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【恋と深空】時系列に沿ってホムラを深堀る(前編)

ただ時系列を羅列するはずが各シーンについて語り始めちゃったぞ、おかしいな?

#恋と深空
Last Update 20240720: 時系列の想定、ホムラ生誕~リモリア滅亡まで

はじめに

(御託はいいからはよ本編!ってときは目次の下へGo!)
・ここは恋と深空にドはまりした筆者が、ホム主のハッピーエンドを願いつつ考察&妄想を語っていくノートです。ネタバレ・解釈違いが多々あるかと思います。なんでも許せる方の広~い心でお付き合いいただけると嬉しいです。見る人によっては「何このトンデモ解釈不快!」ってなる場合もあるので怪しいなと思ったら自衛ください
・筆者は潮汐イベント終盤から参戦&ホムラ思念を優先して取得しているので、レイ先生&セイヤ伝説は未読です。なのでアスタや学校など概要は聞き齧っているもののまだ自分で本文を読めておらず…。皆さんの周知の事実とずれたこと言ってるかもしれません。(早く読みたいんだけど、ホムラ一人ですでに容量オーバー、読みきれんのよ…)
・界隈では公式画像・歴史・寓話・神話やその他いろいろな要素から広く深い考察をされてるすごい方々が多々いらっしゃいますが、それらの方々の素晴らしい考察に異を唱えるものでは決してありません(むしろ感嘆&尊敬ですよ、皆さん凄すぎるよ~!)
・今回は私の考察がどんな時系列を想定して生まれているか、特にホムラの人柄や思想はどのように形成され、どんな思いを抱えて作中を過ごしてきたのかを、妄想補完を混じえつつまとめていきます!(ただし現代主人公ちゃんとの絡みの話はまた追々ね)

当考察の支柱(再掲)

私の考察の支柱は4本あります。
初めの2つがあるから、ホム主はハピエンを期待できると思ってます!

◆ホム主ペア&リモリアのハッピーエンドの形は既に示されている
この物語は永い永い命をもった海神が、生涯の最初期に出会ったたった一人の女性を愛し、長い長い紆余曲折を越えて相互に愛し合い、添い遂げ、二人寄り添いつづける永遠性を獲得する物語である

◆ホムラと主人公を結ぶ契約は海神ー信者の契約とは別に存在している
現時点でホムラと主人公を結ぶ契約は3つ登場しており、2人を結ぶ契約は海神と信者の契約ではない。海神と信者の契約は金砂時代に至るまで不成立だったし、成立直後に消失した。

◆ホムラは海神として完成しておらず、正式な意味で海神は不在である

ホムラは海神として育てられ、海神を継承すべき唯一の存在であるため自他ともに海神と称しているが、実際は海神の継承を完了しておらず、本来の海神としての力を得ていない。海神は先代以降不在のままであり火種の更新は行われていない。

◆ホムラは作中を通して1身体1人格だが、物語の中盤で肉体的不死性を失い、限りある命となっている
ホムラは転生しているわけではなく作中を通して1身体1人格で過ごしている。本来は永遠に生き続けられる身体を持っていたが、これを主人公のために捧げて限りある命となり、金砂時代にはその寿命が迫っている。

このあたりの話は過去の考察で好き放題語ってます。
今回のお話はそこで書き連ねた色々を前提にして書いていきますので、興味を持ってくださる方、何言ってんだこいつ?って思われる方にはぜひ見てみていただけると嬉しいです!


ホムラ時系列の想定

先に基本的な想定のお知らせとして、伝説のストーリーはパラレルワールドなのかという視点のお話を。伝説は「別の時空の物語」であることが公式<伝説チュートリアル>によって語られており、これを伝説=パラレルワールドであることの根拠とする考察が散見されますが、私の理解は異なります。私はホムラの本編・思念・秘話・深淵・伝説上の全てのストーリーは一本道の時系列上にあると考えています(色んな解釈、みんな違ってみんないい!ってことでこんな考えもあるのねと思っていただければ)
ロールバック号の旅路はリモリアの滅亡に大きくかかわっていたり、深空伝説が未来から過去へリモリアに関する何某かの情報伝達を行っていたりと、ホムラのストーリーも少なからずフィロス人の時空超越の影響下にある理解ではありますが、それでも「これまでに語られた各ストーリーは同一の時系列にない」とする根拠が今のところないと思っています。なので現時点での想定は一本道。作中で語られるあらゆる幸せも喜びも嘆きも苦しみも全て、全てホムラが経験し踏みしめてゆく旅路なのだと見做し、読み進めていきます。
ーーー読み飛ばしてOK!ーーー
SFファンタジー界隈においては時空を超える=パラレルワールドに行くという設定が多い印象ですが、本来の意味の「時空」とは時間と空間。時間と空間の異なる場所は全て別の時空ということができます(実際は空間の移動は一時空間内で問題なくできちゃうので、時空を超える=時間を移動することですね)。本作の伝説が時空の概念を、パラレルワールドと時間移動のどちらに置いているか。そこの解釈が考察を大きく左右するのものだと思います。個人的にはセイヤ伝説<来たる夜明け>で現代の本編に接続するストーリーが語られたことから=本作の伝説はパラレルワールドではなく時間移動だと考えていますが、それが根拠としては強いかというとそうでもない認識です。こんな切り口もあるよ、というご紹介だと捉えていただければ嬉しいです。とりあえずこの場では、私たちは伝説思念によって過去・現代・未来を移動し、本来現代に生きる主人公が知る由もない出来事を見ることができているのだという想定でお話を進めていきます。伝説思念はいわばタイムマシンなわけです。
(ただ私はセイヤやレイの思念を読めておりませんので、大きな読みこぼしがある可能性があります)。
ーーーーーーーー

それでは。

今日も語ろう語ろう!!(いえーい!)

なんといっても今回は時系列なので、初めのトピックは揺るぎなく、ホムラの生まれの話から入っていきますよ~!


