Legacy and Influence
CHAPTER 8 Legacy and Influence
第８章は、クラウディア・ゴールディンが残した遺産（レガシーをどう訳せばしっくりくるのか…いまいちわかりません。）や世代を超えて引き継がれているものについてです。
Her impactful research, commitment to mentoring, and unrelenting drive to tackle urgent societal challenges have all worked together to leave a legacy that goes far beyond the confines of her academic career.
彼女の影響力のある研究やメンタリングへの熱心な取り組み、そして喫緊の社会課題に対処するたゆまぬ意欲のすべてが連携し、彼女の研究者としてのキャリアを超える範囲に遺産を残している。
Claudia Goldin's lasting Impact
クラウディア・ゴールディンが、正確性にこだわり、綿密な研究を行ったことで、男女の賃金格差や学歴がもたらす雇用への影響などに関して、従来の固定観念を打ち砕き、今日に至るまで、政策議論も含めて様々な分野での議論に多大な影響を与えてきました。
Her research on the gender wage gap, the economics of education, and the historical development of labor markets has upended preconceived notions and altered the tone of academic conversation.
男女の賃金格差、教育経済、そして労働市場の歴史的な発展に関する彼女の研究は、先入観を覆し、学術における議論の論調を変えた。
Goldin’s commitment to education and mentoring has had a significant and far-reaching effect.
教育とメンタリングに対するゴールディンの熱心な取り組みは、重要で広範囲にわたる影響をもたらした。
Influence on future generations
彼女の影響を直に受けた、教え子たちも、彼ら自身が立派な経済学者や研究者に成長し、彼らもまた、クラウディア・ゴールディンの聡明さや画期的な研究を教え子やメンティーへ伝えていきました。
その結果、世代や分野を超えて、彼女の影響力の凄さが広まっていきました。
Future generations of academics have taken notice of Goldin’s support for inclusivity and diversity in economics.
次世代の研究者は、経済学における多様性と包括性に対するゴールディンの支援に注目した。
A few generations of economists have been motivated to work toward a more diverse and equitable discipline by her advocacy for the inclusion of underrepresented voices in the field.
数世代にわたる経済学者は、経済学分野において過小評価されている声を積極的に取り込む彼女の姿勢に、より多様で公平な学問分野に向けて努力するように鼓舞された。
Younger academics have adopted a comprehensive viewpoint on difficult societal challenges as a result of Goldin’s interdisciplinary approach to economic study.
ゴールディンが経済研究に対して学際的な取り組みをした結果、若い研究者たちは、複雑な社会課題に関する包括的な視点を習得するようになった。
Emerging economists have been inspired to work across disciplines thanks to her ability to make linkages between economics and fields like history, sociology, and psychology.
新進の経済学者は、経済学と歴史学や社会学、心理学などの分野を結びつける彼女の能力のおかげで、分野をまたいで研究するよう促された。
Today's Relevance of Her Work
彼女の研究では、「社会が、いま、何を求めているのか」ということを察知して、常に、喫緊の課題に注目していました。
男女の差だけでなく、より高度な知識やスキルが必要な仕事への需要が高まる今日では、彼女の性格で綿密な研究をもとに、政策議論を行っていく必要性は、ますます高まっています。
With its focus on pressing issues that still influence society and policy debates, Claudia Goldin’s work is still very relevant in today’s world.
クラウディア・ゴールディンの研究は、依然として社会や政策議論に影響を及ぼす喫緊の課題に焦点を当てており、今日の世界でもとても重要な意味をもっている。
Her focus on the importance of job flexibility, career options, and hours worked calls into question easy answers and emphasizes the necessity for comprehensive legislative solutions.
働き方の柔軟性やキャリアの選択肢、そして労働時間の重要性に彼女は焦点を当てており、簡単な答えに疑問を呈し、包括的な法的解決方法の必要性を協調している。
The economics of education are more important than ever in a time of quick technological advancement and rising demand for qualified labor.
教育の経済性は、技術が急速に進歩し、資格が必要な労働に対する需要が高まる時代において、これまで以上に重要である。
Her contributions to labor economics, education, and gender inequality have a lasting impact on the world today, influencing discussions and guiding legislatures on important social concerns.
労働経済や教育、男女不平等に対する彼女の貢献は、今日の世界にも永続的な影響をもたらし、重要な社会的懸念に関する議論に影響を与え、議会を導いている。
The writings of Claudia Goldin continue to be a source of wisdom and motivation that point us in the direction of a more just and informed future.
クラウディア・ゴールディンの著書は、より公正で、知識に満ちた未来の方向に私たちを向かわせる知恵と動機の源であり続ける。
+α
intellectual rigor/知的厳密性
直訳して「知的厳密さ」でしょうか。普段使わないので、この訳で合っているのかわかりませんでしたが、このような日本語は存在しました。
知的厳密性は、一貫性があり、自己矛盾を含まず、トピックに関して利用可能な知識の全範囲を考慮に入れる思考プロセスです。 論理的誤謬を積極的に回避します。さらに、それは利用可能な知識の懐疑的な評価を必要とします。トピックまたはケースが厳密な方法で処理される場合、それは通常、それが包括的で徹底的かつ完全な方法で処理され、矛盾の余地がないことを意味します。
思考プロセスのことだったんですね。なるほど。
「知的厳密性」の重要性については、実用的で前進を確保できるような適切な決断をできるようにするために重要であると述べられています。
Intellectual Rigor eliminates the need to make decisions based on emotions. Emotional decisions don’t work in a professional setting. Intellectually rigorous people come to the right conclusions at the right time. Their ideas and solutions are practical and deployable, hence ensuring progress and innovation.
また、「知的厳密性」をこのように使っている記事もありました。クラウディア・ゴールディンの本によく出てきた「人的資本」という言葉がありましたが、まさに、企業の採用戦略で語られることですね。
ベル・アトランティック会長レイモンド・スミスは、ビジネス戦略の策定プロセスそのものが組織内で展開されるゲームであると考察している。従業員が現状への疑問をオープンに提示する勇気をもてず、マネジャーが担当部署の狭い利害ばかりを守っていると、ゲームは往々にして機能不全で非生産的なものになってしまう。
もっと生産的なゲームをしていくために、企業はこれまでと異なるタイプのゲームプレイヤー（「柔軟で、知的厳密性を備え、不確実性に正面から対峙できる」人材）を採用・育成し、さらには戦略策定プロセスに対する全員の有意な貢献を促す（「オープンで率直であると同時に、偏りのない徹底的な議論の追求を通じて、変動要素のすべてを真摯かつ政治的圧力なしに検証できる文化」をつくることによって）必要があるのだ。