たき

主に、読書記録を貯蔵する場所として使っています。去年から哲学書を読もうとしているので、…

たき

主に、読書記録を貯蔵する場所として使っています。去年から哲学書を読もうとしているので、同じ志を持つ人へのヒントなどもちょっと書いています。 クリエイター志願なので、小説も載せ始めました。 そのうち、描いた絵とか刺繍とかも載せたいなあとも思っています。

最近の記事

栗本薫『ムーン・リヴァー』

結構自分にとって衝撃的な本を読んでしまった。(Kindle Unlimitedで読めてしまってお得だった。)  沢田研二の誕生日だというのでちょっと検索していたら、昔主演した『悪魔のようなあいつ』というドラマの主人公が、栗本薫(『グイン・サーガ』で有名な作家)の『真夜中の天使』の世界の主人公今西良の元ネタというのを始めて知り、実はシリーズ全部は読んでいなかったことに今日はじめて気づいて、最後の作品を読んでみました。  それが、これです。このシリーズ、栗本薫の中でもだいぶ読

    • トッド・ローズ『好きなことだけで生きる人が成功する時代』

      「目的地を目指して情熱を持って突き進む」従来の生き方とは正反対の、「小さなモチベーション」とこの時点での「充足感」を徹底的に大事にする生き方がいいのだ、という話。  「情熱に従ってはいけない」というのが、はじめ、わかりにくかったが、それはきっと、私が従来の考え方の枠組みに捕らわれていて、「我慢」の反対が「情熱」だと思ってしまっているから。  あと、最後の方で、この本に書かれている方法でみんなが成功できるような社会を目指そうという話になるのが、逆に、今の社会ではこの生き方も

      • 三宅香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』

         とてもいい本だと思います。でも、何か解決策を提示してくれる本ではなく、いろいろ考えさせる、という意味でのいい本です。  amazonのレビューでは、評がわかれていて、題名と中身があっていないとか、途中まではいいけれど結論に納得できないとかいろいろ言われています。全部の評を読んでから買いましたが、読み終えた感想は、かなりおもしろかったし、批判されるような隙や論理的な粗はあるものの、読んでいる間にいろいろ考えられてよかった、というものでした。  星ひとつをつけている人は、な

        • 柴崎友香『あらゆることは今起こる』

           小説家の柴崎友香さんの、「ADHDの診断を通じて、小説家が自分の内側で一体何が起こっているかを考えた」本(←カギカッコ内は帯に書かれている言葉)。  柴崎さんの小説を読んだことはなく、別の小説家の保坂和志が言及している人だったので、保坂和志が認める人として名前は知っている、という状態だったけど、何かでこの本を知って、ADHDだったのか、と思って読んだ。  ときどき繰り広げられるADHD的なエピソードの数々(数々の遅刻、部屋がどう片づけられないか、迷子)を読むと、やっぱりかな

        栗本薫『ムーン・リヴァー』

          山下澄人『おれに聞くの?:異端文学者による人生相談』

          面倒になって読書記録をずっとつけていなかったけど、またちょっとつけてみようかと。これとっても面白かったです。ほっとする、というか、自由になる感じがする。  人生相談(ではないものも含まれてる)の文章の方は、結構共感できるものもあればそうでない適当なものもあるけれど、おおむね普通の人の文章で、たぶん、日本で生まれ育って教育を受けて普通に働いていたり生きていたりしたらこういう文章になるよな、という日本語ですが、山下さんの回答を読むと、ことごとく想像を外した文章になっています。  

          山下澄人『おれに聞くの?:異端文学者による人生相談』

          読書記録:M/Mミステリー(Josh Lanyon, Gregory Ashe)

          10月に読んでここに書いていなかったM/Mミステリー。結構長いことM/Mは読まないで来たのに、読み出したら止まらなくなってたくさん読んでしまってます。 時間もないのでもう簡単にまとめて書こうかと思います。 ・Josh Laynon -Lament at Loon Landing: Secrets and Scrabble 6 -Death at the Deep Dive: Secrets and Scrabble 7  M/M界では長いこと人気の作者の最新コージー・

          読書記録:M/Mミステリー(Josh Lanyon, Gregory Ashe)

          読書記録:Gregory Ashe, The Face in the Water (Iron on Iron Book 1)

           M/Mミステリーです。筆者のGregory Asheは超能力ものを含めたたくさんのシリーズを書いていますが、これは、超自然は登場しない普通のミステリーです。でも、特異なのは、Asheが最近書いた4つのシリーズのカップル4組計8人が一度に登場するシリーズだということです。  このIron on Ironシリーズは1巻ごとに別のシリーズの主人公たちが語り手となります。1巻目のこれの主人公二人はwildlife veterinaran(野生動物の獣医……って訳だとなんか違う気がし

          読書記録:Gregory Ashe, The Face in the Water (Iron on Iron Book 1)

          読書記録:アーサー・C・ブルックス『人生後半の戦略書 ハーバード大教授が教える人生とキャリアを再構築する方法』

          いい本だと思います。 amazonの惹句によると、★全米ベストセラー! NYタイムズで話題沸騰! ★ダライ・ラマ法王大絶賛! ★人生100年時代の後半を生きるための必読書!だそうです。  流動性知能は、だいたい50歳を超えればがくっと弱くなっていくので(仕事のジャンルによりバラバラではあるものの)、これまでの成功体験に依存してはならない。自分の結晶性知能の向上に気づき、それに頼ろう。今までの生き方を変えるのは大変だが、思い切って崖から飛び込むべきだ。というように、まとめて

