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ICUから他大の大学院(人文系)へ進学することについて

はじめに

ICUに入る前は大学院の存在すら知らなかった人間が大学院に入ってしまいました。記憶がフレッシュなうちに、ICUから他大の大学院に進学を考えている人に向けて、いくつか「私が知りたかったな」と思うことをまとめておきます。とはいえあくまでこれは私個人のことで他の人に必ずしも役立つとは限らないのですが、少しでも参考になればいいなと思います。

プラニング

私が大学院を考え始めたのは2年生ぐらいでした。1年の春学期は何を思ったか「面白くない授業には出ない」というスタンスでいて見事に単位を落としたのですが、自分の好きな学問に出会うことができて、「あ、たのしいな」と思うようになり、「大学院なるものがあるらしいぞ」と知って興味を持ったのが始まりでした。そこからは就活する同期を横目にひたすら黙々と勉強してました。

ここで重要なのは人との繋がりだと思います。私は自分が志望していた大学院の人とTwitterを通じて勉強会に呼んでいただいたり、また自分と同じ分野の学生とTwitterを通じて仲良くなって勉強会したりしたのがとても刺激になりました(Twitter最高!)。あとは志望する大学院の先生とICUの先生を通じて繋げてもらい授業に参加させてもらったりしました(この点はオンラインでよかったなと思います)。授業に潜らせてもらえるかは微妙かもしれませんが、なんらかの方法で志望校の先生とコンタクトをとるといいと思います。

いくつ受験するか

いざ受験するぞとなればあとはどこを受けるか決めなくてはなりません。私は第一志望の大学院とプラス2つ受けました。合計三つ受けたのは、はっきり言ってキツかったです。試験で問われる内容は被ってるとはいえ試験を受けるのは神経削るし遠いところまで行かなきゃならないし、あと合格発表で一喜一憂してるとヘトヘトになります。できれば絞った方がいい気がしますがこの辺はもちろん個々人の都合によると思います。

あと意外にも書類がめっちゃだるいです。手書きで自分の学歴やらなんやらを書いたり卒論の要旨を書いたり卒論を自分で印刷してファイルして(しかも2、3部用意するように言われる!)郵送(書類書留でとか色々注文あり)したりすると「うおお卒論書きたいのに!!」と鬱憤が溜まります。この点でもやはり3つも受けたのは失敗だったなと私は思いました(いっぱい受けとけば一個は受かるやろとか思ってた…。)

バイト

私は大学入ると同時にとある塾でバイトを始めました。あと家庭教師もやってました。院進するとなるとなかなか大変かもですが、私は院試の直前までバイトは続けてました。これは「親に生活費を頼りまくるのはやだ」という個人的な思いでやってたのですが、バイトしなきゃ生活費がないよという学生もいると思います。大学院進学する人は私が見る限りバイトしてないひともいて、「自分もバイトやめなきゃだめかな…?」とか考えてたのですが、バイトしながらでも院進はできるよって言いたかったです。でも私も経験しましたがバイトやりすぎると勉強できなくなって病むので、自分のキャパを知りつつバイトを調節するのはすごい大切です。

受験対策方法

この辺も分野によると思いますがまず過去問は必須です。私は先輩から譲り受けましたが普通に購入することもできます。大学によっては直接行ってコピーしなきゃならないところもあります。なるはやでゲットして過去問解きまくっておくといいと思います。余談ですが私が受験した時前の人が過去問を綺麗にファイリングして自分の答案を見直してて「こういうマメな人が、私がぐちぐち文句言いながらやった書類をグダグダ言わず淡々とこなしてやってきたんやろうなあ」と思いました。

大学院によっては第二外国語が受験科目にある場合があります。私は2年生ぐらいからドイツ語を独学で始めました。先生といっしょにドイツ語の論文を読んでもらった時間を除けば全部独学です。ICUは第二外国語が必修ではないので他大で一年からガンガン二外をやってる学生に差をつけられるのがイタイところです。なのでもし、受験科目に二外があればなるはやで二外に手をつけましょう。

この点でも人との繋がりは大事だと思います。私はID一個下の学友とドイツ語勉強会をやって受験前まで一緒に『独文解釈の秘訣』という参考書をやり終え、過去問のドイツ語も一緒にやりました。私は一人で物事を進められないタチなので周りの人間を巻き込んでやるのが好きなのですがこれも人によるかもしれません。

ICU生のメリットとデメリット

さっき二外の話でICU生は差をつけられてるって言いました。私が大学院受験して思ったのは、「ICU生はやはり専門の知識が弱い」のではないかということです。これは単に私が勉強不足であるというのもあるのですが、やはりICUはリベラルアーツ教育なのでどうしても専門の授業が他大でゴリゴリやってる人と比べて少なくなっちゃうのではと思います。それを念頭に置いて勉強するといいと思います。

逆にICU生のメリットとしては、ICUで培った分野横断型の学び(私自身全然分野横断できてないが)とか、人数少なくて他のメジャーの人と話す機会も多いと思うので、視野が広くなるとかがアドバンテージになるかもしれません。あと英語ができると院試の英語でだいぶ自信をもつことができます。

卒論

最後に卒論について。大学院進学を目指すとまず院試で頭がいっぱいになるかもしれません(私はそうでした。過去問見たとき「ぎょえ〜〜こんなん解かれへんやんけ」と思いましたし実際の受験も解けなさすぎて頭真っ白になって、意気消沈しながら帰宅する途中何度も人生やり直したいと思って帰ってから久々にギャン泣きしました。試験後に「よっしゃこれは楽勝だぜ」と思う人はほんの少しの選ばれし者たちだけ)。けれども大学院進学してからの一番の課題は論文を書くことなので、学部生のうちの最も重要なタスクは良い卒論を書くことです。良い卒論を書くためには結構前からちゃんと計画を練っていっぱい読んでいっぱい書くことが必要になりますが、これこそ大学院でやっていくために必要なスキルなので、最もいい受験対策は卒論をガチることだと思います。(↓ICU出身の院生の方のコメント)

まとめ

勢いでざざーっと書きましたが、院進考えたらなるべく早く過去問やって、卒論ちゃんとやると良いと思うよ、ってことでした。ICU生の弱みも意識して自分でカバーできたら理想だけどなかなかむずいとは思います(ジェネとか色々やらなきゃいけないしね)。あと人と繋がるのもめっちゃ大事です。ここでは詳しく書きませんが、何人かの同級生と自主的な卒論発表会をやったりもしていました。ぜひ、自分の専門の先輩方や、先生方、そして周りの友人らとも、積極的に交流するのを心がけてください。

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