新馬場、北品川

夕方、用事があった六本木を出る時、大江戸線に乗るべくエスカレーターで地下に下ると、六本木駅に向かう人たちがぞろぞろぞろぞろとエスカレーターを上っていくのにすれ違った。

クリスマスに六本木。
みんな何して遊ぶのかなと不思議な気持ちになった。

京急線の新馬場駅に到着。
こちらこそ、クリスマスに何して遊ぶのかなと思われそうだけど散歩のため。
南ちゃんと、よねおじが寒い中待ってくれていた。

品川神社で参拝。

「クリスマスなのに初詣みたいなことしてる」
「たしかに」
「そういえば神社って、初詣に行くのに、一年の終わりには行かない。」
「行かないね」
「初詣がその年最後の神社になる人だっているよね」
「神社行くの納めるってないねー」

柏手を打ち手を合わせた。

少し高いところにあるこの神社には、さらに高いところに登れる"富士"がある。板垣退助のお墓があると知らずに通り過ぎ、小さな急な階段を登った。暗い足元でちょっと怖いけど、登った先は視界が広く、車や京急線や、遠くに品川の高層ビルが見えて気持ちがいい場所があった。

道路を挟んだ参道を歩く。
綺麗に道が舗装された商店街で、古き建物も残っていた。
お年玉袋を店頭に並べた文具店に入ると、古いラインナップしか置いてなくて、こんな文具店もあるのかと思った。古いというのは、例えば糊コーナーにはもうあのヤマトのデンプン糊しか置いてないとかいうそういう潔さ。
お店をやっている人が使うような、喫煙所とかTOILETとかのプレートも売ってあり、今や我々が見ると雑貨的興奮があり楽しめた。

昼間はいつも行列ができているらしい中華料理店、登龍へ。
サンプルを見ても、何も参考にならない見た目をしているところが怖く、私一人だけでは、気になっても絶対に入店の決断をおろせないようなところだが、みんなで居れば「こういうときじゃないと入れないよ」ということで入店叶った。

着席して、その明るさと、安心を感じる落ち着き空間であることに驚いた。
4人がけのテーブルにはパネルが設置してあり、そのパネルの木枠は店の内装に合わせて黒く塗られていて、完全にお手製だった。

レバニラ炒め、具がいっぱいの焼き餃子、瓶ビール、えび焼きそば。
お店の人はサッと皿を置いて逃げるように去っていく。二人だけで切り盛りしていて忙しそう。

「クリスマスっぽくないね」

とみんなで言いながら中華を食べることを楽しんでいた。

ここは旧東海道の宿場町で、街はちゃんとその背景を残している感じがあった。ゲストハウスやいい感じの旅館もあって、本当に宿があるのはすごいと思った。私が昔住んでいた近くの仲宿商店街も、宿場町の歴史があるが宿は見たことない。知らないだけかもしれないけど。

二軒目に入って、海の生物と日本酒を楽しんだ。
今年のこととか、政府に対する憤りを話しているうち22時になって退店。

ここで私たちならワンカン(路上飲酒)を行うのが恒例だが、この寒い中ビールを飲む気になれず、コンビニのココアを買って飲んだ。
これも良い。

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