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夏の不思議な話

8月ですね。
そんなわけで、不思議な話でもしますか。怖い話は経験がないので不思議な話でお茶を濁させてください。

十数年前、小学校で働いていた時の話です。ちなみに私は、当時派遣事務員として働いてました。

当時、小学校に働いていたと人に話しますと、大抵 怖い話を期待されました。更には、勤めていた学校は歴史あると言えば聞こえはいいですが、単に古い学校であったため、周りの人にももちろん、赴任された教諭たちからも、この学校は何かあるのでは?と必ず聞かれました。
教諭たちのネットワークでも、その学校に纏わる怖い話がまことしやかに広まっているような、それなりに古い学校でありました。

しかし。その教諭たちのネットワークで広まった怖い話は
「体育の授業で亡くなった子どもが出る」
「音楽室の古い演奏家の絵が動く」
「学校を建てるときに事故があって、そのときの幽霊がでる」等、トイレの花子さんなみのテンプレート的なものでありました。

そして私は知っていました、上記のことはあり得ないことを。なぜなら、私はその小学校は母校であり、さらにはその街で生まれ育ち、働いていたのです。
小さな街でしたので、そのような事実があれば、絶対に耳に入るはずと豪語できるほど、小さな街であります。

しかし、当時は空気が読めないなりにも、口に出してはいけないことはわかってました。良い大人たちが(私を含む)娯楽の少ない街で、楽しんでいるだけの怖い話です。場がしらけることはアラサーになりかけの私は口にしませんでした。今にして思えば、音楽室の絵は10年前に購入したやつだよ、くらいは教えてあげればよかったです(帳簿にありました)

そんな私ですが、怖い思いをしたことは一度のみ。

ある夜、仕事の関係で私が学校に残っておりましたら、学校前の住宅に住む教頭から電話で「3階の音楽室の灯りがついているので消して欲しい」との連絡が入りました。夏の夜でした。

音楽室の絵などは怖くはないですが、さすがに夜の音楽室。ドキドキしながら歩いたことを覚えています。そして恐る恐る音楽室の重い防音ドアを開けると、突然ピアノの音が。
流石に悲鳴をあげました。あげますよ。ピアノの音ですよ。
誰もいないと思っていたのに。
更にびっくりしたのは、私の声にピアノの音はやみ、女性の悲鳴が…
ピアノの練習をしていた、女性教諭が椅子から転がるのが見えました。

人間が一番怖い…

長々と書きましてすみません。

実はここからが本題です。私前置きが長いので…すみません。

怖い話はないのですが、勤務している時に不思議な体験をしました。
当時私の席の横には、職員室のメインパソコンがありました。
最終的な出席簿や成績表を打ち込んだり、データを保存したりするためのパソコンです。
今ならクラウド等で繋げて、そのような面倒なことはしていないでしょうが、なんせアラサー時代の話です(そろそろうざいですね…)

私の席の隣にパソコンがあったため、合間に世間話も多くしてました。

男性教諭A先生は、話好きで野球好きの、私より2歳上の先生です。
体育教師みたいな風貌でありながら、理科専科をもつ教師で、当時TTとしてクラスに入ってました。
ある日A先生がチャイムのあとゆったりと職員室を出るのをみました。

ほどなくして戻ってきて腑に落ちない表情でこちらに向かってきました。いつも自信満々な表情とは違い、本当に腑に落ちない表情でした。

座るなり、私にポソポソと話しだしたのです。

二階の教室に向かって中央の階段を上がっていると、横から足音がして、視界にも子どもの足が見えた。
チャイムも鳴っているために、誰だろう?保健室から帰りかと横を向くと、誰もいない。

見間違え?
そう話したあと、私の答えを聞くわけではなく、先生は教室に戻りました。

子供の足音と足…実は私自身その話を聞くのは初めてではなく、どんな反応をすれば良いかわからずにいました。

数年前にも一度。
すでにほかの学校へ移動したB先生が、同じ話をしていたのです。

B先生は、熱血先生で、こどもたちにも保護者にも人気のある先生で、私より年下だったと思います。
B先生も、ある日の夕方パソコンの席に座り、ボソボソ話ました。
その声があまりにも、らしくなくどうしたのだろう?と顔をみたことを覚えています。

怖がってはいないけど、腑に落ちない。そんな表情でした。

中央の階段を二階に向かって歩いていたんだ。
そしたら、足音が聞こえて、視界に子どもの足がみえた。
こんな時間に?
と思ってそちらをみたら誰もいないんだよね。

その話に私は、なんとなくざわりとしたことを覚えていますが、私が見間違い?なんて、場を濁すと、そうだねと笑いあったのを覚えています。

B先生は怖い話好きだったのですが、その話はその後なかったので
揶揄われたのかな?なんて思っていました。


その後。
A先生もいなくなり、私も程なくして、結婚をして派遣を辞めて、他の職場に勤めました。

私自身、怖い体験ではないのですが、時々思い出す、不思議な体験です。

夏の夕方になると思い出す話でした。

とりとめなく申し訳ありません。


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