工事半ばでZEH住宅になりました
工事半ばでZEH住宅への切り替えに
もう少しで竣工を控える藤沢市の個人住宅ですが、工事半ばで助成金・災害時対策としてZEH認定住宅申請ができないかお客様より依頼を受けました。近年の法改正で建築物エネルギー消費性能基準について設計契約時に建築士からお客様へ説明する義務があり、ZEH基準まではいかないものの標準仕様によるUA値は0.66ほどありました。これは基本設計時の簡易計算なのであくまでも不利側の計算値でしたが、今回ZEH申請を受けて期待値に達しない可能性もお伝えしてからのスタートとなりました。
サッシは樹脂アルミサッシ、一部は輸入木製サッシもあった
床断熱については生活パターンを考慮して少し厚めに変更していたものの、サッシは標準の樹脂アルミサッシや大開口サッシ、そして木製アンダーソンサッシも使用していたので数値的には少し不利ではありました。このあたりが基準値に到達できるかお約束できない理由でもあり、通常は樹脂サッシにしておくとZEH基準に関しては安心です。
ZEHには太陽光ありき
ZEHは住宅スペックを上げたとしても太陽光パネルがないと1時エネルギーが外れるので取得は難しいです。ZEH開始当初は補助金を餌に太陽光パネルを流通させようという経済界の意図がまる見えで、かつその設置方法は屋根防水に決して良いものでなく東京電力もあのような状態で買電すら怪しく、太陽光パネルのリサイクル方法も成立していない中での動きにはかなり否定的でした。しかしながら月日は経ちパネルの高効率化、設置方法など色々と改善され光熱費が25-45%も値上がりし、必ず訪れるであろう大地震を考慮すると流石に無視はできなくなりました。また蓄電池(これはこれでまた寿命が短い!)、家電、電気自動車との連携や初期費用0円などのリースプランも出てきたのでリアルに手が届くようになったようにも思えます。
結果、UA値は0.59、1エネ消費量は55%に
BELS審査機関での計算ではUA値0.59、1エネ削減値は55%で無事にZEH住宅の認定となりました。ツーバーフォー工法が構造的にもともと有利であったのと太陽光のエネルギー生産のおかげではありますが、設計初期の基準値と詳細な計算結果がこれほど違うといのも少し驚きであるとともに、今後の設計の参考にしていければと思います。
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