ホムラの生誕と次代海神の発見

ホムラの生誕

過去の記事で私は、ホムラは作中一貫して1身体1人格であると考察しました(転生はしない想定)。なのでホムラの生誕は一度っきりだと思っています。
ホムラがどのような形で生まれたかは公式に明確な描写がなく推論の域を出ませんが、個人的には、ホムラは初めから海神として生まれついたのではなく、普通のリモリア人の家庭で生まれ普通のリモリア人の子供として育てられたのだろうと思っています
浅~い乏し~い根拠(にもなっているか怪しい)としてはこんな感じです⤵
①母親の存在が明らかになっており「肉親」と表現される叔母がいること
 ―超自然的に発生してから育ての親のもとで丁重に、の場合「肉親」と表現されることはなさそう。怖くてお母さんの後ろに隠れる距離感も普通に肉親のそれ<セイレーン05>
②他の子供たちと普通に遊んだり学んだりさぼったりする描写があり、アソをはじめとした他のリモリア人との距離感が非常に近い。あふれ出る地域のみんなに育てられた愛され兄ちゃん/友達感(アラバスタのビビちゃんかい?)
 ー超自然発生型だとここまで普通の子に馴染みきれなさそう。やっぱり特別視されるんじゃないか
③アモン長老がホムラに対して「お前」呼び(一方で海神の心に対しては問答無用で平伏している<金砂07>)
 ―ホムラ自身は普通のリモリア人の子供だったからこその「お前」呼びなのでは。

うん、改めて書いてみると根拠っていえるほど明瞭な根拠じゃないな…。なんというか、ここはすごく感覚的に捉えたところです。

ーーーちょっと寄り道ーーー
ここを逃すともう書く機会がないと思うので、ホムラのお母さんの話を。
「海に還ることは祝福である」と最初にホムラに教えたのはホムラの母親です。まだ幼いころ、おそらく初めて海月の儀に参加した時、ホムラは母親の後ろに隠れておびえていました(それまで共に過ごしていた誰かが海に溶け、これまでと違う存在になって消えていくって、幼心にはそりゃ怖いよね)この時母親は儀式を行い仲間を送り出す立場にあり、ホムラにそうして消えゆくことが怖いことではないのだと教えました<セイレーン05:「怖がらないで」>。
セイレーン時代のホムラが、自ら人を殺めてきたことへの苦しみに苛まれ、リモリアを蹂躙した者達への復讐心のみでは立ち上がり切れず、2つの力に押しつぶされ・引き裂かれそうになっていた時、その身動きのとれない混沌から彼の心を救ったのが幼い時の母の言葉でした。
ホムラはこの時、かつて母に教わったリモリア人にとっての祝福が今なおそこにあることに――たとえ彼らが殺され・故郷を失い・乾いた陸地を彷徨い・苦しみの時を過ごしたとしても、いずれ全てを飲み込み迎え入れてくれる大いなる海が今もなお眼前に広がっていることに気づくのです。
その後のホムラがたとえ苦しみの中にあっても自分の成すべきを見据え、リモリア人のため・自分と主人公のために立ち止まることなく突き進んでいけるのは、ひとえに彼の母親の教えの賜物なのだと思っています。
(母は偉大。ありがとうお母さん!お母さんありがとう!)

現代において、タンレイが唯一の肉親といわれているところを見るに、
ホムラの母親は既にこの世にいないんですよね。
自ら海に還ったのか、リモリアの災厄で不慮の死を遂げたのか。
なんとなく、ほんとに根拠もなくなんとなくなんだけど、
後者な気がするんだよな……
ーーー寄り道終わりーーー

次代海神であることの発覚

「先代の海神は、次がリモリアで最後の海神になると予言を残した。その海神がなくなって何年もたってから、一族は朝と夜の変わり目の炎の中で僕を見つけたんだ」<忘却07>
ホムラのこのセリフ。この描写こそが海神たるホムラの生誕の瞬間と考える方々が多そうですね。
個人的にこのシーンはホムラが次代海神であることが発覚したシーン、普通の子として育てられていたホムラにある日炎のEvolが発現し、彼こそが待ち望まれた次代海神であると一族に露見したシーンなのだと思っています。そしてその後彼は海神を継承する器としての追加教育も受けるようになるのです(ダライラマシステムですね)
(ホムラとしての契約と海神としての契約が分かたれているように、ホムラは海神である以前にまずホムラという一個人であり、その生誕と海神としての発露は別にあるはず、という自前の考察に基づいた妄想です)

幼少期

幼い頃のホムラ(陸地未経験)@潮汐8

未来の海神の器として、海神とは何か・どのような存在かを少しずつ教わっていくホムラですが、語られる海神の在りようを必ずしも歓迎していません<忘却08>
たとえ「海神は不死の心を持っている。寿命が尽きたとしても、海の奥底で眠りにつくだけだ」といわれても、「暗く寒い海底で永遠に眠るのは嫌」なんです。
「いつか僕がそこに隠れることになったら、誰かが見つけに来てくれる?」「次は絶対見つけてよね」というセリフは海底で永遠に一人になんてなりたくない、幼いホムラの素直な気持ちが現れていますよね。
この時点で彼は陸地を知らず、陸地へ行ってみたと思いを馳せます「彼は思ったーー水面に飛び出す魚のように、自分も上に行ってみたい。太陽が本当に温かいのか確かめたい」<忘却08>

ーーーちょっと寄り道ーーー
この時併せて語られるこのシーン⤵

そして彼は、ふとある疑念を抱いた。リモリアの「火種」は太陽の真似に過ぎないのではないかと。

忘却08

(ホムラ、、、ちっちゃいころからなんて聡い子!)
これ、ホムラというリモリア人の「らしさ」を強く描写する大事なシーンだと思っています。彼は先人の言葉をただ鵜吞みにするのではなく、しっかり咀嚼した上で、自分の考えはそれと別に持つんです。そして自分の考えを別に持ちつつも、その先人の言葉を信じる人たちの考えを真っ向から否定することはありません。相手の考えと自分の考えをどちらも尊重し、一方を捨て去ることなく見極め続けるのがホムラという男です。
この幼いころからの性質(本心見せずに相手に寄り添うムーブ)は現代でも金砂時代でも変わらず見ることができます。
― 「神話もおとぎ話も、人間が作った話だ。こういう話を作った人達は、自分の力を信じていなかっただけさ」<純白の夜>
― 「だけどもし、間違っているのは伝説の方だとしたら...?」<金砂06>
そして(さらに話がそれますが)基本的に自分の本心を人に言うことのない彼が、さらっと自分の思いを主人公ちゃんに話している…。彼にとって主人公ちゃんが以下に特別な存在かが伝わってくる、<純白の夜>はとってもとっても大きな意味を持つ思念ですよね。
ーーー寄り道終わりーーー