          読書記録:アーサー・C・ブルックス『人生後半の戦略書 ハーバード大教授が教える人生とキャリアを再構築する方法』

          読書記録:内田樹、岡田斗司夫『評価と贈与の経済学』

          内田樹さんと岡田斗司夫さんの10年前の対談本です。Kindle Unlimmtedで読めます。タイトルは硬いですが、読みやすいです。 お金じゃなくて、人とのつながり(人からの評価)が重視される世界になるという話です。10年後の今、まさにそうなりつつあるので、読んでいてよくわかりました。

          読書記録:内田樹、岡田斗司夫『評価と贈与の経済学』

          読書記録:カン・チュンド『積み立て投資の終わり方』

          ありそうでなかった本ですね。ドルコスト平均法で世界株インデックスを積み立てという王道は、いろいろなところで言われていますが、それを、退職後にどうやって崩して使っていくのか、財産のうち現金と株式インデックスはどのような割合にしたらいいのか、ということを、かなり詳しく書いてくれています。  昔からよく言われている方法は、リスク資産を100-年齢%、または120-年齢%にして、年齢が上がるほどリスク資産を減らすという方法ですが、筆者はその方法を取りません。90歳までは、たとえば世

          読書記録:カン・チュンド『積み立て投資の終わり方』

          読書記録:Meg Perry Jamie Brodie Misteries Book 22他計4冊

          アメリカのマイナー作家Meg PerryのJamie Brodie Misteries Book 22と23、Kevin Brodie Misteries Book 2と3を読みました。  Jamie Brodie Misteriesシリーズは最初は普通のM/Mのジャンルのミステリーでしたが、毎年2巻というスピードで冊数を重ねるにつれ、いつのまにかロマンスの要素がほぼ消え、主人公のJamie Brodieを中心とした家族や友人・知人達の様子を楽しむ物語となりました。アメリカの

          読書記録:Meg Perry Jamie Brodie Misteries Book 22他計4冊

          読書記録:Nicole Kimberling Mystery on the Menu: A Three-Course Collection of Cozy Mysteries

          英語のM/Mというジャンル(日本で言うとBL)の、コージー・ミステリーです。M/Mは私の弱みというか強みというか、つい読んでしまっていて結構詳しいジャンルです。日本のBLはどちらかというと登場人物が低年齢なのではないかと思いますが(あまり読んでないのでよく知りませんが)、英語圏のM/Mは主人公達が比較的高年齢で(50代とかもある)、わりとリアリスティックで、小説としてのクオリティが高いものが結構あります(ジャンル全体では大部分どうでもいい低クオリティの本も多いですが)。  

          読書記録:Nicole Kimberling Mystery on the Menu: A Three-Course Collection of Cozy Mysteries

          読書記録:102歳、一人暮らし。哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方

          図書館にあったので予約していましたが、人気の本のようで、番がまわってくるまで結構かかりました。  以前読んだ『死ぬまで、働く。』の池田きぬさんは97歳現役看護師ということで、すごいなとは思ったものの、自分がそれをやりたいかと問われると、ちょっと勘弁してください、という感じがしていましたが、こちらの102歳の哲代さんは特に働いておらず、こうなれたらいいな、と素直に思いました。田舎の一軒家で家事と畑仕事をして、近所に住んでいる姪たちに助けてもらったり、近所の友達が話に来たり、と

          読書記録:102歳、一人暮らし。哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方

          読書記録:定年前、しなくていい5つのこと~「定年の常識」にダマされるな!

          Kindle unlimitedで読みました。筆者は長年た証券関係の会社(だったと思う)に勤めて、定年後に独立して今68歳という人です。 定年までは普通に勤めて、定年後に独立して細々と気楽に仕事をすることを勧めています。 特に目新しいことは言っていないですが、まあ堅実でまっとうな意見だとは思いました。 https://www.amazon.co.jp/-/en/%E5%A4%A7%E6%B1%9F-%E8%8B%B1%E6%A8%B9-ebook/dp/B08QRYQ2S

          読書記録:定年前、しなくていい5つのこと~「定年の常識」にダマされるな!

          読書記録:黒田茜『服はいっぱいあるのにあか抜けきれないと思ったら』

          服を何も考えずに普通に着て似合うのは7頭身以上の人だけ。6頭身半の普通の日本人は工夫が必要、ということで、主に頭身の低い人向けのファッションアドバイスの本。 まさに頭身が低く、50代だけどファッション初心者のままの私には、ちょうどよかったようです。そうじゃない人には当たり前すぎることが書いてあるのかもしれません。 ちなみに、私って何頭身なんだろ、と、鏡に映った自分を写真に取って定規で測ってみたら、6頭身半どころか6頭身ぴったりでした。 https://www.amazon.c

          読書記録:黒田茜『服はいっぱいあるのにあか抜けきれないと思ったら』

          読書記録:和田裕美『人づきあいのレッスン』

          amazonの評判は今見たらよくないですね。確かに中身は改行が多くて文字数は少ないのですが、和田さんのほんわかした口調がいい感じです。あと、当たり前のことを言っているようで、ちょっとだけ当たり前じゃない感じもあります。 なにより、営業がバリバリできる人がふだん気を付けているのはこういうことなんだ、小さなことの積み重ねなんだ、と思えるのがいいです。 19番の「嫌われているかも……と思ったら「鈍感スイッチ」を入れる」というのが好きでした。 https://www.amazon

          読書記録:和田裕美『人づきあいのレッスン』