読書録2022。(#003)

2022年読んだ本についての、個人的記録。
記載様式は好みです。
作品単位で記載、随時更新。

2022年1月

読了:10作品 進行中:いっぱい

001『斜陽』(太宰治/角川文庫)
太宰をお気に入りの知人から、オススメされて。
自分の現状と重ねて読むと、耳に痛い。没落感、寂寥感、共鳴。最も刺さるタイミングで出会いをくれた知人に感謝したい。
男女で身の沁み方が違う気がして、4割わからなかった。女性が読んでどう感じるのか、感想交流してみた。
ラストに向かってすべてが用意されていく構成、モチーフの回収。温かい家庭かと思いきや、死への眼差しがちゃんと太宰。退廃美を書かせたら天下一品なのはわかっていたが、なによりこれ書いたの男かよという驚き。結核なのに血の描写がなかったところは、枕草子に通ずるものを感じた。
「戦闘開始。」にシビれた。『人間失格』を読んだ時、かなりガツンとじわっと来たが、またしばらく自分の中に、太宰の季節が来そうな予感。
角田光代の解説も良かった。文庫で買う良さ。

002『女生徒』(太宰治/Kindle)
同知人。太宰体験をこの子にコーディネートしてもらいたい。
女生徒の感覚に対して、すごく繊細で、画素数高く描かれていて、精彩なモザイク画みたいだなと思った。思考垂れ流しなところ最果タヒっぽさもある。美術の先生に対して「私の話ばかりでつまらない」と思うところ、ちょっとだけ“女の子の感覚”的なるものをわかりかけた気がする。あと、カラスを「カア」と呼ぶ太宰さんかわいい。

003『鼻』(芥川龍之介/角川文庫) ※再読
稽古中の舞台作品に出てくるので、再読。言葉の結晶術、人間の心の機微を捉える感性、芥川はやはり凄い人だと思う。禅智内供にとっての鼻を、自分の髪質やらに置き換えて読んでみる。この人には敵わん。

004『山月記』(中島敦/角川文庫)
ずっと読みたくて、ようやく読んだ。このテンションでこんなに面白いのかと思った。しかも、50頁ぐらいかと思いきや、たった12頁で。簡明で一切の無駄が無い、のに、情緒的でもある。読んで正解すぎた。早くも今年イチかもしれない読書体験。中島敦にハマった。

005『弟子』(中島敦/角川文庫)
子路と孔子の関係変化もさることながら、緩急のついた構成に舌を巻いた。一息に読んだ。面白い。

006『名人伝』(中島敦/角川文庫)
筆致は流石だったが、内容はそこまで惹かれなかった。素材の漢詩っぽさが濃い感じ。文化圏が違うと感性も違うんだろうなと思う。

007『李陵』(中島敦/角川文庫)
興味深かった。モヤモヤした。今のところは「考えさせられた」程度しか、感想が出てこない。司馬遷が出てきたの嬉しかったけど、昔の刑罰ってやっぱえげつないな。遺稿を世に出すにあたり、友人・深田久弥が「出来るだけ主観を入れない、淡白な題を選んだ」というエピソード好き。

008『悟浄出世』(中島敦/角川文庫)
内省に囚われ動けない沙悟浄に触れて、「おれだ」と思った。おれだけじゃなかった。よかった。正に文学の救いの力。

009『悟浄歎異』(中島敦/角川文庫)
『悟浄出世』の後日譚。自分にない感覚・能力をフェアに認める悟浄の姿勢に共感したし、こう在りたいと思った。

010『イラスト図解スラスラわかるネットワーク&TCP/IPのきほん』(編・リブロワークス/SBクリエイティブ)
いつか勉強せねばと思っていたネットワーク知識。IT系で仕事をすることになったのを機に、入門編をかじる。初歩の初歩ぐらいは理解できたが、体感して習得するタイプとしては、概念話はやはり難儀だ。