幼いころのホムラ:座礁して主人公に助けられる

さて。幼き日のホムラが陸地に興味を持った様子が語られました。
彼なら行くでしょう当然。すぐに。大きくなるのを待つなんてことはなく。
湧き上がるインスピレーションのままに。
(「衝動こそが、原動力だ!」<情熱トキメキ計画2章>)
これが<夜遊びの章:「僕の友人が…」>で語られるホムラと主人公の出会いや、<本編7-11>で主人公の記憶を掠める幼いホムラとの約束<本編7-11:「約束だよ。君が来なかったらどこまでも君を追い続けるから」>に繋がっていくのだと私は思っています。(どこかのホムラのセリフで"初めての陸地でいきなり座礁した"的なフレーズがあったはずなんですけど、記録を残していなかった…みつけたら追記したいところ)
とはいえですよ、いくら幼いとはいえ深海から一人泳ぎ登ってくる力を持ち、かつ基本的に賢いホムラが座礁?なんてすることあるんでしょうか。
この点、私は当初、潮汐逆流の初体験にあたっちゃった?リモリアの大人たちが潮汐逆流に備えて自粛モードになっているときに、今が脱出&冒険のチャンス!とかやらかしちゃった?なんて思ってたんですが、これはどうも違いそうです。潮汐逆流で身動きが取れないというだけで「なす術なく死を待つことしかできなかった」<夜遊びの章>という表現にはならないはずですから。
<忘却08>のホムラが自分の使者である青い小魚に語りかけるセリフがヒントになっています。「陸に行けたとしても、そこで悪い人間に出会ったらどうする?」「もしそういう人たちにつかまったら、君は八つ裂きにされてロウソクの材料にされて(...)」。この語り、おそらくリモリア人の大人たちが子供達に語り聞かせる"人間に気をつけろ"って話なのかなと。当時から一部の人間はリモリア人を捉えようとしていていることが分かります。(忘却02の書き起こしなしのセリフで誰「また勝手に外に出て!人間につかまったら鱗をはぎとられて装飾品にされちゃうわよ!」なんていう誰かの声も聞こえてきますね)思うにホムラは陸地に上がってそうした悪い大人の罠に嵌り、もう捕らえられるのは時間の問題という絶望的状況にあったところを偶然通りかかった主人公ちゃんに救われたのではないかなと。
命を救われた後に交わした(ホムラが一方的に取り付けた?)約束がどのようなものかは公式に明らかにされてはいませんが、この時ホムラは少なくとも海からの祝福と守護を主人公ちゃんに約束したんじゃないかと、そしてこの時交わした約束があったからこそ、後日彼女が海で命の危機を迎えた時、ホムラはその心の叫びを察知して彼女を助けに迎えたんじゃないかと思っています。
ちなみに<夜遊びの章>によればこの時点でもう彼女に恋しちゃてたとのこと。ホムラはこのころから彼女を自分の信者として見定めてたんですね。

ーーーちょっと寄り道ーーー
「けど深海は弱肉強食の世界で、危険に満ちている...…だから僕が行けるのは海面までだった」
<忘却の海07>で語られるこの文章、そのまま読むと意味不明なんですよね。海面まで行ったらその時点で既に危険な深海通過完了してるじゃ~んって。多分これ、どちらかというと人の支配する陸地に上がることが危険視され禁止されてたんじゃないかな?「深海は」の部分が誤訳なんじゃないかな??と予想してます。中国語Ver読める方、教えてプリーズ)
ーーー寄り道ーーー

幼い頃のホムラ:見張りが厳しくなる

主人公に救われ無事ホムラは無事深海に戻ることができました。
が、ちょっと目を離したすきにホムラが陸地に上がっちゃったこと、しかも危うく人間に捕らわれかけたことを知って一族は真っ青です。まして彼は次代海神。海神が人の手に捕らわれてしまったら何をされるかリモリアがどうなるかわかったもんじゃありません。
リモリア人たちはホムラに見張りをつけるようになり、彼は以後陸地へ上がることは許されず「深海は彼にとって完全な牢獄とな」りました<夜遊び>
陸地で主人公と過ごしたわずかな時間はホムラにとってかけがえのない思い出になり、彼は彼女と過ごした時間を夢に見、思い出しながら過ごすことになります<碧海の夢:「ただ、心に深く刻まれている夢もある」「夢の中で、僕はある人と手をつないで海岸を歩いていた。」「カモメが彼女のそばをかすめて、海風は彼女のスカートをはためかせる。彼女は鼻歌を歌っていたよ」>

忘却の海

再度の出会い<忘却01>

時は流れてホムラは青年となり、成人を迎える時が迫ってきたころ。ホムラはかつて約束を交わし、以後ずっと思い続けていた少女が危機に瀕していることを感じ取ります(船出の時からか、あるいは船上で逃げ隠れしてる時かな?)
即座に衛兵に火をつけ海面へ向かってGO!無事彼女を危機から救い出します。(普段こっそり抜け出すための抜け道を用意してるホムラが、炎を使って強引に突破してきたあたり、この時のホムラ、相当急いだんだと思うんです)

こういう時に「やあ!また会ったね!」とか「待ってたんだ」とか「約束通り助けに来たよ」とか言わないのがいかにも彼。
「置き去りにされた人間かな?」
ホムラ節はこの頃から健在です。
(相手が自分を覚えてるなら揶揄いたいイタズラ心:忘れてるなら逃げ道を残してあげたい無意識の優しさ=7:3くらいかな〜と。これぞホムラ。ざ・ホムラ。)

「助けてほしいの?」
彼の手を握った瞬間、その指先から灼熱の炎が現れた
「……はははっ!」
いたずらが成功したかのように、彼が狡猾に笑う。

忘却01

ホムラ、主人公の第一印象悪すぎ笑
想像ですがこれ、かつて自分が助けてもらったときに主人公にやられたことの意趣返しなんだと思っています(この、2人が最初の出会いから早速やりつやられつのキャットファイトしてた思念はまだですか?)
だから、ホムラとしては本当に純粋にただいたずらが成功したつもりで笑ってるんだろうなと。悪意なし。だって自分が来たからもう彼女は安全って意識だもの。彼女の危機感に対して認識が足りてない。
一方そんな幼いころの出来事なんてさっぱり覚えてない主人公からしたら、今まさに自分が命の危機にある!ってときにそんなことされたらそりゃもう意味不明。悪意としてとらえるのは当然です。こっちは文字通り必死なのに掴んだ手燃やしてしかも笑ってくるこいつはなに状態。
唯一の生き延びるためのかすかな希望をどうにか掴まねばと必死になります。

「私は持てる限りの力を振り絞り、生き延びたい一心で彼の手をつかんだ」

「...…!」
「放せ」
「……放せと言っている!」

忘却01

主人公ちゃんの反応が思っていたのと違ったホムラさん、
理屈として想定はしていたものの、まさかの本当に忘れられていることに気づきます(記念すべき第一回忘れられ)
ちょっと動揺&ぷんすこ。神たる僕が忘れてなかったのに、ずっと待ってたのに、どゆこと?状態。
(陸地の海神祭でのセリフ、「ここに君を待っている人がいる。戻ってこないと……もう待ってあげないよ」<忘却05>からホムラが彼女の訪れをずっと待っていたことが察せられます)

それでも。
後に続く主人公ちゃんの口づけ(ただの命がけ)を受けて、ホムラは当初思い描いていた"彼女を自分の信者にする"というイメージはまだ実現可能だと捉えます。
そして彼女を自らの国、深海へと招きいれるのです。

彼女を信者にいざなう

「僕のいった『適任者』を連れてきた」<忘却02>

ホムラが主人公を信者候補として連れ帰ったことで、おそらくリモリアの人々はちょっとしたお祭り騒ぎになったでしょう。間近に迫る海神祭を前に未だに信者を決めていなかったホムラが、いきなり自分で人間を連れ帰ってきたのですから。
アモン長老のこのセリフは辛辣です。<忘却02:「お前は本当に、この得体のしれない人間に自分の弱点を握らせるつもりか」> そりゃそうですよね。リモリア人の長たる海神が、得体のしれない人間の言いなりになってしまうなんてリモリアの危機です。アモンの懸念・忠告は至極もっともです。

