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馬鹿が今日も元気に名画を汚す姿に嫌気がさしつつも、ロシアとか中国を見てると民主主義っていいなあと思う件

お疲れ様です、pontaです。

先日、会社で 「変化できる組織って何?」というお題が出されて、「民主主義なチーム」と回答いたしました。

私は言葉足らずにつき、うまくみんなに意図を伝えられなかったのでここで補足説明を。

ちょっと個人の歴史観的な話になるんで、興味がある人だけ読んでください。


最近、私は「民主主義っていいなあ」と思うことが多いです。

「民主主義」とは、一部の偉い人たちだけじゃなくて、下々のものが言論の自由を保障され、責任をもって政治運営を行う仕組みです。

実は2020年~2021年にかけて、世界的に「民主主義ってちょっと、駄目だよねえ」な風潮があったんすよ。

例えばコロナ。民主主義の先進国では人の移動を制限できずではコロナがまん延しました。

みなさんの周りにもいたでしょ?

「外国で遊んできたやつを、日本に入れるなんてケシカラン!空港で閉じ込めろ!」と怒っていた人が。でも民主主義国家では人権を重んじるので強引なことはできないんです。

いっぽう中国では強制的な都市封鎖や、監視、隔離ができちゃうので、いち早く感染拡大を止め、2020年に経済回復を実現しちゃいました。

「あれ…民主主義って優位じゃないの…?」と世界中で懐疑的になったのがこのときです。

また欧米では、先鋭的な「フェミニズム」や「ポリコレ」、「カーボンニュートラル」の台頭が目立ちました。

たとえば

“Womanと呼ぶのはトランス女性への差別だから『生理のある人』『子宮のある人』と呼ぼう!”

とか

“トランスジェンダー男性も女性と一緒にスポーツで競ってヨシ!”

とか

“人魚姫やエルフに白人俳優を使うのは差別だから、黒人にしよう!"

みたいな、くるっ…やりすぎアナーキーで尖った思想のことです。いじるとすごく叱られそうな人ばっかりですね。僕は何も言ってないですよ。紙ストロー最高!!

しかし民主主義ではどんなお馬鹿さんであっても「黙れ馬鹿」と口を封じることはできません。言論の自由が保障されております。逆に強権政治とは狂人や馬鹿や悪人をカジュアルに黙らせられる政治体制です。

牢屋に入れて拷問とかできちゃうので。

民主主義では人に害悪をなす宗教や、汚職政治家、目覚めた人、古臭い制度をルールにのっとって、手続きどおりに対応せねばならず、遅くて、遠回りで、面倒くさいです。

既存の政治体制に絶望し、不満を持った人ほど「強権制」に憧れ、強力で有能な個人崇拝に走りがちです。

「無能な政治家を全員首にして、有能なやつをトップにして、一気に国を変えろ!」というのは古来から民主主義につきまとう甘美なささやきです。

しかし、2022年、ロシアのプーチン大統領がウクライナに侵攻したことで状況が変わりました。

こんなやつとは思わなかったよ!



そして中国がゼロコロナ政策で大失敗したことにより「強権制ってやっぱりダメやんけ!」ということを世界的にみんなが思い出しました。

たしかに「強権制」は「お馬鹿さんに『やめろ馬鹿』と言える仕組み」です。ただ、それと同時に「トップが馬鹿なことをしたとき、『やめろ馬鹿』と言えない仕組み」でありました。

古今東西、老いに失敗した人はいません。周りをイエスマンに囲まれて賢くありつづけた王様はいません。

その点、民主主義はいいでですよね。トップが老いたり馬鹿だったりしたとき「有権者がその気になれば落とせる」仕組みなので。これの価値は大きいのです。

言論の自由が保障され、多様な意見がゴチャつく民主主義は、一見、なにごとにつけ遅いのですが、結局は集合知が集まることで、変化が速いんですよねえ。

なので私は、「変化できる組織って何?」というお題に対しては、「民主主義なチーム」と回答したいのです。

馬鹿が今日も元気に名画を汚す民主主義に嫌気がさすこともありますけれども。日本だって完全な国とはとても言えないですけれども。

それであっても。不完全であっても、やはり、好きなことが書けて言える、自分が多様性の一員である民主主義っていいなあと思うんですよね。

以上、よろしくお願いいたします。


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