【OW2β】OWLメタリポート~week3
こんにちは、AkihabaraEncountのclankです。
普段はOWチームの出張コーチをしながらOWLのリプレイ解説配信やOWの攻略?記事を作成しています。
この記事ではOWLメタリポートと題してOverwatchの最高峰、OverwatchLeagueにおける戦術的なトレンドを記事にしていきます。
ついにイースト(アジア)グループの試合も開始され、OWLも盛り上がってまいりました。
今回の記事ではイーストグループで主流の戦術を整理しながら、ウェスト(NA)グループと比較して解説していきます。
ウェストグループのピック率の変化
それではまずピック率の変化についてです。
ピック回数のみの集計のため公式データのような時間を含めたデータとはなっておらず、一部のヒーローは実際の活躍と大きく食い違う部分があることはご了承ください
先にウェストグループのピック率を見ていきましょう。
青枠は先週から採用の減ったヒーロー、赤枠は採用の増えたヒーローのうちより変化が大きかったものを示しています。
これらの変化のうちいくつかは使用されたマップによる影響などもあるでしょう。たとえばシンメトラの採用が増えたのは先週に比べコントロールマップが多く使用され、その初動で多く採用されたからです。
同様にシグマ、ゼニヤッタの採用が増えたのは例外的にこの2ヒーローの採用が見られる新エスコートマップの「CircuitRoyal」での試合が多かったことも影響していると考えられます。
そういった場合を除けば、今週のウェストグループの戦術は先週の傾向がより強くなったものと言えます。
ウェストグループの戦術傾向はルシオアナソルジャー76をほぼ固定したうえで、ウィンストントレーサーを採用したダイブ構成、ザリアリーパーを採用したゴーストダイブ構成の二通りに分類できます。
先週まではゲンジエコーといったバリエーションも見れましたが、今週はそれらの採用が減り逆にトレーサーの採用が大きく伸びたことで環境が収束してきている感もあります。
プレイオフに向けてここから戦術がどのように変化してくるかが楽しみです。
イーストグループのピック率
さて、今回のメインであるイーストグループについてです。
イーストグループの集計結果は以下のようになりました。
イーストグループの試合は先週分のデータが無いのでイースト(NA)グループとの比較で枠色を付けています。
やはり目を引くのはザリアのピック率の多さでしょう。
その率56%とウェストグループのウィンストンとほぼ同値です。事前情報でイーストグループではザリア軸の構成が流行っているというものがありましたが、まさにその通りだったということです。
では、ザリアリーパーのコンビを軸としたゴーストダイブが流行っているのかというとそうではありません。
イーストグループでのリーパー採用率はウェストグループとほぼ同じ値であり、その代わりにエコー、ゲンジの採用が大きく伸びていることが分かります。
これはウェストグループの初週同様に、互いの手の内が分からない状態だからこそのパワーのあるヒーローピックが伸びたというだけでなく、それぞれの対ザリア戦の相性が関係すると考えられます。
リーパーは敵に近づいてもバリア二つを超えて火力を出すのが難しいために活躍が難しく、
逆に中距離からの牽制が可能で、高い瞬間火力でバリアの切れ目に一気にキルを取りやすいエコー、ゲンジは評価が高くなったからだと予想できます。
それに伴って枠を奪われたトレーサーはウェストグループと比べて大きく採用を減らすこととなっています。
公式データとのすり合わせ
さてここからは恒例の公式データとの答え合わせです。(集計方法が違うのでそれぞれ答えは違うのですが信頼性が段違いなので)
公式データはピック回数ではなく試合時間に対する使用時間なのでより試合内容に忠実な数字となります。
引用:Grav Bag: All Rowdy on the Eastern Front
僕のデータと食い違いとして大きいのは短時間だけのピックが目立つウィドウシンメトラはもちろんですが、
問題なのはウェストグループのリーパートレーサーゲンジのピックレートの順位が逆転していることでしょう。
僕のデータではトレーサー>リーパー>ゲンジとなっていますが、公式の使用時間を含めたピックレートではゲンジ>トレーサー>リーパーとなっています。
この大きな食い違いの原因を現状では完全に説明することはできないのですが、ゲンジはピックされた場合の稼働時間が非常に長いと考えることはできます。
また、トレーサーはコントロールでのピックが多く、コントロールは一ラウンドあたりの時間がエスコートに比べ短いため、その辺も関係してるかもしれません。
しかし、ここを深く掘り下げるのはやや本稿の趣旨からはずれそうなので、話を戦術考察のほうに戻しましょう(投げやり)。
ウェストグループのピック率で注目したいのは、僕のデータのほうでもピック率が伸びていたアッシュとブリギッテについてです。
それぞれ個別に掘り下げてみましょう。
スナイパー環境到来の予感?