ーーーちょっと寄り道ーーー
でも、ですよ。アモンがホムラが選んできた人間を"得体のしれない人間"呼ばわりするの、気になりませんでしたか?
公式には深海を出たことがないホムラが急に陸にでて人間を選んだら、それがどんな誰だって"得体のしれない人間"になるに決まってるじゃないですか!海神祭が一月後に迫る中、未だに信者候補がいない状況で、今の今まで"得体の知れた"信者候補をあてがうこともなく何を言ってるんですか!と。
これは想像ですが、リモリアの長老たちはそれまでずっと海神祭に間に合うようにホムラにふさわしい信者候補を見繕おうとしてきたのではないかなと。けれど当のホムラがそれまでのあらゆる人を拒絶してきたのではないかなと(なんといってもホムラは自分の信者とする人をとっくの昔に定めていたので)。「今の今までこちらで見繕った人間は散々拒絶し続けてきたのになんだその人間は!」って思いが"得体のしれない"ってワードに込められている気がしています。
ーーー寄り道終わりーーー

"陸に暮らす人間"として彼女を愛する<忘却04-07>

作中を通し、ホムラは主人公ちゃんを陽のあたる陸地で暮らす一人の人間として、あるがままの姿を愛そうとしています。〈忘却の海〉の4章から7章にはホムラがその考え方に至るまでの過程がつぶさに描かれています。ホムラが主人公ちゃんを1人の人間として愛するに至るまでの大切なお話なので、ちょっと丁寧に見ていきたいと思います。

まずは神殿の最も高い塔のてっぺんで日の入りを眺めるシーンから。

「すごく綺麗!海底で日の入りを見るなんて初めて」
「美しいと思う?」
「うん」
ホムラは何か考え込むように、徐々に消えていく光をじっと見つめている
「ねえ、外の世界のことを聞かせてよ」

忘却04

ホムラがこの時考えていたのは何だろうと考えてみます。
ホムラー太陽ー火種とキーワードが並ぶと思い出されるのはこのシーンです。
「そして彼は、ふとある疑念を抱いた。リモリアの「火種」は太陽の真似に過ぎないのではないかと。」<忘却08>
彼は幼いころから「火種」は太陽の真似に過ぎないのではないかと疑っていました<忘却08>。それを確かめに行こうとした幼少期の陸地の冒険は失敗し彼自身は未だに本物の太陽を見たことがありません。一方で主人公ちゃんは太陽の下で暮らしてきた人間です。本物の太陽の光を知っている彼女は、所詮太陽の真似に過ぎない「火種」が照らすこの海の底で満足できるのだろうか。この暗い海底に閉じ込めていいのだろうか。この時のホムラはおそらくそんなことを考えたのだと思います。そして彼女が陸の世界をどうとらえているのか、聞いてみることにしたのです。

彼女の答えは、海にはない花草か草とか、いろんな動物、子犬の尻尾。
幽閉された身の上だったにも関わらず、彼女の口が紡ぐのは陸地での素敵なものたちです。これまで経験したことや今後経験したいことを交え、彼女は嬉々と語り、一緒に行こうとホムラを誘います。これらの言葉からホムラは未だに彼女が陸地での生活に喜びと憧れを抱いていることを知ることになります。

「ホムラ、本物の太陽を見たくない?」
「別に」

忘却04

いずれ火種を灯しそれをリモリアの民の唯一の太陽とする身として、そして海底に暮らす傍らに彼女を置きたい身として、彼は本物の太陽を見たいとは言いにくい立場にあります(ほんとはすごく気になってるんでしょうけれど)。彼もまたある意味で、そのおかれた立場によって深海に閉じ込められてる身なんですよね。そしてそこから抜け出すことを、しかも一緒に行くことを提案する主人公ちゃん。深海という檻から出ていいのだと彼の秘めた思いを肯定してくれる人はホムラにとって初めてだったでしょう。
ーーーちょっと寄り道ーーー
ホムラと主人公が二人で一緒に「いろんなことをしよう」とする一番の理由がこれなんですよね。二人ともそれぞれ、自分の立場に閉じ込められ、外の世界にあこがれる時代を送ってきました。狭い檻を飛び出してこれまで体験できなかった沢山のことをやってみよう!という思いやワクワクを共有でき、どちらか一方が再び檻に捕らわれたときはもう一方が助け出す、二人はいわば同志であり、欠くことのできない戦友・親友なんです。
ーーー寄り道終わりーーー

「でも初めて会った日、あなたはこっそり陸に行こうとしてたんだよね」「初めて会った日、君はここまでお喋りじゃなかった」

忘却04

違うの主人公ちゃん。ホムラ、あなたを助けに行ったの。
でもそうは言わないホムラさん。さらっと話題を逸らし、はぐらかします。
彼が今注目しているのは自分がどう思うかではなく、彼女がどう思うかだものね。
この時ホムラも「初めて会った日」という表現をしていますが、これは直前の主人公のセリフ「初めて会った日」にあわせた、本心見せずに相手に寄り添うムーブなんじゃないかなと思っています

「本当に陸がいい所なら、君はここにいないでしょ。」
「…そうだね(…)」

忘却04

ホムラは彼女が幽閉され陸では殺される生贄として運命だったことを知っています。なので自分の傍に置いた方が彼女にとって幸せなのではないかという可能性も視野に入れています。
彼女の返答の冒頭「…そうだね」が聞こえた瞬間、彼、ちょっと満足げににんまりするの、気づきましたか?この時ホムラは、そうだ、だから彼女は海底においていいんだ、彼女はここにいるべきなんだって、一瞬思ったんですよね。
でもその笑みはその後の彼女のセリフを聞いて消え去ります。彼女の"陸地はいい場所ではないかもしれない"、という話は"彼女にとって"ではなく"リモリア人にとって"に限定されていたからです。

陸の夕日って、海とそんなに違うのかい?

