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初心者からトレードで3,000万円稼いだ僕が破産するまでの軌跡【破産編】


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こんにちは、くればです。

僕は2017年10月に原資約100万円でトレードを始め、3,000万円ほど稼ぎました。

そして、2020年の3月に破産しました。

先日公開した「栄光編(前編)」では、初心者から3,000万円稼ぐまでの道のりを書きました。(→ 初心者からトレードで3,000万稼いだ僕が破産するまでの軌跡【栄光編】

まだ読まれていない方は、先に読んで頂いてから、こちらのnoteを読んでください。

そして今回は「破産編(後編)」ということで、

「3,000万円も稼いだ後に、どうやって破産したのか」

について書きます。

地獄への第一歩、ビットコインfxを始める。

仮想通貨の現物トレードで3,000万円稼いだ僕は、

『自分にはトレードの才能がある』

そう勘違いし、ビットコインfxを始めます。

資産が右肩上がりで増えていたこともあり、それまで怖くて手を出していなかったfxでもイケる、と考えたのです。


なぜビットコインfxを始めたのか

栄光編のnoteでも書いたように、僕はずっと「現物トレード」で戦ってきました。

「現物トレード」では、当然ですが、「買い」からでしかエントリーできません。

安い時に買って、高い時に売ることで利益を出します。つまり、「上昇トレンド」の方が利益を出しやすいのです。

しかし、僕がトレードを始めてからほとんどの期間、「下落トレンド」だったのです。

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1年間ずっと下落トレンドのなかで買いのみで戦ってきた僕は、

『ショートもしたい』

ずっとこう思っていました。

長期では下落トレンドであるにも関わらず、現物トレード(=1倍ロング)で戦い続けるのは非常に効率が悪かったのです。

当時は資産3,000万円まで膨れ上がっていたことで、資金的にも余裕が出てきていました。

そして僕は、総資産の半分程度である1,500万円を、ビットコインfxの取り扱いがあるliquidという取引所に入金しました。

『全資金の半分を入金するけど、トレードに使うのは少しずつにしていこう』

そう考えて全資金の半分もの金額を入金したのですが、今から振り返ると、完全にミス。

人は、メンタルが壊れた時に目の前に資金があると、自制なんて効かなくなり、全て突っ込んでしまうのです。

そして当時の僕には、それが分からなかったのです。


ビットコインの暴騰に対してショート、400万円損切り

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僕がビットコインをfxを始めた時期は、ビットコインが30万円代まで下落し停滞を続けた後に、140万円目指して暴騰を始めた頃。

ずっとショートしたくてたまらなかった僕は久々の暴騰を見て、

『バブル崩壊後は、上がっても散々叩き戻されてきたから、ここはショートだろ。』

と、なんの根拠もない感覚トレードでショートを打ち込みまくりました。ビットコインが120万円くらいをつけたときです。

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しかも、レバレッジをかけて、総額4〜5,000万円分くらい。

普段ならこんな、根拠のない適当エントリーは絶対にしませんでした。

しかし、散々下落トレンドを見せられ続けてきた僕は、

『とにかく天井でショート取って爆益を出したい』

との思いが強すぎたのです。

いきなりデカすぎるロットを持ったこともあり、少しの値動きで発生するとんでもない額の損失にめちゃめちゃビビり、逆行してもうまく損切り出来ず。

結果、ズルズルと含み損が拡大していき、400万の損失になったタイミングで損切りしました。

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(当時の取引履歴の一部。今でも見返すと具合悪くなる。)

そしてこの損失を喰らってから、頭が狂い始めます。


リップルに全ツッパし700万円の損切り

400万円という過去最高クラスの損失を喰らった僕は、

『早く、一発で取り返さなければいけない』

とにかくこの思いが頭から離れなくなりました。

400万の損失は確かにデカいです。

とはいえ、いつも通り冷静に現物トレードをしていれば、間違いなく取り返せていたはず。

でも、一度レバレッジで大損をしてしまった当時の僕からは、

『コツコツ稼いで取り返していく』

という考えが完全に消えてしまったのでした。

その結果、僕は現物とfx合わせて100万リップル(5,000万円分くらい) のロングをしました。

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(当時のチャート。右上に上がっていきそうな感じがします。)

