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【翻訳】Stoneshard開発日記:ブリンについて―その2:指導者たち

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 みなさんこんにちは!
 今回の開発日記では、この夏の終わりに予定されている "City of Gold" アップデートからいくつかの背景設定を紹介しようと思います。今回のテーマはゲーム内で出会うことになるブリンの有力者たちについてです。話を理解しやすくするために、以前の投稿をチェックしてみることをお勧めします。

「ギルドマスター」デンヴァール・ブリー

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 他のブリンのエリートたちとは異なり、デンヴァール・ブリーは高貴な生まれでも、あり余る富を持っているわけでもない。彼は成功を収めた職人(とはいえそれでも庶民階級である)の家に生まれたが、このような出自であったからこそ、彼が現在の地位に登り詰めるまでの道のりが並外れたものであることが分かる。
 デンヴァールは常に活力に満ち溢れた積極的な人物である。こうした資質と、彼が卓越した武器職人であるとの評判を得ていることもあって、彼はブリンにおいて最も影響力の強いギルドの一つ、武器職人ギルドのグランドマスターという名誉ある肩書きを手に入れることができたのだ。
 権力を振るうことが可能な地位にあっても、デンヴァールは決して自らの出自を忘れることがなかった。浪費癖の酷さは一般的な職人たちとは一線を画するものではあるが、彼は職人たちが仕事をしやすいように多くの努力を注ぎ込んだ。過去にこうしたことをおこなった者はブリンには存在しない。結果として、彼は庶民からの広い支持を集めたのである。
 427年の春のことである。結成して間もない首長連盟はそれぞれ独立していたギルドを一つの団体にまとめ、管理しやすくしようと企てた。この計画はしかし、デンヴァールへの支持を増やし、市の指導者層における彼の地位を盤石なものにしただけに終わった。現在の彼は市内の職人全ての利益を代表する人物であり、商人も貴族も彼の意向を無視することはできないのである。
 デンヴァール自身も周囲を敵に囲まれていることをよく理解していて、表立って他の派閥と諍いを起こそうとはしていない。野心的な彼の心の内にどのような未来予想図があるのかを知る者はいないが、一つだけ確かなことがある。彼は、敵対勢力に痛烈な一撃を加え、二度と再起できないようにする好機を窺っているのだ。今のところ、彼の主たる武器は大規模なストライキをほのめかすことである。この武器によって、彼はさらに支持を増やそうとしているのだ。
 エルフに対する嫌悪感をひけらかす点以外は、デンヴァールは見識のある人物である。彼は、エルフこそが彼の地位やブリンの繁栄にとっての脅威であると考えているのだ。ジョン・バラーに庇護を与えられたことにより、近頃はエルフ製の商品が市の市場を席巻している。価格はかなり高いのだが、それら品物の品質に対抗できるものは多くなく、毎週毎週アフジャトの武器やジビーの宝石が港で荷下ろしされ続けているのだ。この状態のまま何の変化もなく数か月が経てば、ギルドに所属している職人の多くが職を失ってしまうかもしれない。
 そのため、デンヴァールはヤキント王国のブリンにおける通商代表である「碧糸館」を目の敵にしている。多くの人々が危惧していることは、彼がひとたび支配者となれば、アルドールからエルフの影響を一掃するまで決して止まらないだろうということだ。たとえそれがヤキント軍の侵攻を招くことになったとしても…