忘却04

彼は陸がどんな場所なのか、陸の太陽は火種を凌ぐものなのか、そして彼女は海と陸どちらで暮らすべきなのか、自分の目で確かめに行くことにします。

陸での諸々は割愛しますが、
「僕の信者は君でなくてもいい」<忘却06>はきっと本心かなと。彼女の自分から離れ陸に戻りたいというなら、それは受け止めるつもりだったのでしょう(横向いて小石を蹴ってるあたり、しょぼくれ少年感でてましたけど)。
彼女が離れていってしまうだろうと思ってたらしいホムラ。彼女が離れていかないと知ったときの安心した感じ。尊いです

人間に追われて海へ脱出した後、ホムラは自分が主人公と同じような子供時代を過ごしてきたことを語り、主人公がそれまで感じてきた思うように外の世界に出ることができないもどかしさや、外の世界(彼女の場合は陸地)にあこがれる気持ちに理解と共感を示します。

そしてついに日の出を迎え、ホムラは本物の太陽を自分自身の目で見るのです。太陽を見たその時のホムラの心の動きは<忘却の海>の中では描かれていません。が、その後起きたことは<金砂の海>に描写されています。

夢の中には灰色の波も孤独な島もなく、代わりに青い砂漠があったーーもし砂漠が青色なら、海に見えるだろう。
果てしなくひろある海面で、海神の姿をした青年が少女の手を取り、水平線へ向かった歩いていた。
海神が手を挙げると、少女の足元で波しぶきが立つ。魚の群れが羽、頭の上では白いかも目が旋回し、軽く泣いて少女の肩に止まる。

それは海神の人生で最も幸せな一日だった。
少女の唇にキスをした瞬間、海神は海の全てを自分の大切な少女に捧げた。

金砂09

ホムラは太陽を目にし、その美しさを知り、彼女はそこに生きるべきだと結論付けます。
この時彼は、彼女が陸地に生きる人間であることを全て受け止めた上で、自身の全てを捧げて彼女を愛することを心に誓ったのです。

海神祭前夜:敵対勢力の出現(?)

海神祭前夜。陸地で起きた大事件の情報がリモリアにまで届きます。

ここ数日、鯨落都の外の不思議な巻き貝が、また陸の奇妙な出来事を伝えてきたーー
「生贄」の脱走によって海神が怒り、信者への罰として神殿を焼き払ったというのだ。
そして最年長の神使は病に伏し、わずか数日で命を落としたらしい。

忘却08

直前に非常に衝撃的な夢が描かれてるので、ついさらっと流しそうになるんですが、これ、重要な何かですよね。これだけ練りこまれたストーリーを編み出す公式がこんなエピソードを無意味に入れてくるはずがありません。後のホムラとリモリアの歴史に影響を及ぼすであろう出来事なんじゃないかと私は思っています。(当初、主人公ちゃんが崖から落ちてから助けに来るまで不自然に間が空いてたから、ホムラが主人公ちゃん先に落として一仕事こなしたケースも一瞬よぎったんだけど、あまりにもホムラらしくないしそもそも普通に「激流によりホムラと引き離されてしまった」って書いてあった。杞憂。)
個人的には陸の神殿を焼き払ったのはコア武器持参で時空を超えてきた未来からの勢力か?と想像しています。あるいはさらに別の何かか?他のメンズの思念を読めば何か出てくるのかもしれませんけれど、目下私は情報を持ちません。でもリモリアの滅亡に深くかかわる出来事なのは確かだろうと思っています。
ただただ、情報待ちです。
(にしても、鯨落都の外から陸の出来事を伝えてくる不思議な巻き貝があるってことは、陸地で最新ニュースを吹き込んではリモリアに送りつける情報屋さんがいるのかな?)

海神祭前夜~海神祭

海神祭前夜、ホムラと主人公は約束を取り交わします。
(これは結果として海神祭当日二人が交わす契約の事前協議となりました)
それは「最も敬虔で唯一無二の信仰」と「それ以上に特別で唯一無二のもの」を交換するという約束でした<忘却07>(ただしホムラは交換を待たずに「じゃあ、心をあげるよ」と宣言しちゃいますけど。自分が先にカードを切って見せる、ほんとに素敵なスパダリっぷりなんですが、結果としてはこれがのちの様々な問題へとつながっていきます)

ホムラと主人公の契約の話は前の考察で色々語っているので、未読の方はぜひ読んでみてください!
(ざっくりいうと、ホムラと主人公の間では心の交換の契約が結ばれ、けれど彼女が「最も敬虔で唯一無二の信仰」を持ち合わせていなかったためにホムラから彼女の一方向のみで心の提供が行われました。彼女からホムラに心を捧げるはずの海神―信者の契約は成立せず、さらにホムラは海神の継承に必要な手順(信者の心臓を抉る)を踏む気がなかったため、継承の儀式は途中で頓挫します。ホムラは儀式が完了した風を装ってリモリアの民を騙し、彼女を陸地に帰す約束を果たします)

前回考察ですっ飛ばした、儀式後の様子に少しフォーカスしてみます。

ホムラーー若い海神は私を持つ目、風邪のような声で暗闇の中の唯一の炎を吹き消した。
「これは僕から君への約束だ
 そして、リモリアの永遠の契約でもある」

その日、神殿で何が起こったのかは誰も知らない。
リモリアは突如暗黒に陥り、火種は長い時間光を失い、海全体が焦燥と不安ンに包まれたーー
潮が満ち、逆巻く大波ががけを砕く。落石が絶えず海に落ち、再建された聖堂も崩れてしまう。

忘却09

過去数千年に渡りリモリアを照らしてきた先代の火種は吹き消され、同時に先代海神の守護が消失します。本来であれば直後に海神の継承が完了して火種が更新され、次代海神の守護が海を満たすはずでしたが...…。
潮が満ちるほどの時間が経っても、落石が続き聖堂が崩れてもなお海は平常に戻りません。(ここの「再建された」って何だろう?海底都市リモリアで聖堂が崩れた描写は公開済みエピソードにはない認識です。忘却よりさらに前のストーリーがでてくるのかな?)
その後ホムラが一人で神殿から出てきてリモリアに光を灯しますが、彼はおそらく、本来儀式後に灯るはずだった「火種」の替わりに自身のEvolの炎を灯しています。ホムラが後にした神殿ではそれまで「火種」が格納された壁龕が破壊されていました。これは、これまでリモリアに繁栄をもたらしてきた「火種」が実は信者の命を犠牲にして成り立つものだったと知ったホムラが、その事実に怒り二度とそのような火種を灯すことはしないという硬い決意で破壊したのではないかと予想してます。
ーーーちょっと寄り道ーーー
Evolの炎と火種の違いは「Evolverの死後に炎が残るかどうか」「海に守護の力をもたらすか」で、炎そのものの質に違いはないのだろうと思ってます。
ホムラが死ぬとEvolは失われるけれど、もし彼が海神の力を継承したなら、彼がその後灯す炎は彼の死後も残りつづけるのかなと(先代の海神の火種がそうであったように)
ーーー寄り道終わりーーー

忘却後~リモリア滅亡まで

地上で過ごす主人公に窓辺で笛を利かせる(通い婚時代)

海神祭ののち、ホムラは約束通り彼女を陸へと帰します。
恐らくその後定期的に彼女の下に通い二人で自由で楽しい時間を共に過ごしたのでしょう。<香り纏う夢>で語られる、ホムラが陸地で暮らす主人公に笛を聴かせた時代はまさにこの頃のことかなと。二人小舟に揺られて日差しを浴びて、何も不安も思い煩いもない、二人が一番幸せだった時代です。
(この時代のただただ穏やかで幸せな思念がほしいなあ!ほしいなあ!)

