記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

【恋と深空】ホムラの未来 考察

考察を騙った「絶対これハッピーエンドになるでしょ!」「なるよね!!」「なってよね!!!」メモ

#恋と深空
Last Update 2024/07/12 
寄り道追記:主人公に不死性はホムラの心に起因するのか→NO

はじめに

・ここは恋と深空にドはまりした筆者が、ホム主のハッピーエンドを願いつつ考察&妄想を語っていくノートです。ネタバレ・解釈違いが多々あるかと思います。なんでも許せる方の広~い心でお付き合いいただけると嬉しいです。
見る人によっては「何このトンデモ解釈不快!」ってなる場合もあるので怪しいなと思ったら自衛ください
・筆者は潮汐イベント終盤から参戦&ホムラ思念を優先して取得しているので、レイ先生&セイヤ伝説は未読です。なのでアスタや学校など概要は聞き齧っているもののまだ自分で本文を読めておらず…。皆さんの周知の事実とずれたこと言ってるかもしれません。(早く読みたいんだけど、ホムラ一人ですでに容量オーバー、読みきれんのよ…)
・界隈では公式画像・歴史・寓話・神話やその他いろいろな要素から広く深い考察をされてるすごい方々が多々いらっしゃいますが、それらの方々の素晴らしい考察に異を唱えるものでは決してありません(むしろ感嘆&尊敬ですよ、皆さん凄すぎるよ~!)
・まとめているうちに本筋から離れた寄り道が爆増中。読みにくかったらすみません。
※<忘却の海>の伝説シリーズをみんな<潮汐>ってイベント名で書いちゃってたことに気づきました。なんてこった。そのうち直すかほっとくか…

当考察の主柱

私の考察の主柱は4本です。
初めの2つがあるから、ホム主はハピエンを期待できると思ってます!

◆ホム主ペア&リモリアのハッピーエンドの形は既に示されている
この物語は永い永い命をもった海神が、生涯の最初期に出会ったたった一人の女性を愛し、長い長い紆余曲折を越えて相互に愛し合い、添い遂げ、二人寄り添いつづける永遠性を獲得する物語である

◆ホムラと主人公を結ぶ契約は海神ー信者の契約とは別に存在している
現時点でホムラと主人公を結ぶ契約は3つ登場しており、2人を結ぶ契約は海神と信者の契約ではない。海神と信者の契約は金砂時代に至るまで不成立だったし、成立直後に消失した

◆ホムラは海神として完成しておらず、正式な意味で海神は不在である

ホムラは海神として育てられ、海神を継承すべき唯一の存在であるため自他ともに海神と称しているが、実際は海神の継承を完了しておらず、本来の海神としての力を得ていない。海神は先代以降不在のままであり火種の更新は行われていない。

◆ホムラは作中を通して1身体1人格だが、物語の中盤で肉体的不死性を失い、限りある命となっている
ホムラは転生しているわけではなく作中を通して1身体1人格で過ごしている。本来は永遠に生き続けられる身体を持っていたが、これを主人公のために捧げて限りある命となり、金砂時代にはその寿命が迫っている。

上記の解釈に繋がる材料は公式ストーリーにぽろぽろ散見されています。
このノートでは「頼むよおおおお、二人で幸せになってくれよおおおおお」という願いを「大丈夫、ハッピーエンド間違いなし!」という確信に変えていくことを目的に、公式ストーリー内で拾った材料を整理し考察を加えていきます(当分は公式リリースに伴い七転八倒する未来しか見えない)

それでは。

語りだすぜ!(いえーい!)

