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湘南移住で知っておきたいお得な家づくり

長く湘南で住宅設計の仕事をしていますが、最近は都内からの移住組のお客様が殆どです。本当に湘南にきてから都内での暮らしの考えとはだいぶ変わったとの意見もよくお聞きします。建築士からみた湘南での暮らし方とちょっとした家づくりのコツをお教えします。

周りの景色が感じられるオープンな暮らし

都内暮らしの影響で家の間取りはできるだけ閉じた空間にしたいと言われたこともありますが、そんなお客様でも設計中や工事中に敷地に何度も足を運ぶうちに、設計中にも伝えられた外部を感じるオープンな空間の魅力を改めて感じられるそうです。場所によっては山が見え、抜けるような青空があり、犬の散歩でちょっとした話ができるご近所さんなど家とその周辺環境が一つになった暮らしは心もオープンにしてしまうようです。

シャッターは防犯よりも防風にあり

防犯目的でシャッターを希望される方にはこうお伝えしています。シャッターで閉め切った家ほど一度人に入られてしまえば誰にも気づかれない一番危険な家になってしまうと。まずは犯罪の選択肢から外れるよう生活感が溢れる家であることが最初の防犯だと思います。室内が丸見えなのではなく生活感が溢れるというのがポイントです。そしてシャッターの最大のメリットは近年の台風や暴風雨です。恐ろしいほどの風と雨の塊が窓を叩きつけ夜は眠ることもできません。外から木の枝が飛んでガラス割れることもありますので、まずは外から物理的に窓の破損を防ぐことで家族の安全も守られます。最近は大きな窓ほど防風対策のシャッターをお勧めしています。

塀は閉じたら飛んでいく

こちらも台風ネタですが、目線を隠そうとフェンスで風の流れを塞いでしまうと台風や暴風で怖い思いをします。ものすごい力でフェンスごと薙ぎ倒すこともありますので、必ず1−2センチの隙間を開けるようにしています。風がいつも当たるとことは2−3センチですが、1センチ以上だと目線が気になることがあるので、そんな時は両面から互い違いに板を貼るなどして目線と隙間のコントロールをします。また建物間のフェンスは風の抜けを加速させ風切り音が出る原因にもなるので注意しましょう。

屋上バルコニーは漏水の始まり

湘南では海からの砂、腐らない松葉、山からの様々な葉っぱなどがバルコニーの排水口に堆積します。必ずオーバーフローを設けて詰まりがわかるようにしていますが、それでも毎年しっかり詰まっていくので定期的なメンテナンスが必要です。リビングに面したバルコニーは比較的気付きますが、普段使わない屋上バルコニーなどは要注意です。知らないうちに出口が塞がり屋根がプールなんてことも。年末の大掃除には必ずリストの一つに入れてもらっています。

窓は大ききけりゃ良いものではありません。

その通りです。夏は暑いし、冬は寒い。向きによってその差は歴然です。どうしてもという時は他で節約したお金でその窓だけ樹脂トリプルサッシにするなどして温熱環境の平均化に努めましょう。そして沿岸部ではすぐに海風で白くなるので、手が届かず洗えない2階窓などはさらに注意です。西側については灼熱地獄になるのでもってのほか。光熱費の高騰も止まりませんので少しでも室内環境の負荷にならない窓計画をしましょう。


都内からの移住で憧れの湘南暮らし、ついついテンション上がって大きな窓や展望バルコニーをつけてみたり、逆に都内暮らしの継続で閉鎖したような家を希望されることもあるかと思いますが、できればこれから住む地域に足を運び周りがどんな暮らしをしているのか知っておくのも湘南での家づくりに役立つと思います。

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