読書記録②「贖罪」

今年は湊かなえさんをコンプリートしたいという目標を掲げているので次は贖罪を読んでみました。

この本は映像化されています。
一度少しだけ見たのですが映像がはっきりしていないことや内容理解ができず見ることをやめてしまったので、原作を読んでみて内容理解ができたと思うので、どのような映像になっているのか気になりました。小泉今日子さんが演じているということもあって告白に続くすごい作品になっているのではないかと期待しています。

ミレイちゃんという子が殺されてしまう事件から物語は始まりその事件が4人の同級生にとっては呪縛でしかなく、ずっと考え、償いをし、生きている姿が一人一人の人生をその事件があった時から描いていて、より情景が浮かび上がった。
幼い彼女らにとって一生忘れることができない出来事だったにも関わらず、ミレイちゃんの母親の麻子さんは彼女らにその出来事について忘れさせないくらいの言葉をかけたし、事件から少し時間がたったとしても彼女らはまだ幼かったと思うし、ある意味彼女らの人生を変えてしまったのは犯人などではなく、麻子さんだったのではないかと思った。
麻子さんが憎む相手は彼女らではなく、犯人だったと思った。でも人間は誰かのせいにして生きていきたい生き物であり、その時にはまだ犯人は捕まっておらず麻子さんが彼女らに言ってしまったのも理解できなくもなく、わかるような、

結局誰も幸せになれず物語は終わるところから湊かなえさんの作品らしさを感じた。儚い物語だった。

犯人の動機や人生を大きく描くのではなく、被害者側の人生を描くのが湊かなえ節であり、そのどんでん返しにまんまと沼ってしまっているのだ。


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