最初は私が諸々考え始めた最初のきっかけ、リモリア人に感じた違和感のお話からいきますよ~。


リモリア人の生態:その永遠性と4つの死、ホムラの目指す未来

リモリア人の永遠性

その血が「人を不老不死にしたり生きかえらす事もできる」と言われているリモリア人ですが、当のリモリア人が抱く死生観や永遠の命についての認識は、欲深い人間が期待するそれ(文字通り永遠に生き続けること)とは異なりますよね

リモリア人の永遠性に関して私が最初に気になったのは次の点です

  • 永遠の命を持つはずの海神に"先代"がいる。ホムラの認識では先代の海神はすでに死んでいる<潮汐7章:「同意を求めていたら先代の海神と面会していただろうね」>

  • リモリア人には祖父母・親兄弟・子供がいる
    →子を増やしても人口爆発しない=出生数と死亡数は釣り合っているはず

  • 死に行くリモリア人を送り出す儀式が存在している<秘話セイレーン5章>

上記から、リモリア人は不慮の事故がない限りは生き続ける永遠性の高い生命でありつつも、いつかはちゃんと(という表現が適切かはわかりませんが)生命として死ぬことを前提とした種族だと言えそうです。リモリア人であるホムラが「どの命も等しく脆い」と言っていることからも、彼らが自分たちの命を失われうるものと捉えていることがうかがえます。

リモリア人の死生観では、生命としての死は終わりではなく「海と一体になって永遠の命を手に入れる」ターニングポイントのように捉えているようです。ホムラ自身もいつか自分も死ぬことを想定するとともに、死を「海の一部になる」祝福と語ってます。(※これを語った時に彼が見せた"悲しみ"についてはいずれ後述)
つまりリモリア人にとっての「永遠の命」とは、生命としての永遠性を指すのではなく「生命を終えたのちも海と一体になって存在し続ける永遠性」を指しています。その永遠性を得ることがリモリア人にとって最も祝福される人生のゴールなのだと私は考えています。

リモリア人の4つの死

そうして眺めてみると、リモリア人には4種類の死があることに気づきます

<祝福といえる死>
自ら選ぶ死
  ― 何らかの理由で自発的に死を選ぶ。儀式によって送り出される。
    <秘話セイレーン>
殺され死(海で:事故や弱肉強食の営みの中で)
  ― 海の中で死ぬ=海の中にいる=海の一部になる→永遠性を得る
    <思念:クジラの歌>

<忌むべき死>
殺され死(陸地で:人の欲の餌食となって)
  ― 亡骸が海から隔離され、海に帰ることができない
    <深層:花束と挽歌>
泡となって死(海からの拒絶)
  ― 海に背いたものが受ける呪い。「凄まじい苦痛に苛まれたあげく、海の泡になって~消えてしまう」<思念:香り纏う夢>

ーーーちょっと寄り道ーー
泡となる。これは海の怒りを買い、そこへ帰ることが許されなくなった者の末路です。海の泡とはつまり気泡。気泡は海に留まることが許されず上へ上へと浮き上げられ最終的に海の外へとはじき出される存在です。海の泡になるとはつまり海に拒絶され否定され、帰る場所を失ったまま完全かつ永遠に消失することを意味しています。それは海と一体となる永遠性を祝福とするリモリア人にとって、単なる死刑宣告よりもはるかにむごく恐ろしいことのはずです。
※ちなみに儀式で送り出されるシーンでは泡の描写がありません。秘話セイレーンのKのシーン見てみてね。
ーーー寄り道終わりーーー

リモリア人はいつ祝福たる死を得るのか
ではリモリア人はいったいどんな時に、自ら死ぬことを選ぶのでしょうか。もちろんK<秘話セイレーン5章>のように生に絶望して…という悲しい選択もあるにはあるのですが、、、祝福と呼ばれるからにはそういうものばかりではないはずです。
私はここに思い至って、ホム&主のハッピーエンドへの形を見出しました。
リモリア人が死を招き入れる時。それはリモリア人が有限の命をもった人間を愛し、その者と永遠にともにあり続けたいと願った時なのではないでしょうか。リモリア人と人間が愛し合い、永遠にともに在り続けることを願い、ついに人の側が寿命を迎える時、リモリア人は愛する連れ合いの亡骸を連れて海に帰りその連れ合いとともに海と一体になることを選ぶのではないでしょうか。

ホムラの目指す未来(ハッピーエンドの形はこれか?)