2022年2月

読了:6作品 進行中:ほぼ漱石と寅彦

011『「文豪」がよくわかる本』(監修・福田和也/宝島社)
文豪のエピソードが好きで、数ある逸話集の中で、図書館でたまたま手に取った本。人間味があって面白い。

012『夏目漱石解体全書』(香日ゆら/河出書房新社)
夏目漱石関連本の中でも、出演作に関連する箇所が多く収録されていたため、稽古中の座右に。パッと見て分かりやすく、じっくり読んで発見が多かった。ちょうどいい本と出会えて運が良かった。

013『漱石先生』(寺田寅彦/中公文庫)
師・漱石との思い出を、愛弟子・寅彦が綴った随想集。愛が溢れすぎていて、もう「愛・・・!」という感じだった。漱石も寅彦も愛おしい。

014『寺田寅彦 わが師の追想』(中谷宇吉郎/講談社学術文庫)
師・寅彦との思い出を、愛弟子・中谷が綴った随想集。意図的か、宿命なのか、晩年の寅彦がどんどん漱石と歩みを重ねていくのが「師弟・・・!」となって、萌えた。ぜひ『漱石先生』とセットで読むべき。

015『寺田寅彦 いまを照らす科学者のことば』(責任編集・池内了/KAWADE 道の手帖)
寺田寅彦の功績、後世に与えた影響について、各分野の第一人者たちが語る本。現代から見た「研究者・寺田寅彦」を概観でき、読み甲斐があった。

016『ふだん着の寺田寅彦』(池内了/平凡社)
人間・寺田寅彦の横顔を、特にイメージと違う部分に光を当てて書いた本。家族や家政婦の証言が多く登場し、立体的に寺田寅彦を感じられた。

2022年3月

読了:0作品 進行中:いっぱい

進路検討、オーディション活動等のため、読めず。
寺田寅彦関連本を早く読み進めたい。

2022年4月

読了:0作品 進行中:いっぱい

2022年5月

読了:0作品 進行中:いっぱい

2022年6月

読了:0作品 進行中:いっぱい

2022年7月

読了:0作品 進行中:いっぱい

2022年8月

読了:0作品 進行中:いっぱい

2022年9月

読了:0作品 進行中:いっぱい

2022年10月

読了:0作品 進行中:いっぱい

2022年11月

読了:6作品 進行中:いっぱい

017『狐憑』(中島敦/角川文庫)
018『木乃伊』(中島敦/角川文庫)
019『文字禍』(中島敦/角川文庫)
020『牛人』(中島敦/角川文庫)
021『斗南先生』(中島敦/角川文庫)
022『虎狩』(中島敦/角川文庫)

2022年12月

読了:0作品 進行中:いっぱい

023『賢者の贈り物』(オー・ヘンリー/文鳥文庫)
024『刺青』(谷崎潤一郎/文鳥文庫)
025『雪もち』(幸田文/文鳥文庫)
026『雨のなかの噴水』(三島由紀夫/文鳥文庫)
027『初恋』(尾崎翠/文鳥文庫)
028『メリイクリスマス』(太宰治/文鳥文庫)
029『バッタと鈴虫』(川端康成/文鳥文庫)
030『四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』(村上春樹/文鳥文庫)
031『未来をつくるキャリアの授業』(渡辺秀和/日経ビジネス人文庫)
032『人生を教えてくれた 傑作!広告コピー516』(メガミックス編/文春文庫)
033『問題解決見るだけノート』(堀公俊/宝島社)
034『大人の語彙力大全』(齋藤孝/中経の文庫)
035『えんぶ 2022年12月号』(えんぶ)
036『10年続くアイドル運営術~ゼロから始めた“ゆるめるモ!”の2507日~』(大坪ケムタ・田家大知/コア新書)


進行中

夏目漱石(十川信介/岩波新書)
彼岸過迄(夏目漱石/新潮文庫)
吾輩は猫である(夏目漱石/角川文庫)
漱石と寅彦 落椿の師弟(志村史夫/牧野出版)
漱石 寅彦 三重吉(小宮豊隆/Kindle)

アイドルとヲタク大研究読本
本日は、お日柄もよく
有頂天家族 ※再読



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