、ここにカバンを置けと言う、関係を羨ましく思う~映画館や地下鉄でで見たガタイのいい男と華奢な少女のペアや、中のよい犬と猫のペア~カサ―レスの「パウリ―ナの思い出に」~フィリップ・K・ディック~仏陀の慈悲が世界を包む~ツイン・ピークスのボブとマルホランド・ドライブのカウボーイ~「人生の後ろ

        • 上野 泰也『No.1エコノミストが書いた世界一わかりやすい金利の本』

        • ジョッシュ・ウェイツキン『習得への情熱――チェスから武術へ』

        • 山内朋樹『庭のかたちが生まれるとき――庭園の詩学と庭師の知恵』

        • 保坂和志「鉄の胡蝶」19『群像』2020年3月号

          朝吹真理子『きことわ』

           坂口恭平さんが山下澄人さんとの対談で自分たちと同じくらいの強度で小説を書こうとしている人(いや、これとは別の表現で言っていた)というような感じで作者の名前を出していたので初めてこの人の作品を読んでみた。群像の新人賞の審査員もやっているのでそこで名前を初めて聞いていた。  子どもの頃、「永遠子(とわこ)」がよく別荘の管理人である両親に連れられて行った先の別荘にいた7歳年下の「貴子(きこ)」が25年後に再会し、さまざまな記憶や感覚が現在と交差し、ときに、夢のような感覚や現象とも

          朝吹真理子『きことわ』

          岸 政彦『ビニール傘』

           言葉の学校の今週の講師である社会学者、岸政彦さんの小説。よかったと思う。表題作の「ビニール傘」は、最初「俺」の一人称で、大阪の町で働いている若い男との生活を書いていると思ったら、次々にシームレスに別の「俺」に変わっていく。つきあっている女性がいたりいなかったりする。似たような感じの語りの「俺」や状況が続き、「キャラがたっている」の正反対で、つまり人はみんな似たようなものと言っているのかもしれないが、でも、それぞれ、切実で、共感する。途中で語り手は女性になる。その前の「俺」の

          岸 政彦『ビニール傘』

          坂口恭平『現実宿り』(読めてない)

           坂口恭平と山下澄人の会話を読んでいたら、坂口恭平が小説を書いているらしいのに興味を持って図書館で借りてみた。amazonでいとうせいこうが、「ベケット」と言っていたが、たぶんそうなんだろう。結局読めていない。最後までページはめくった。途中の、主人公に電話がかかってきて、せぜんぜん知らないモンゴル人から「兄貴」と呼ばれて会ってモンゴルに行くくだりは普通におもしろく読んだが、他の部分はとっかかりがなくて全然読めなかった。私はそもそもベケットはゴドーしか読んでいなくて、保坂さんは

          坂口恭平『現実宿り』(読めてない)

          山内マリコ『あのこは貴族』

           岡田 斗司夫さんがYouTubeで紹介していたのをたまたま見て興味を持った本。映画化もされています。まあまあです。買うほどではないけれど、図書館で借りるとかだったらそこそこ楽しく読めて、時間の無駄というほどではないかも。  東京の整形外科医の末娘の華子と、地方出身で慶応に入ったけれど仕送りを減らされて水商売を始めてそのまま大学をやめてひとりで東京で暮らしてきた美紀が、御曹司の幸一郎の婚約者と腐れ縁の女として出会う。最初は華子が幸一郎と婚約するまでの話、次は美紀のこれまでの

          山内マリコ『あのこは貴族』

          宋光祐「「ミニマリスト」になりたいわけじゃない」

           この週末、いやその前から、YouTubeの、捨て活動画というのを見て、自分も15年くらい前からため込んで捨てられなかったものたちを手放し始めた。30年以上前のヴァイオリンとか、15年前のギターとか、2年前のフィギュア・スケートの靴とか、ダンベルとか、色鉛筆60色セットとか、本とか。少しノウハウができてきて、今週末は初めてヤフオクの代行というのに頼んで荷物を発送した。本も、バリューブックスに2度目に送ることができた。それ以外に、ごみ袋にそのまま入れるものもたくさんあった。  