「現地代理人」ジョン・バラー

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 ブリンで一番の富豪の家に生を受けたことに始まり、ジョン・バラーは生涯を通じて信じがたいほどの幸運に恵まれた人物である。蝶よ花よと育てられた子供時代、何の苦労もせずに過ごした青年時代、羽目を外した大学時代、商人組合での簡単で儲かる仕事――他の者が陰謀や苦境によって脱落していく中、ジョンは不運とは縁遠い道を歩いてきたように思われた。
 エトベルト王の急死によって政争と政情不安が訪れた時期、多くの者が身を滅ぼすことになったが、ジョンはその恩恵のみを得た。むしろ、その時期こそがジョンの出世街道の始まりであったとも言える。ブリンの玉座には長きにわたって不満がくすぶっていたが、王の死によって陰謀家たちのタガが外されたのだ。ジョンもそうした者の一人であった。綿密に練られたクーデターの計画は成功した。新たに結成された首長連盟が実権を握り、ジョンはそのリーダーの座に就いた。ほんの数週間の出来事であった。この政権転覆劇の成功は前市長が前触れもなく殺されたことも大きな助けとなった。ジョンはこの殺人事件への関与を強く否定している。
 ジョンは軍事のことはまるで知らなかったが、軍の指揮を専門家に委ねることができる程度には賢明だった。不幸にも、突如として大流行した深紅病のために首長連盟は勝利を奪われる格好となり、ジョンは権力欲に飢えた軍事指揮官たちに囲まれることになったのだ。それでも、ジョンはその類い稀なる能力を発揮し、指揮官たちに意味深長なほのめかしを行ったうえで彼らに有利となる譲歩を行い、自らの地位を堅く守り通した。
 しかし、こうした譲歩をいつまでも続けることはできない。休戦協定は日を追うごとに揺らいでいるし、敗北から立ち直る時間を十分に得た枢密院派を打倒するのは簡単なことではない。このにじり寄る破滅への恐怖こそが、アルドールが長年恨み続けたエルフたちにジョンが助けを求めた原因なのかもしれない。今のところ、エルフたちの支援は目立ってはいないが、ジョンには壮大な計画がある。最終目標はエルフと同盟し、緊密な関係を結ぶことで利益を得ようとしているのだ。しかしながら、この方向性は首長連盟の他の者たちに不安を与えるものでもある。異国の者と金や権力を分かち合いたい者などほとんど存在しないのだから。
 ジョンの幸運もほどなく底を尽くのかもしれないが…この陰謀と譲歩の天才がどれだけの策を隠し持っているのかを知る者はいない。

「将軍」アルノ・ディ・ベッロ

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 詩人であり、戦士であり、戦略家であり、指揮官でもある。アルノ・ディ・ベッロ公爵とは真の貴族とは何たるかを具現化したような存在だ。それだけに、彼が共和制の首長連盟に地位を得ていることは甚だ異例なことと言ってよいだろう。
 青銅諸島から逃れてきた貴族の末裔として、アルノ・ディ・ベッロはアルドールで生まれ育った。故郷であると同時に、いまだに彼は自分がよそ者であると感じており、他人に期待するような事柄を自分に求めるようになっている。ディ・ベッロ公爵の人生の目標は、実際のアルドール人以上に優れたアルドール人になることだ、などと意地悪なことを言う者もいる。それが真実だとしても、これまでのところ彼はかなり上手くやっていると言わざるを得ないのだが。
 最近になるまで、ディ・ベッロの名を知る者などほとんど存在しなかった。彼は大学で優れた教育を受け、エトベルト王の戦役の多くにも参加したが、その他の点では全く目立つところのないブリンの一貴族に過ぎなかった。君主の死後、彼は首長連盟における主役の一人となる。高慢な貴族が、かつては大っぴらに軽蔑していた商人や職人たちとある日突然協力関係を結んだことは多くの者たちにとって驚きであった。彼の新たな味方たちにとってさえもそうだったのだ。同時に、彼が市の軍の一部隊を率いて、自らの行動によって首長連盟への忠誠心を示したことを否定できる者も存在しなかった。
 決断的で恐れを知らない指揮官による卓越した指揮の下、首長連盟軍は南部の戦線に攻撃を仕掛けてきた枢密院派の軍を打ち破り、包囲を突破してブリンに凱旋し、マエンの王党派を首尾よく捕縛した。これら全ての戦功によって、公爵は戦争の英雄、首長連盟の救世主であるとの名声を得たのだ。休戦期間のうちにアルノは軍制改革にも手を付けた。彼の指導の下で、傭兵や民兵の寄せ集めだったボロボロの軍は、世界の終わりまで指揮官に付き従う心構えを持った強力な軍へと生まれ変わったのだ。
 当然のことながら、商人組合とギルドの両者はアルノの支持を得たいと望んでいるのだが、アルノは自分にはもっと高い価値があると考えている。妥協して権力を分かち合うには高すぎるプライドを持つ公爵は、自らと部下の兵士のみを信頼しており、他の首長連盟の指揮官たちと協力したいとは考えていない。時を同じくして、闇夜のドックでヴァンガードの部隊が謎めいた船団と遭遇することが増えている。普段は単刀直入な性格をしている公爵だが、彼もまた彼自身のゲームをプレイしているのかもしれない。ブリンの他の全ての者と同じように。
 アルノは依然として首長連盟への揺るぎない支持を示し続けてはいるが、彼が部下に行なった熱のこもった演説から判断すると、彼がブリンに抱いているビジョンはギルドや商人組合が考えているものとは大きく異なっているようだ。誇りと力を求め、公爵はこの土地を一つの旗の下に束ね、彼の指揮の下にアルドールを偉大なる勝利へと導きたいと考えている。この新たなる秩序のことをアルノ・ディ・ベッロは共和制であると主張し続けているが、実際のところこの秩序は、首長連合が戦って多くの者を失う原因となった君主制と何か異なるところがあるのだろうか?

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