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ウィスキーと私

ウィスキーのおいしいお店に連れて行ってくださいと言われることがある。そうしたいのはやまやまだが、私は基本外で飲まない。ゆえに店を知らない。酒の味は好きだが、酒の席というものが好きではないのだ。差しつ差されつといえば聞こえは良いが、それによって自分のペースが乱されるのが煩わしい。

そんな具合だから「究極のコミュ障で」などと言ってお断りするのだが、冗談を言っているのかと大抵は取り合ってもらえない。恋愛やコミュニケーションを教えている私が「コミュ障」では確かに困るのだが。でもこれはむしろ、あらゆるしがらみから自由になった結果の最終進化形なのである。

そんな私でも一緒に飲みたい人はいる。
たわいもない話ができて、一緒にいて無理がなく、沈黙さえも心地良い。心解けるそんな時間に似合う酒はやっぱりウィスキー。マイルス・デイビスでも聴きながら。グラスの氷も心もゆっくりと溶けてゆく・・・

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