しかし残念ながら、この幸せな時間は長くは続きません。

(未公開ストーリー=妄想):主人公が攫われ殺される+不死性が発動

彼女はホムラと共に穏やかに寿命を迎えることはできませんでした。
主人公は攫われ、深海に投げ込まれて殺されます。

その時の悲劇をホムラは歌劇セイレーンの歌の中で歌い上げています。

あなたはある人に出会い 最も大切なものをぬすまれるでしょう
たとえ目隠しをされこの世で最も深い海の底へ投げ込まれても彼女はあなたを見つける

これ、気を付けないとホムラが主人公に心を奪われた!と読み取らされる、ミスリードですね。セイレーンの歌においては性別が逆転するのが正解なので<セイレーン04>、この歌のフレーズにおいてはあなた=主人公、彼女=ホムラです。ホムラはこの歌の中で、主人公がある人(ホムラではない誰か)に出会い最も大切なものを盗まれた!と綴ります。
<香り纏う夢>で人間だった過去を持ちながらもなぜか深海の魔女として生きる主人公ちゃんが登場します。なぜ彼女が陸地ではなく深海にいるのか、なぜホムラとともにいないのかの答えが上記のセイレーンの歌なのだとーーーそして「大切なもの」とは2人が穏やかに過ごす時間、共に添い遂げる未来、そして祝福たる死を指すものだと私は解釈しています(祝福たる詩については前回考察で色々書いています)その後彼女は投げ込まれた深海の奥底で復活し呪われた魔女になるのです。

ーーーちょっと寄り道ーーー
このあたりは本当に妄想補完が強めです。
なぜ彼女が狙われ・深海に投げ込まれたのか、彼女がどのタイミング・理由で不死になったのか、加えて彼女が深海の底でどうして"呪われた魔女"になったのかは作中の情報からは明確に知ることができません。
― なぜ彼女が狙われ・深海に投げ込まれたのかは比較的想像しやすいですね。<忘却08>で陸地の人間は「生贄」が脱走したと認識しています。彼女がホムラとともに陸の海神祭を見に行った時、生贄である彼女の顔を見知った者がいたのでしょう。生贄が脱走して海神を怒らせたから神殿が焼き払われた状況で、その生贄を再び陸地で見つけたら...…。当然捕らえて、再度海に捧げ海神の機嫌を取りなそうとするに決まっています。私がその信者なら、前回彼女が生き延びてしまったのは泳げる状態で海に落としたからだろうと反省し、今度は決して逃げられないように、捉える時点から縛るなり眠らせるなりして、海に捨てたらしっかり沈んで再浮上しないことを見届けます(彼女はおそらく出会い頭に眠らされたのかな。危機の中少しでも意識があれば契約に基づきホムラを呼べたはずですから)
ー 不死となったタイミングは、ホムラが心を捧げた瞬間ではないと思ってます。<金砂01>のオープニングで「神に心を授けられた彼女は〜人々に不老不死の力を与えた」とあり、さもこの二つに関係があるかのように並べられてますが、よくよく読むと"彼女が神の心を授けられて不老不死の力を得た"、とはどこにも書かれていません。前の考察にも書きましたが、ホムラの心は彼女に捧げられたタイミングでは海神の心(=不死の心)ではありませんでした(海神の心に対するアモンの反応<金砂07>が明瞭な根拠となっています)。となると、彼女が不死となったのは忘却ストーリー以前か、あるいはホムラと過ごした最後の瞬間から何者かに深海に投げ込まれるまでのわずかな間かのどちらかです。
前者だとしたら、ホムラがあるがままの主人公を受けいれるとホムラが先に去って彼女が1人取り残されることになるのでその路線はなさそうです(逆に受け入れないと、不死という牢獄から彼女を助けるということになるのか?……でも唯一無二を重視するホムラが彼女のありようを受け入れないというのも何か違和感があります)今の所深掘るための材料が足りません。
一方もし後者だとしたら、それは本来その時代にないはずのコア武器を持込みリモリアを滅亡にもたらした勢力(ほぼ未来人確定かなと)<深層:砂に沈む遺跡05>がここに関与しているのだろうと想像しています。コアエネルギーを自在に扱う現代よりもさらに遠い未来から来た者たちなら何かやらかせそうな気もします。(でもそれじゃタイムパラドックスっつか物事の起点が失われて時空が因果の流れから切り離されそうだな……こっちも材料不足のため保留です。単に私のおつむが追いついてないだけな気がしつつ…)
― 魔女になった原因は一番追い難いですね。(だって"魔"女だし。魔の概念が入ってくるとロジックを離れるから理屈で追うのが無理ゲーになっちゃう…)①深海の奥底でも死なない生命としてそういう形態をとらざるを得なかったという、不死性がもたらした変化なのかもしれないし、②本来海に住まうべきでない生命の一路から外れた主人公の姿を「呪い」やら「魔女」やらと称する誰かがいただけかもしれないし、③本来持つはずのない心を器でない身体に宿していたために文字通りに何某かのの呪いを受けたのかもしれないし、④その他の事情かもしれないし。どんな方向の妄想があったとしても今時点では情報がなさすぎて、否定も肯定も評価すらもできない状況かなと(この辺の掘れそうで掘れない感じが歯痒過ぎ!新情報が待ち遠しいよー涙)
ーーー寄り道終わりーーー

それにしても……なんといいますか、ホムラ何やってるの!「この先どんな危険に遭遇しても恐れることはない」<忘却07>っていってたじゃん!青の小魚のペンダントどうしちゃったの..…。
まあ...…それを一番感じてるのはホムラなんでしょうけど。

思うに彼、最初は何も知らないままいつものように彼女の家に遊びに行って、窓辺に座って彼女の帰りを待っていたんじゃないかな(ここからしばらく妄想です)。いつものように笑顔で迎えてくれるかと思っていたら彼女はいなくて、"買い物かな?"とか思いながらお土産の海鮮料理を並べて、気軽に待っていたけれどいつまでたっても帰ってこない。待ち続けて待ち続けてそれでも帰ってこない。いよいよ不安と焦燥に駆られていてもたってもいられなくなっていたところで風の噂で主人公ちゃんが再び生贄として海に投じられたことを知って、主人公ちゃんを失ったこと、助けられなかったこと、それどころか自分がそれに気づけてすらいなかったことに愕然とする(その絶望の深さは想像だにできません)でも彼女が海と一体になったとも感じられなくて、死に物狂いで探し回る日々が始まる。だけど深海の隙間の魔女が界隈の噂となって広がり彼の耳に届くまでの期間ずっとみつけられない……。
ホムラにとって、主人公に待たされることや連絡が取れず安否がわからなくなることがトラウマになるのも理解できます。夜遊びの章でホムラがらしくなく激昂したのも、少し連絡が取れないだけで何とかして安否を確認しようとするのも、また彼女の身に何か起きたんじゃないか/また彼女を失うんじゃないか/また自分は守れなかったんじゃないか、っていう気持ちに苛まれるからなんですよね。私たちが普通に想像する"待たされる時間"と彼が経験してきたそれとでは年季も重みも違いすぎます。「あの怒りと心配は、もう感じたくない」<夜遊び> のセリフの裏に隠された、かつて乗り越えてきた苦しみの深さに思いを馳せざるを得ません。

(未公開ストーリー=妄想)リモリアを滅ぼすもの達との交流が開始する?