          宋光祐「「ミニマリスト」になりたいわけじゃない」

          斎藤環『社会的ひきこもり』

           PHP新書、2020年。『オープンダイアローグとは何か』と『イルカと否定神学』が面白かったので、息子の不登校への対応の参考になるかと買って読んでみた。1998年初版の本の改訂版。たぶん、この人が日本のひきこもりへの対応の第一人者なのかもしれない。全体的にわりあいに常識的な内容と感じたが、6か月ひきこもった時点で「ひきこもり」の定義に当てはまるので、そうなったらとにかく家族が専門家に相談すべしということだった。うちは7か月目なのであてはまるのでそうした方がいいらしい。  本を

          斎藤環『社会的ひきこもり』

          保坂和志「鉄の胡蝶」18『群像』2020年2月号

           保坂和志「鉄の胡蝶」『群像』2020年2月号。女性の話が多かった。少年の頃からの「年上の女性へのあこがれ」の場面の話。それを読んでいる私にはあまり関係がないという気がしたが、だからこそ興味深くもあった。今回、2019年のは全部読んでたかなと思って2020年から借りてきたが、たぶん10くらいまでしか読んでいなかったはずなので、間違えていた。2019年分を借り直さなければならない。

          保坂和志「鉄の胡蝶」18『群像』2020年2月号

          保坂和志「UFOとの対話」

           『群像』2020年1月号。「鉄の胡蝶」の連載を読もうと思って図書館から借りたらこの巻はこれだった。猫の花ちゃんの治療中にUFOを見た話~土星の衛星のひとつのタイタンの調査をしている~タイタンの知的生命体から見れば~中と外の区別のないタイタンの思念~多次元世界のタイタン~無限に枝分かれしていく宇宙~ベテルギウス号の沈没を未然に防いだ時間旅行者はベテルギウス号を作る会社の工務部長の愛人となることでそれを達成~UFOがなぜ来た~時間のはじまりと終わりは多次元宇宙にはない~麻酔体験

          保坂和志「UFOとの対話」

          斎藤環『オープンダイアローグとは何か』

          同じ著者の新著『イルカと否定神学――対話ごときでなぜ回復が起こるのか』について最近ちらほら見るので買って読んでいたらとても面白かったので、この本を図書館で借りて読んだ。  この本自体は10年前のもので、フィンランドで生まれた統合失調症の治療であるオープンダイアローグの解説と、この方法を開発したフィンランドのセイックラの論文3つの翻訳。薬を中心とせず、何人もの治療者側、家族、患者本人が対話することによって治療する方法。こちらもまた面白かった。著者自身は統合失調症ではなくて引きこ

          斎藤環『オープンダイアローグとは何か』

          小山田 浩子『工場 』

           また言葉の学校の講師の作品。これが新人賞受賞作。藤野可織、佐藤究に続いて、ちょっと気持ちの悪い感じの作品を書く小説家ばかりが講師になっている。この作品は藤野可織のようなくっきりはっきりしたホラーではなくて、いろいろと微妙というか、混ざっているというか。現実のままならさが書きたいのか、不思議な話が書きたいのか、どっちなんだろう。この混ざった感じがこの人の現実なんだろうか。

          小山田 浩子『工場 』

          黒川伊保子『60歳のトリセツ』

           脳科学と人工知能の研究者で、脳に関する知見をもとに軽めのこういう本を書いている人。脳科学的には、60代は記憶力はもちろん衰えているものの、逆に気が付く力がピークに達していろいろ気になる、らしい。あと、女性はこうこで、男性はこうこう、という話もあった。  自分とは合わないなあと感じることも多く、一般化しすぎなのが気になり、まあ、話半分で読んでおけばいいんじゃないかと思った。あと、口調や言葉遣い(おせっかい焼きのちょっと年上のおばさん風)が気になって、気にしないようにするのに余

          黒川伊保子『60歳のトリセツ』

          藤野可織『ピエタとトランジ』

           天才のトランジと、トランジを見込んだ親友で助手のピエタの、出会った高校時代から七十代までの記録。トランジは自分の遺志と無関係に殺人を引き起こしてしまう体質で、周囲がばたばたと死んでいく、という設定なのは本の惹句を読んで知っていたが、読んでみたら、想像以上に人が死んでいた。なにしろ、二人が出会った高校は、トランジのせいで担任が次々に変わり(死んだから)、二人の卒業時には全校生徒数が半分以下になってしまったのだ(死んだから)。  飛ばし飛ばし斜め読みしたが、感情をちゃんと持って

          藤野可織『ピエタとトランジ』