当時の仮想通貨市場では、「ビットコインが暴騰する→アルトコインが暴騰する」の流れがよくありました。

資金循環の結果なのか、時間差はあれど、ビットコインが暴騰した後はかなりの確率でリップルも暴騰していたのです。

この流れを意識していた僕は、「普段なら」、リスクをとれる範囲内で現物でエントリーをしていました。

しかし、ビットコイン暴騰にショートで歯向かい損失を喰らったことで、メンタルが崩壊していた僕は、

リスク度外視で100万リップル(5,000万円分くらい)をロングしました。

『リップルが100円まで騰がれば億』

ロングしたとき、僕はこんなことを考えていました。

ビットコインに比べ、リップルは比較的ボラティリティの高い仮想通貨。

これを100万リップルも持ったので、数分で損益が100万円動くのも当たり前といった状況でした。今思えば本当に狂っています。

そしてリスク度外視でロングをした結果、今回はその資金循環が来ず、あらゆるアルトコインの資金をビットコインが吸収していく展開となったのでした。

結果、リップルについては僕が買ってから一度も上がらず。

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結局損切りし、一撃で700万円を失いました。


エントリーのタイミング自体は間違っていなかったと今でも思います。

しかし、リスク度外視のエントリー(=資金管理のできていないエントリー)をしてしまったことが敗因。

普段なら理性で出来ていることだったのに、「メンタルが崩壊」したことで、感情のままに行動するようになり、出来なくなってしまったのです。

『トレードはメンタルが全て』

この時に改めて思いました。

メンタルが強いからといってトレードで勝つことは出来ないけれど、メンタルが弱いと、どんなに良い手法を持っていたとしても、いずれ破滅します。

そしてこの損失により、僕のメンタル崩壊がさらに加速していくのでした。


400万円ほど取り返すが、『意味がない』

ここまでで既に1,000万円以上負けてきた僕ですが、liquidという取引所の「ヒゲ取り戦略」で少しずつ取り戻し始めました。

ご存じの方も多いと思いますが、liquidでは、価格が急変した際に1分足単位での「ヒゲ」がめっちゃ発生します。

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(当時のチャートが出てこなかったのですが、イメージはこんな感じです)

当時はビットコイン価格が高値圏で暴騰暴落を繰り返していたので、ヒゲが発生する確率が非常に高かったのです。

これを見た僕は、「少し遠めに指値を出しておいて、拾ったら即決済」を繰り返していました。

この戦略は割とうまくいき、400万円ほど稼ぎました。

しかし当時の僕は、

『3,000万に戻すには全然足りない、意味ない』

と感じていました。

「一度3,000万円に到達したこと」が自分の中で呪縛となり、「とにかく急いで取り返すこと」しか考えられなくなっていたのです。

トレードをやったことのある方なら誰でも経験あるかと思いますが、「負けた分を取り返す」という思考になると、確実に負けます。

取り返そうとすると、焦りが出ます。

その結果、相場をフラットな目で見ることが出来なくなり、チャンスを待てずに無駄なリスクを取ってしまうからです。

当時の僕はまさにその状態でした。

当時の相場状況であれば、チャンスのあるタイミングでヒゲ取りをコツコツ繰り返していれば、負け分を全て取り返すことも可能だったはず。

それなのに、チャンスを待つことが出来なくなっていたのです。

そして再び、なんの根拠もない感覚トレードでビットコインに大ロットでショートを打ち込みました。

これもまた損切りとなり、ヒゲ取りで稼いだ400万円を全て失います。

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また、チャート画像を見ていただければ分かりますが、僕が損切りをしたタイミングが完全に天井となり、ビットコインは下落していきます。

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これを喰らい、僕のメンタル崩壊はどんどん加速していきます。


ビットコイン、リップル、モナコイン、あらゆるトレードで爆損

この頃になると、どうやって負けたのか、記憶がかなり薄くなっています。

根拠のないエントリー、根拠のない損切りを延々と繰り返していたので、覚えていないのだと思います。

ビットコイン、リップル、得意だったはずのモナコインも、あらゆるトレードがかみ合わず。

爆損を繰り返し、1,000万円くらい失いました。

とにかく、何をやっても勝てず、市場に金をばら撒きまくっていました。

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『どんなにコツコツ積み上げたものでも、崩壊する時は一瞬なんだなあ』

