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音楽の原体験②〜バッハとフランスの教則本

ピアノを習い始めたのは小学2年に上がってから。かなりのレイトスターターである。
それまで、やってみたいなと思ったことはあったのだが、親に言い出せなかった。先に言い出したのは妹。じゃあついでに、ということで一緒に始めることになった(のちに妹は、ある意味キーパーソンになる)。

最初に手ほどきをしてくださった先生が引っ越すことになり、習い始めた翌年に別の先生が後を継がれた。
新しい先生が持ってこられた教本は、それまでのバイエルとは少し趣が違った。『メトード ローズ・ピアノ教則本』と『こどものバッハ』は特に記憶に残っている。

表紙からして「外国の本!」という感じで、クラシカルでおしゃれな挿絵の入ったメトード ローズ。
バッハのほうは表紙のイラストが特徴的で少しこわかったけど、曲は好きだった。
(久しぶりに見たら、どちらも今も装丁が変わっていないのが驚き)

学校の勉強もそうだが、子どものころに習い覚えたことが大人になって役に立つのか?という疑問に対する答えは、その人が生きていく瞬間瞬間にしか分からない。すぐに役立つこともあるかもしれないし、人生の終盤で「あのときのは、これか」と思うこともあるかもしれない。

メトードローズに関しては、いつだったか思い出せないが「あのときのは、これか」があった。

メトードローズに入っていた、フランス民謡「月の光に」が「動物の謝肉祭」の「化石」に引用されている(0:29から4秒間くらい)。ほんの些細な伏線回収だが、自分で発見したのも相まって、心の中で小さくガッツポーズした瞬間だった。

バッハに関しては、ピアノを習っている間 継続して弾いていたこともあり、音楽の好みのベースになっているように思う。
バッハがクラリネット用の曲を書いていてくれればいいのに、と思うこともある。ないものねだりだ。でも、時々ふと「インヴェンションとシンフォニア」を練習してみたくなることがあるのは、それが存在しないからこそなのかもしれない。


ピアノの先生、どうされているかな。連絡先がわからなくなってしまったのが悔やまれるが、もし今 会えたら、また音楽の話をしてみたい。

近いうち、お茶会のような雰囲気のコンサートを企画したいと思っています。もしサポートいただけたら、その運営費用に充てさせていただきます。