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当事者として見る風景

傍観者から当事者になると、見えてくる風景が変わります。あきらめ一色の境地に色彩が戻り、やってやろうじゃん、という意欲が湧いてくるようです。
 今回の衆議院議員選挙と国民審査で、その思いを新たにしました。

 まずは選挙です。私は東京8区の有権者です。「大物政治家」が落選した話題の選挙区の一つです。選挙結果を見て、杉並区民が自民党の石原伸晃・元幹事長を選ばなかったことに驚きました。リベラル寄りの住民が少なくない地域とされているので、石原氏が10回も当選していたことの方が奇妙だったはずです。それも長く続くうちに「こんなものだろう」と違和感がなくなっていたのでしょうか。

 もう一つは、国民審査。「罷免したい」を意味する「×」の高かった4人は、いずれも夫婦別姓の合憲性が争われた裁判で「合憲」とする多数意見に加わっていた判事でした。

①深山卓也(67)=裁判官出身 4490554票(7.85%)
②林道晴(64)=裁判官出身  4415123票(7.72%)
③岡村和美(63)=行政官出身 4169205票(7.29%)
④長嶺安政(67)=行政官出身 4157731票(7.27%)
 「×」がついた票数。カッコ内は有効票に占める率

 国民審査は、初回の審査を経て、定年の70歳まで10年ごとに受けることになっています。ということは、この4人は今回の審査が最初で最後ということになります。それでも、400万人以上の有権者が「ノー」を突き付けたことがはっきりしました。
 全体を見れば、自民党が単独過半数を占め、最高裁判事は全員罷免されることはありませんでた。一人一人の声は小さくても、何かを動かす力にはなるのですね。
 
 友人からこんなメッセージが来ました。
 「夫婦別姓に対してはっきりと『違憲』とした判事以外は、すべて『×』をつけた」
 今の制度が当事者にどれほどの負担を強いているのかわからない人に、判事の資格はない。当事者意識が欠けた傍観者のままでいたら、風景どころか何も見えないのかもしれません。
 明日は選挙後としては初の授業です。学生たちが何を観点に投票したか、その結果を見て何を得たのか得なかったのか、聞いてみましょう。(マツミナ)

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