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「クラロワ8000最強決定戦」という"事件"についての所感

お疲れ様です、pontaです。

クラロワの8000最強決定戦が終わった。

内容については別の人が語るとして、決勝戦の同時接続数について記すと目視で3.8万人。

これは2019年や2017年の世界大会をはるかにしのぐ数字だ。

しかも今回セットはドズル社の小さなスタジオで、幕張メッセのような大きさも、フジテレビの豪華さもない。スタッフも実質ドズルひとり。(解説けんつさんGJでした)

なんたるコスパよ。

これだけ聞くと「ドズル社ドヤア」 になってしまうので補足すると、私がディレクターを務めた「ドズルチャンピオン」は同接2,000人でした。

8000最強決定戦に出場した、はじめさんやおやっすうさんも選手として出ていた。実況者はドズル。

同じスタジオ、同じMC、ほぼ同じレベルの戦いなのにこの違い。(約20倍)

ここには大きな学びがあるように思う。

文脈力の大事さっていうか。

そういえばテレビ東京でやったステージゼロの同接も2,000人くらいであった。芸能人が司会なのに、である。

つまり、純然たるクラロワの上手いプレイを生で見たいという人は、だいたい2,000人~1,500人ということなのだろう。

(とはいえ、クラクラがカジュアル層ふくめて総動員しても同接2,000人が精いっぱいなことを考えるとクラロワのYouTube視聴層の分厚さはすごいのだけれど)

いっぽう、けんつめし選手やRAD選手がふつうにトロ上げをしたときは、タイミングもあるけれど5,000人以上の同接がつく。

「誰でも参加できるフェアなオープン大会を!芸能人とか呼んで、派手に!賞金も大きく!」という大きな声があるいっぽうで、スターが一人で自室でマルチをやってるほうが見世物として成り立つという悲しい現実。

人々はフェアな大会に参加したいいっぽうで、フェアを見たいのではないのだ。むしろ、悪役を叩きのめすヒーローが見たいのだ

人々は「自分」にチャンスが欲しいけれども、「無名の他人」に与えられるチャンスに特に興味はないのだ。

「自分は参加して楽しみたい」けれど「有名人の戦いしか見たくない」のだ。私もそうっすよ。

そういうことをふまえたうえで今回の大会を振り返るに、見世物としてこの上なく面白く、かつフェア(8000になるチャンスは誰にでもあった。そして特定選手をヒーロー扱いしなかった)というのは恐ろしく凄いことだと思う。

このあとイベントをする人(自分ふくむ)は大変だよ。こんな奇跡のバランスの上に成り立った大会を目指さなければならないのだから。

この大会については、一部、議論のある部分もあるようだ。関係者という立場上、そこは触れない。

ただふと、ホームランかファールかで世論が割れたはるか昔の日本シリーズを思い出す。

いまは野球の日本シリーズが話題になることもなくて、野球ファンだけのものになってしまったけれど、かつては野球も日本中の関心事であった。

だから今回の8000大会も「っていうか議論が巻き起こるほどの大会になってすげえ」と先に思ってしまうのだ。

あとあと1年、2年たち、論争がおきるほどの大会を、自分やドズル、eスポーツ関係者はまた作れるかどうか。

個人的にはそっちのほうが楽しみであり、プレッシャーもでかかったりするのだ。

以上、よろしくお願いします。


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