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【マーラー書きたい6】マラ6の編成というか特殊性

今回はあえて管打だけの話をしたい。というのも、私もクラリネットなので、弦楽器より管打のことの方が書きやすい。

それにしてもマラ6はすごい編成だ。これ。

ピッコロ、フルート4(ピッコロ持ち替え)、オーボエ4(イングリッシュ・ホルン持ち替え)、イングリッシュ・ホルン、クラリネット4(E♭クラリネット持ち替え)、バス・クラリネット、ファゴット4、コントラファゴット、ホルン8、トランペット6、トロンボーン4、テューバ、ティンパニ2、打楽器(大太鼓、小太鼓、タムタム、シンバル、トライアングル、低音の鐘、カウベル[ヘルデングロッケン]、シロフォン、グロッケンシュピール 、ハンマー 、ルーテ、ハープ2、チェレスタ、弦楽5部

さてさて、これは一体なんでしょう。合唱がないだけで、最大編成級。古典の編成の倍以上、管楽器がいる。ちなみに昨日気づいたのだが、ティンパニも2名必要だ(運ぶのタイヘン)。ハープも2名。ハープはまだ会えていないが、この週末、楽しみ。チェレスタも入る。この前、チェレスタのお姉さんがいらしてくれたけど、普段ない音が入ると戸惑う。でも、やはりあると良い。2楽章の中間部とか、4楽章の冒頭とか。1楽章も地味に木管の伴奏をしてもらってたりするのだ。

打楽器について。ハンマーについては書いたが、ハンマー以外にも、ルーテ(むちのような楽器のこと)とか、カウベル(ゴギ先生いわく牛の楽器(笑))、タムタム(ドラ)もある。ハンマーの破壊力には及ばないが、私はカウベルのシーンがとても好きだ。簡単なように見えて、難しい。良い感じに演奏する難しさ。牛が出て来そうで、なかなか出て来ない。楽譜には波線しか書いてないから、尚更、奏者の技術が問われる。

金管はどうか。これがまた、ニクイ書き方をしている。ホルンやトランペットはどの交響曲でも活躍するが、マラ6も案の定、めっちゃ目立つ。とくにホルンは圧巻。我々の名手A氏が数多くの難所をヒョイヒョイ超えて、唸らせる演奏を期待してもらって良いだろう。
チューバやトロンボーン吹きは、マラ6は聴きに来た方が絶対良い。どソロの多いこと。とくに4楽章のトロンボーンとチューバのコラールなどは、聴きどころだ。

さて木管。往々にしてマーラーはトゥッティやユニゾンが多い。4楽章など、ハーモニー以外はクラリネットなど木管は、ほぼほぼトゥッティだ。一人くらい抜けてもなんとかなったりする(笑)。勢揃いしたときが楽しみだ。
それよりも何よりも、各ソロの饗宴。私は一番好きなのは、3楽章の最後、コンミスのソロから始まるソロリレー。ここはオーケストラの奏者のカラーが出て、良い。私も2箇所ほど参加する。他にも、オーボエやホルンのソロなど、ソロだけでも聴きどころ満載だ。

マーラーの真骨頂は、室内楽的アンサンブルだ。大音量でトゥッティでユニゾンで走り抜ける爽快感はさながらジェットコースター並みにかっこいいが(演奏後はドッと疲れる)、何よりも静かなところのアンサンブル。ソロを軸にしたり、木管でいえばフルートやオーボエ、ファゴットとのユニゾン。もちろん、弦楽器にも見せ場が多い。ビオラやコントラバスにも「オイシイ」フレーズが溢れている。弦も楽しいのだろう。マーラーは、奏者が楽しい音楽を書く。それも、偏りが少ない。みんなでオイシイところを分け合っている感覚。それで、トゥッティでみんなで走り抜ける。

フレーズについては別の記事に書くとして、今回は編成の話。ステージに乗り切らないくらいの大編成を、ぜひ楽しんでいただきたい。

関西シティフィル 第70回定期演奏会
■日時:2021年2月28日(日)14:00開演
■会場:ザ・シンフォニーホール
■指揮:ギオルギ・バブアゼ
■曲目:マーラー / 交響曲第6番「悲劇的」
■入場料(全席指定):¥2,000 (座席指定料金¥500含む)
■チケット発売:チケットぴあ ✆0570-02-9999
(音声自動応答 / Pコード 192-074)

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