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ショートショート『恋人』

やっと義実家に新年の挨拶に行けました。
クララリネットです。

子供を寝かしつけてから、
「男性ダディ」のライブ配信を見ていました。
男ブラと堂前さんによりHP回復。
(また後日感想書きます。)


今回は初の試み。ショートショート。
パソコンの大掃除をしていた年末に、
高校生の時に書き溜めていた
脚本やコントの台本を見つけてしまいました。

お見せできないような黒歴史満載の台本も
中にはちらほらありましたが、
消去するのももったいないなと思い、
ここで供養することにしました。

今よりも拙い文章ですが、
読んでいただけると
学生時代のクララリネットが喜びます(笑)

それでは。



『恋人』

女「もう…別れましょう」

男「えっ…どうしたんだよ。急に。」

女「別れてほしいの。」

男「そんな。理由を言ってくれよ。
  納得できねえよ。
      ずっと俺たち一緒だったじゃないか。」

女「ずっと一緒だったからよ。」

男「え?」

女「ずっとあなたの側にいるのが辛かった。
  最初は、あなたのことが好きでたまらなかったから
      気付かなかった。でも…」

男「でも?」

女「ずっとあなたの後ろにいることで分かったの。
  私なんか、ちっぽけな存在なんだなって。」

男「そんなことねえよ。」

女「そんなことあるの!
  あなたはいいわよ。
  いつも私の前にいて、みんなを引っ張っている。
  私なんか、いっつもあなたの次。
  前に出ることなんて、怖くてできない。」

男「別に1番じゃなくてもいいじゃないか。」

女「そう思うようにしてたわ!
  前に出れなくても、
      自分のできることをしようって。
  そう思って、あなたに助けられながらやってきた。
  それなのに、私は、
      あなたに『ありがとう』も言えない。
  伝えたくても、私にはできないの。
  だんだん、自分が惨めに思えてきて…。」

男「つまり、
      俺といると自分の存在意義がわからないってか。」

女「…うん。だから、もう…」

男「ふざけんなよ。」

女「…えっ」

男「俺一人でどうしろってんだよ。」

女「あなたは一人でもやっていけるわ。
      だから…私なんか」

男「俺は…お前が必要なんだよ!」

女「…え?」

男「お前がいなくなると、
      俺は『だいすき』って言えなくなる。」

女「あっ…」

男「俺はお前のことが好きだ。
  『だいすき』って言えるのも
      お前がいてくれるからだし。
  そもそも、俺らがいないと
      『あいしてる』なんて言えないだろ?」

女「…あ!」

男「なぁ。これからもずっと、
      俺の側にいてくれないか?」


50音表の上で、
「あ」が「い」にプロポーズした。



原文そのまま、手直し無しで載せてみました。
世界史の授業の時に、
授業も聞かず電子辞書のメモ機能に
これを書いていた自分。

…うん、阿刀田高や星新一の影響受けてるな(笑)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


「♪自由が苦手な せつなーい にんげーん」
(ラーメンズ「FLAT」より『プーチンとマーチン』)


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