と、この時に感じました。

この頃の精神状態は本当に異常で、仕事をしていても、旅行をしていても、飲みにいっても、頭の中は相場のことでいっぱい。

日常の業務処理能力の低下や記憶力の著しい低下、コミュニケーション能力の低下を感じました。

ささいなタスク(例えば掃除・洗濯、料金支払など)ができなくなったり、物事が覚えられなくなったり、人とうまく話せなくなったりしました。

チャートが気になって、寝ても1-2時間おきに目が覚めてしまう。

また、原因不明の高熱も出ました。インフルエンザやその他なにかの病気というわけでもないのに、突如、40度の熱が出たりするのです。

本当に、心身共にボロボロでした。

そんな状態でトレードをやって勝てる訳がなく、「休めば良い」と、冷静になった今は思います。

しかし、当時の僕は取り返すことに必死。どうしても相場から離れられず、休むことなどできません。ほぼ、依存症でした。

「取り返そうとエントリーして負けてメンタルを破壊、メンタルが破壊されたことで更に負ける」

といった負のループを永遠に繰り返していました。

とても正常ではないです。

でも、これが「相場の現実かな」とも思います。相場は、適切にかかわらないと、本当に頭を狂わせるものです。

冷静に見たら「何してんの?」と思うような行動であっても、理性を失い、やってしまうのです。

『自分は関係ない』

なんてことは絶対にないです。自分も他人の爆損を見た時に、そう思っていました。

ちょっとしたきっかけから、歯車が全て狂いだすのが、相場の恐ろしいところなのです。


SWELL前後のリップルで再起不能に

"SWELL"と呼ばれるイベントがあります。

これは、xrp(リップル)を発行しているリップル社が主催するイベントで、年に一回開かれます。

毎年、何故かは分かりませんが、このイベントの前はリップルの価格が上昇するのです。そしてイベントの後は、価格が暴落する。

この流れが毎年続いていました。

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『今回も上昇するだろう』

そう考えた僕は、鬼ロングをかまします。レバレッジ分合わせて70万リップルくらいだったはずです。

SWELLが始まる前から、読み通りリップルは上昇。

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そして先ほど書いた通り、例年の流れに従えば、SWELLが終われば暴落します。だから、売らなきゃいけない。

でも、当時の僕はなぜか、

『今回はSWELLが終わっても騰がるかもしれない』

と思ってしまったのです。

取り返したいあまりに、完全に正常な判断力を失っています。

そしてリップルをホールド。結果は、言わずもがな。

例年のセオリー通り、暴落しました。

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しかし、暴落し始めてからも、損切りせず。

資産がただひたすらに減ってゆくのを、ただ見つめていました。

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素直に損切りしていれば、1,000万円ほど残るため、まだ戦えたはず。

でも、もう完全に戦う気力を失っていたのでした。

しかし、「原資を割る」のはさすがに嫌だったので、原資を割るライン(=リップルが20円を割るライン)で損切りしました。

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そして、結果がこれ。

完全な底損切りとなり、僕の損切りをあざ笑うかのように、リップルは上昇していったのでした。

『あーあ・・・終わったわ・・・』

という感情。「もう溜息しかでない」といった状態でした。


ビットコイン大暴落でトドメ

リップルの損切りで、ほぼ原資状態まで吹き飛ばした僕。そこでやめておけば良かったのですが、

『追加入金をして、ゼロからコツコツやろう』

との思いが芽生え、追加入金をします。追加入金をしてから少しの間は調子が良く、少しずつ増えていきました。

しかし、先日のビットコイン大暴落。

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僕はこの大暴落に対して、ロング→損切り、ロング→損切りを繰り返しました。

そして、最後にロングを持ったタイミングで、損切りをやめてお祈りモードに突入し、就寝。

朝起きたら強制ロスカットでポジションが無くなっており、僕の2年半のトレード生活に終止符が打たれたのでした。

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勝っても地獄、負けても地獄だった

トレードを始めてからの2年半を振り返ると、

『勝っても地獄、負けても地獄』

だったなあ、と心から思います。

負けた際にはお金が無くなって辛いのは当たり前ですが、勝っても辛いのです。

どんなに勝ったとしても、『もっと勝てたかも』、『まだまだ足りない』といったように、永遠に後悔をし続けてしまっていたのです。

かといって、トレードをしていないと、

『ああ、今の動きはトレードしていれば勝てたはずなのに』

といったように、後悔をしてしまう。

2年半、自分の底無しの欲望と現実とのギャップに苦しみ続けていました。

資産数百億を持つ超有名トレーダーのBNFさんという方が、

『儲かっても、損しても精神的にかなりきつい。やってて辛いんです。1回この世界に入ったら、何をしていても株で頭がいっぱいになる。やめたいのに、やめられない。』

という言葉を残しています。

BNFさんは、僕なんかと比べるのも失礼なほどスゴイお方ですが、

僕もこの気持ちが痛いほど分かります。本当に、辛い毎日だった。

上手く距離感を保ちながらトレードに取り組むことができていれば良いのかもしれませんが、僕にはそれができませんでした。

来る日も来る日もチャート漬けの毎日で、プライベートのことも何も楽しめなくなる。いわば、「脳が完全にハックされている」状態でした。

このnoteを書きながら振り返ってみると、いかに自分が異常だったかが良くわかります。

そういう意味では、一旦資産が全て吹き飛ばされたことで、トレードから解放されることができ、良かったのかもしれません。


読んで頂き、ありがとうございました。

「栄光編(前編)」も含めると、1万字以上。

長々と書かれたnoteを読んで頂いた方、ありがとうございました。

本当は、このnoteで「総括」のようなことも書こうと思っていました。

しかしながら、あまりに長くなってしまうので、

『初心者からトレードで3,000万稼いだ僕が破産するまでの軌跡【総括編】』

といった形で、また別のnoteで書こうと思います。

次のnoteも、書けたらTwitterで報告しますので、フォローしてもらえると嬉しいです。更に、今回の記事を拡散していただけたらめっちゃ喜びます。

また、ブログも書いているので、良かったら読んでください。僕のトレード経験の思考整理を目的に、色々なことを書いています。

ちなみに、『栄光編』で稼いでいた時の手法は、別のnoteで公開しました。気になる方はぜひ読んでみてください。


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