まずはアッシュについてです。
アッシュはイーストグループにおいて主にエスコート/ハイブリッドルールを中心に広く射線が通るマップや、高台のあるマップでの採用が目立ちました。
そしてそういったマップではウェストグループにおいてもウィドウメイカーの採用が時折みられるようになっており、その場合ソルジャー76の採用は少なくなっていました。
これはアッシュ、ウィドウメイカーはソルジャー76に比べ射程の長さで有利が取れ、なおかつ高台の上り下りが容易であるからと考えることができます。
特にこの2ヒーローがピックされるマップでは防衛側の高台からこれらスナイパーがのぞいていることが多く、それを攻撃側がスナイパー以外のヒーローで解決するのは難しいためにスナイパーを出さざるをえないというシチュエーションはow1でもよく見た光景です。
この光景はタンクの少なくなったOW2においては相手のスナイパーへの対処をタンクに頼りにくくなったためにスナイパーで対処しなければいけないといったシーンは増えそうです。
また、スナイパーヒーローの優位点として、相手に射線を通す時間が短くて済むという点も挙げられます。
シビアな試合展開で相手に射線を通していられるチャンスが少なくなればなるほど、スナイパーヒーローはソルジャー76に対して有利になります。
もちろん継続火力やULTの破壊力、エリア取り、その他もろもろの汎用性を含めてソルジャー76には特有の強みがあるため、多少スナイパーヒーローのピック率が増えても現在のパッチではソルジャー76がマストピックであることに変わりはなさそうです。
しかし、今後ソルジャー76が弱体化されてしまったときスナイパーヒーローたちが環境の中心にとってかわる可能性は十分にあると言えるでしょう。
2ndタンク筆頭候補ブリギッテ
続いてブリギッテについてです。
ブリギッテはこれまたイーストグループのエスコート/ハイブリッドルールにおいて採用の目立ったヒーローです。
主な役割はOW1のころと変わらず、アナの補助と高台や狭いポジションの確保、フランカーDPSへの確実なヒール提供です。
しかし、OW2のザリア構成でのブリギッテはこれらに加えて疑似的なタンクの役割も果たしていると言えます。
ザリアリーパー構成の時のリーパーのようにバリアをもらいながら切り込み役をしたり、ザリアが取れないポジションや見きれないエリアを押さえる役割をこなしていることもありました。
タンクの減ったOW2ではこうしたもう一枚のタンクを模索している様子も見受けられますが(メイ、リーパーなどがその例)、サポートの枠でこれを担えるのであればDPSはより自由に動くことができるため対応の幅は広がります。
また、タンク的な運用には無理があるとなった場合でも、純粋に中近距離の戦いを得意とするザリアと、範囲ヒールに乏しいアナとは好相性であることは間違いないので、今後もザリア構成における選択肢としてあり続けることでしょう。
あとがき
以上week3のメタリポートでした。
今週はイーストグループも始まりそれぞれのグループのトレンドの違いを楽しめた一週間でした。
一方環境考察はというと、データの大きな食い違いもあり若干煮え切らない内容になってしまったという反省もあるので、何らかの解決策は模索したいところです。
week4はkickoff clashの予選最終週となります。各チームplayoffに向け仕上げてきていることが予想されるので今後も環境の動きが楽しみです。
OWLが配信しているときは裏で観戦&解説配信をしていますので興味ある方は見に来ていただけると嬉しいです。
それでは。
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