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ゲームコミュニティが盛り上がるイベントには「天・地・人」が必要なんじゃないかという仮説をたててみたんだけどどうでしょう

ゲームイベントには「天地人」が必要

お疲れ様です、pontaです。

最近、ゲームイベントが盛り上がるには「天の時、地の利、人の和」がとても大事なんじゃないかなと思うようになってきました。

天地人はいまから2300年前、中国の思想家、孟子の言葉です。

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天の時(When)

「天の時」とは、どのタイミングで開催するかです

たとえばギルド同士のケンカが勃発したとき。あとはプロリーグが生まれたのに、アマチュアにも強いやつが残っていて、どっちが強いのか誰もが見たい状態のときなど。

コミュニティの中で潜在的にニーズが発生したときは、イベント開催にとって絶好の機運だと思います。いま何がプレイヤーたちの中で求められていて、なにが見たいかを敏感に察するセンスはコミュニティリーダーにとって必須の能力といえましょう。

この"天の時"はイベントの「瞬間最大風速」を規定します。

地の利(Where)

次に「地の利」とは、どの戦場で開催するかです。具体的には、どのゲームで、どのモードを使ってイベントを行うかといったところになります。ゲームイベントの数字はゲームやモードの人口に依存するので、なるべく人口の多い場所を選ぶのが大事です。

人気ゲームであっても「誰もやってないよ、そんなゲームモード」みたいな場所を選ぶと人が集まらないので注意です。トロフィー獲得のマルチバトルが人気なのにギルド戦のイベントを開いても盛り上がりませんし、その逆もしかりです。

この"地の利"は、イベント盛り上がりの「サイズ」を規定します。

人の和(Who)

最後に「人の和」とは、誰とイベントを開催するかといったところです。影響力がある人であればそれに越したことはないですが、ちゃんとそのゲームにコミットしているかとか、熱量をもってイベントに取り組んでくれるのかといったところもポイントです。

有名人ではなくても、そのゲームがちゃんと好きであるというのはとても大事です。

"人の和"は、イベント盛り上がりの「熱量」を規定します。

とはいえ「天地人」の2つでもそろったら御の字

しかし、天地人の3つが揃うことはめったにありませんむしろ2つ揃っただけで神イベント確定といえましょう。

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「天の時(よきタイミング)」+「地の利(ゲームパワー)」が揃った場合、「センスのいいお仕事」となります。2021年春先、社会現象化していたときのウマ娘の公式生放送とかそうですね。

「天の時(よきタイミング)」+「人の和(キーマンの熱量)」が揃った場合、「知る人ぞ知る伝説」になります。「8000最強決定戦」がそれでしょうか。クラロワは最高のゲームですが、2020年段階で、全盛期ウマほどのパワーまではありませんでした。それでも、プロとアマが戦う機会がないという絶好のタイミングで開催され、「伝説」となりました。

「地の利(ゲームパワー)」+「人の和(キーマンの熱量)」が揃うと、時を選ばぬ「人気企画」となります。FortniteやAPEXの「CRカップ」がそれにあたるでしょうか。タイミングはもちろん良かったとはいえ、いついかなるときも盛り上がる鉄板神コンテンツになっています。

「天の時」は再現性がないです。つまり、同じことをやれと言っても二度とできないこともある。

ウマ娘のあのブーム、作れます?

なので、基本的に上記の中で再現性があるのは「CRカップ」のみとなります。

ちなみにドズル社でも3つが揃った企画に携わったことがあって、それは「渋ハルカスタム」です。

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これは天地人がしっかり備わっていたので、成功しているのもうなずけるところです。

「天の時」=カスタムマッチのニーズ

「地の利」=覇権ゲーム"APEX"

「人の和」=渋谷ハルさんというキーパーソン

お仕事でコミュニティイベントを実施する楽しさとむつかしさについて

クライアントワークの大変なところは、この「天」「地」「人」のうち、「天」「地」が選べないことです。つまり、ゲームタイトルと開催タイミングは一般的に選べません。

もちろん決められた戦場、限定された時間で期待どおりの成果を出すのがプロの仕事といえますし、誇りです。そんな中でも勝ちやすい戦場、いい風が吹いたタイミングを見出すスキルやセンス、どう戦うかの「how」で工夫をこらすことこそが「企画力」というものでしょう。

逆にいうと、コミュニティ発のイベントが公式イベントより盛り上がるのは、ある意味当たり前です。好きなタイミング(天の時)を選んで、好きなゲーム(地の利)で、やる気に溢れた仲間たち(人の和)とやれるからです。士気旺盛なゲリラ兵士が、正規兵に勝つようなものです。

とはいえコミュニティイベントは、お仕事ではありません。最初は好きでやっていることでも、連続してやると主催者が疲れちゃいます。持続可能性がないという弱点があります(僕もすり切れました。対価大事)ゲリラ兵が露天で飢え死にするようなものです。

いっぽう、クライアントワークは案件となるので、持続可能性があります。

先述の通り、クライアントワークで自由に選べるのは「人」のみなので。どういう「人の和」を築くかがけっこうカギになるんじゃないかなというのが最近の僕の結論です。

ちなみに、渋谷ハルさんやリテイルローのおじさんを探したり、友達になる難易度はまた別の話です…。

みんなCRカップを再現したがってやりたがるけどやれてないです。

キーパーソンを探すことが、ゲームイベントやコミュニティ盛り上げの再現性のためにはめちゃくちゃ大事で、でもそういう人は、実はめったにいないのです…。まあそれは置いておいて。

まとめ

「天地人」には続きがあります。

孟子いわく。

"天の時は地の利に如かず  地の利は人の和に如かず" と。

つまり、タイミングよりどの戦場で戦うかが大事。そしてどの戦場で戦うかよりも人間の関係値と熱量が大事であると。

ゲームイベントやコミュニティの盛り上げには運や知略も大事ですが、キーを握るのは愛なんだなあというしょーもない結論になっちゃうんですよね。どうしても。

すべてのゲームに等量の愛を持つのは難しいので、せめてゲーム愛のある人に、自分の関わったイベントを愛してもらうことが大事なんだなと思っています。

以上、よろしくお願いいたします

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