おそらく深海の魔女編の前、リモリアが滅ぼされる前段階として、ホムラはホムラを欺く人間達(複数形です)と出会い、交流を開始します(おそらくその交流はセイレーン時代と同じように行方不明になった彼女を探す情報収集のためだったんじゃないかな)。が、ここも妄想ですが、このエンカウントはその人間組織側の筋書きに嵌められたのではないかと思っています。<秘話:セイレーン05>の「彼を欺いた人々はとうに巨大な船に乗り、笑いながら去っていった」という文から、ホムラは複数の人々(組織?)がホムラを欺き、リモリアを滅ぼしたことが分かります。ホムラはリモリアが滅ぼされた後になって初めて、彼女をホムラの元から攫い、彼を騙し、リモリアを滅ぼしたのが同じ人間達(同一組織?)なのだと知ることになったのです。<金砂07>のホムラのセリフ「人間に騙されて、心臓を奪い去られてしまったんだ」は、”ホムラを騙したそれらの人間が、ホムラの心を持つ主人公を奪い去ってしまった”の意なのだと私は捉えています。

深海の魔女時代:ホムラは力を失う

彼女を失ってからリモリア滅亡より前の期間。
ホムラは深海の隙間に住まう魔女となった彼女を見つけ出し、様々な代償を払って彼女を人間に戻します<香り纏う夢>。
代償として何を失ったかについては前の考察「ホムラに残された寿命」の項で書いているのでここでは割愛しますね。

古代リモリア滅亡

リモリア滅亡

「一族はみな血の泡となって消えるか、あるいは強制的に連れ去られ、故郷は静まり返った空虚な街となり果ててしまった」<秘話セイレーン04:ルイスの空想>

今のところ謎しかない古代リモリアの滅亡事件。
深海都市リモリアの滅亡は今のところ謎の固まりです。現代の人間ですらわずかな人数が潜水艇でやっとの思いでたどり着くようなその場所に、誰が襲撃をかけたというのでしょうか(当初リモリアが一時陸に上がった?なんて考えたりもしましたが、滅亡以前/以後のリモリアの都市がどちらも海底にあることを考えるとそれはなさそうです)。襲撃者は海を自在に泳ぎ回ることのできるリモリア人をどうやって捕獲・殺戮できたというのでしょうか。リモリア襲撃にその時代になかったはずのコア武器が持ち込まれていたことから<深層:砂に沈む遺跡05>、襲撃犯が古代/現代の人々ではない、未来の人々であることは推察できます(セイヤの乗ってきたロールバックⅡ号の他にも時空を超えてきた勢がいるっぽいですね。Ⅰ号か?Ⅰ号なのか?)。が、彼らがどうやってそれをしたのかも、何のためにそれをしたのかも現時点では不明です(シンプルに享楽品や素材狩り?未来の敵勢力の事前排除?、フィロス星の核に食わせるあるいはフィロス人の不死性を担保する素材集め?いろいろ可能性は挙げられますがどれも"らしさ"薄めです。一番らしいのは主人公ちゃんを絡めた別の意図があるってあたり?だろうけれど、信ぴょう性を高めてくれる情報が欠片すらない...…)
仮に未来からの手勢が攻めてきていたのだとしたら、海神の力の有無って関係なくリモリアは滅びていたのかもな~なんて思ったりします。

ーーーちょっと寄り道ーーー
<秘話セイレーン05>に滅びたリモリアに挽歌を歌う少年の姿が出てきます。リモリアが滅ぼされたまさにその日、彼はなぜ少年の姿だったのでしょうか。その理由を探して強めの妄想で保管した結果、現時点では時系列を魔女時代ー(直後に)→リモリア滅亡と捉えました。この辺は後日別のストーリー開放でひっくり返る可能性が非常に高いとは思いつつ、現時点での考えとして記録しておきたいと思います。
【魔女時代がリモリア滅亡以前の出来事である】
ーこれはあまり疑う余地はないように思います。<香り纏う夢>で魔女のもとを訪れたホムラの様子が、凍てついたセイレーン時代の様子よりかは、穏やかで柔らかな忘却時代の様子に近いということ。加えて魔女のセリフ、「人の心は変わりやすいものだから。海でも陸地でも、それは同じ」から、この時代にはまだ海の住人は海に生き/陸の住人は陸に生きるという前提が残っている様子が見られること。以上の2点から魔女時代はリモリア滅亡より前の出来事だと考察しています。
【魔女時代"直後"にリモリア滅亡している】
ーこっちは妄想強め(突っ込みどころの自覚あり)です。
次の3つを妄想の素材にしました
①ホムラが人間に戻った主人公と再び一緒に時を過ごしたと思われる描写が現時点でどこにもないこと(今後、その間の時代の別ストーリが追加される可能性はあり)
②魔女時代にホムラが多大な力を失い明らかに消耗していたこと。
③リモリア滅亡時なぜかホムラが少年の姿をしていたこと。
①と②から、彼女を人間に戻した後の消耗から回復している間に何かが起きて再び主人公ちゃんが行方不明になったのだろう、けれどたとえ消耗していたとしても(一度彼女を失いようやく見つけ出したホムラが)再度彼女を見失うなんて事態はよほどとんでもないことが起きない限りないだろう、それはリモリア襲撃事件だったのでは?となると③の少年の姿は②の消耗の結果だったのでは?と想像しました。
彼女を陸に戻し、消耗したホムラは青年の姿を保ち続けられなくなったのではないか(はい、ここ、突っ込みどころです!)。ホムラは彼女の為に支払った代償が原因で自分が弱った姿を彼女に見せることをよしとせず、回復のために一度リモリアに戻ることにしたのではないか。そして戻ったら都市が襲撃を受けていた。リモリアの滅亡を目の当たりにし、敗者側の戦後処理を終えてようやく再び彼女のもとに向かうことができたと思ったら、そのときには彼女はまた行方不明になっていた。
今ある素材でくみ上げる限りではそんな流れだったのではないか、と想像しています。
ーーー寄り道終わりーーー

主人公が再び行方不明に

魔女から人間への復活を遂げた主人公は(おそらくリモリア滅亡に前後して)再びホムラの前から姿を消します。なぜ、どういう理由で失踪したのでしょうか。<香り纏う夢>の夢が覚める最後の瞬間、彼女はかつての記憶を思い出したような描写がありました。そうであれば、彼女が自発的にホムラから身を隠す理由はなさそうです。つまりこの失踪は彼女の本意ではなく、第三者の働きかけによるものでしょう。リモリアを襲撃した敵勢力によって彼らの筋書き通りに攫われていった、あるいは(敵勢力はリモリア襲撃までが目的でその後の彼女に手は出しておらず)陸の人間に殺された、のどちらかなんだろうと思います(後者についてはどうかな?ありえるかな?彼女が海に投げ込まれてから再び人間として復活するまでにどれだけの時間がかかったのかが不明のため何とも言えませんが、仮に以前の彼女を知る誰かがまだ生きていたなら、「あの時確かに海神に捧げ海に沈めたはずの生贄が生きている!」「しかも若い姿のままに!」「生贄は海神に見初められ捧げた娘が不老不死を得た!」「永遠の命がそこにある!」なんて流れで狙われる可能性はありそうですね)
そして彼女は再び殺され、せっかく取り戻した記憶をロストして、またホムラのもとに戻ることができなくなってしまうのです。

リモリア人たちがリモリアの滅亡の原因を主人公だと信じるようになる

リモリア滅亡の激動を越え、生き残ったリモリア人たちは当然「なぜこんなことになったのか」に思いを馳せたでしょう。海神が健在で「火種」も確かに灯っていたはずなのに、なぜ?」と。そしてホムラが多くのものを失っていることに気づきます(最も貴重な鱗、美しい歌声、肉体の永遠性、そして海神の心に至るまで!)
海神からそれらの力を奪うことができる存在について、リモリア人の心当たりはたった一人しかいません。海神と契約を結んだあの娘です。
リモリア人達はこの時から、「ホムラが海神の力を失ったのは主人公がホムラを騙し心を奪ったからだ」、そして「彼女から海神の心を取り戻せばホムラは海神の力を取り戻せるはずだ」と信じるようになります。

ーーーちょっと寄り道ーーー
リモリア人たちは永きに渡り、海神の書の予言(各世代の海神によってもたらされる海神の書の石板に記載されたもの)を信じてきました。しかし古代リモリアの滅亡後、石板は失われ、そこからリモリアの未来を知ることはできなくなります。海神、火種、都市、そして予言と、それまで寄る辺としてきたものを失ったリモリア人たちはその後、『深空伝説』に出会います。彼らは深空トンネルを越えて未来から届けられた『深空伝説』を、予言の書と同様に信じるようになるのです。

14年前の深空からの贈り物ーー『深空伝説』をお楽しみください
永い時を経て届いたパルス信号は、奇跡と呼ばれています。

本編01-01:深空チャンネル

けれどそこには落とし穴があります。『深空伝説』はあくまでそれを発信した未来の人々が語る物語にすぎません。『深空伝説』として語られるそれは、それを語る未来の人々の認知バイアスをはらんでいます。
ではこのリモリアにまつわる伝説を過去(現代)に向けて発信したのは誰か。それは未来のリモリア人だと私は思っています(<忘却04>で描かれた古代リモリア人の習慣「彼らは詩、物語、伝説、そして珍しい貝殻や真珠を瓶に詰め、潮が満ちた時に陸地へ送る」がそれを示唆しています)
つまり、未来から届きリモリア人が信じるようになった『伝説』必ずしも正しいこと/事実を伝えているとは限りません。むしろどちらかというとリモリア滅亡後に古代リモリア人が抱いた「ホムラが海神の力を失ったのは主人公がホムラを騙し心を奪ったからだ」「彼女から海神の心を取り戻せばホムラは海神の力を取り戻せるはずだ」という解釈がただ語り継がれ『伝説』として遠い未来から舞い戻って、さらに強く信じられ、リモリア人の認知を間違った方向に強化してしまったものなのだと思っています。

(本編や思念で登場する引用文献は、少なくとも3種類ありますー①石板に書かれた海神の書(原著)、②未来から過去へ届けられた「深空伝説」、③全ての終わった更に遠い未来で語り継がれる「リモリア」。このあたりの話はまた後日別のノートでまとめますね)
ーーー寄り道終わりーーー

ーーーさらに寄り道ーーー
あれ?となると<探す旅>でホムラが暗唱する伝説もただの願望に過ぎない?海の復活が実現しない可能性ある?
と一瞬心配になったのですが、そこは大丈夫でした。
海の復活(と人間の国の滅亡)はちゃんと③「リモリア」の方で語られてました(よかった〜焦った〜)

ただ遠い未来、その海神が亡くなって長い歳月が過ぎた後のこと。
輝かしき国は海底に沈み、静寂に包まれたリモリアには再びある伝説が広まったーー

かつて、海神が愛する人のために海を欺いたと。

忘却09『リモリア・後日談』

ーーー寄り道終わりーーー

ーーいったんここまで!ーー

えー。ここまで読んでくださった稀有な皆様、ありがとうございます!
いきなりぶち切ってごめんなさい。今回は一旦ここまでとさせてください。
大型アップデートに頭の8割持ってかれて、全然戻ってこれません笑

この後書き加えていきたい章立てだけノートの最後に追加しておきます。
ただ、地球→フィロスのあたりは重要であろう伝説・思念を自分の目で読めていないので…ちょっと先になる見込みです(このあたりが読み込めないと、その後に続く金砂のホムラの心境を深堀りできるかちょっと怪しいんだよな……)

最後にホムラさんのここまでの経緯を軽くおさらいしつつ、この先の話にもちょっと触れてみます。
<Start!>幼いころから次代海神扱いでリモリアの未来を背負わされる
→ 唯一自分の心をさらけだすことのできる、愛する人を見つける
→ 海神となるには彼女を殺さなければならないと発覚
→ 彼女を守るために海神の継承を捨てる
→ 彼女が行方不明になる
→ 彼女を発見ー助けるために様々な力を捧げる(肉体の永遠性ほか)
→ リモリアが滅ぼされる
→ 彼女が再び行方不明に
→ 同胞は苦しめられ続けている
→ 同胞たちは苦しみの原因を、彼女だと思っている
→ 彼女を発見ー人の欲の渦中で永遠の苦しみにあることを知る
(↑現代まで、↓金砂以降)
→ 同胞たちに愛する人を殺すことを期待されている
→ 愛する人・同胞の問題解決が見える前に自分の寿命が迫る
…って…
どんなに心穏やかな人でもそりゃ心凍てつくわ…。
ホムラ……頼むよ幸せになってくれよ……
なんで、一体何をしたってんで、彼の人生こんなにハードモードなん?

(以上!ここまで読んでいただきどうもありがとうございました!)

ーー以降今後の章立て(見込み=未定)ーー

800年、探し続ける

セイレーン時代

そして現代へ

現代(本編)

現代主人公との再会

関係を紡ぐ

現代/近未来

未公開エピソード:現代主人公との関係性はどう終わる?

未確認エピソード:地球→フィロス星誕生?

フィロス後

金砂

未公開エピソード:鯨落都への到達

未公開エピソード:その後

海の復活

後日談




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