以上のように考えるとホムラが望む未来、ハッピーエンドの形はおのずと見えてきます。ホムラの望みはただただ、主人公と互いに愛を確かめ合い、共に穏やかな時間を過ごした上で、彼女が人間としての生の終わりを迎える時にそれに付き添うこと。そして二人で共に海の一部となり、その後も未来永劫一緒にあり続けることなのではないでしょうか。
(共に生きて共に死に、その後も永遠に一緒、なんて、、、はああああ愛が深すぎるんよ!)


ホムラが挑む2つの闘い

ホムラは主人公とリモリアどちらも大切に思いながら、両方を守るための孤独な戦いを続けてきました。彼にはどちらか一方を捨てて他方を取るということはできません。彼は海神の務め=信者を守ることと考えていますから。(愛と責任感の強さ、まさに神の器!)
ここではそもそもホムラって何のために動いてるんだっけ?を整理します。

1. 愛する女性のための闘い

作中の主人公はホムラが捧げた心をその身に宿し(そしてその心が主人公に対して不死性を発動しているがために)人としての死を得ることができない存在となってしまっています。
これはホムラが意図したことではないでしょう。ホムラ自身は幼少期から、自分が一人永遠に生き続けることについて否定的な感覚をもっていますから<潮汐8章>。潮汐時代、若かったホムラは添い遂げることも彼女の短い寿命を意識することもなくただただ彼女と一緒にいようとしたのかなと。
ーーーちょっと寄り道(2024/07/12追記)ーーー
それにしたって、不死になることを知っていたうえで彼女に心を与えたとは思えません。おそらく、ホムラが彼女に心を与えた時点ではその心はまだ不死性を発動していませんでした。まだ自分の心を持っていた頃のホムラ<忘却02>や心を失ったホムラに説教がちなアモン長老が、主人公のもつ海神の心には問答無用で平伏した<金砂07>描写は、当初ホムラが自分の心を持っていた頃、その心はまだ海神の心に成っていなかったことを示唆しているように思います。これは予想にすぎませんが、本来ホムラの心は、海神の継承を全て完了した時に海神の心=不死の心<潮汐08:「海神は不死の心を持っている」>になるはずだったのではないかと。後述しますがホムラは海神の継承を完了していません。なので本来主人公ちゃんがもらったホムラの心は主人公に不死をもたらすことはないはずです。(そもそも海神の不死の心自体が人間が想像する肉体的な不死を表すものではないのかも。これ、外だしして別途考察します)現段階では妄想にすぎませんが、主人公ちゃんが不死性を発動したのは、ホムラの心や海神の不死の心に起因しないのではないかと。じゃあ何に起因するのか/いつからあるのかは...…目下検証可能な情報がありません。新しい情報が何かないかと口を開けて待っています。
ーーー寄り道終わりーーー
潮汐のストーリー後、ホムラは隠していた主人公をこっそりと陸地へと帰し、彼女の元へ足しげく通っていたのではないかなと想像しています。<香り纏う夢>の中で語られる、ホムラが主人公と共に穏やかに過ごし窓辺で笛を吹いて聞かせたな時間がここにあるのかなと。しかし幸せな時間もつかの間、彼女はその寿命を待たずして攫われ、眠らされ、「この世の最も深い海の底に投げ込まれ」て殺されます<潮汐8章「セイレーンの歌:第四幕」>これはおそらく生贄が生きていたのがばれて再度深海に捧げられたのかと。さらには殺されたはずが不死性が発動。死ぬはずなのに死ねないという「最も奇妙な場面」<秘話セイレーン04>を迎えます。その後ホムラは深海の奥底で再生し魔女となった彼女を見つけ出し、人間へと戻して陸地へと帰します(その後ホムラは消耗のために彼女のそばにいられない時間があったはず)。そしてそうして確かに海に沈めたはずの生贄がまた無事に陸地に帰ったことを知った陸の信者たちは、生贄が海神に見初められ、永遠の命を得たことに認識するのです。以降、主人公は永遠の命を欲する人間達に翻弄され、まさに「終わりのない苦しみ」<秘話セイレーン04>が始まります(彼女の記憶がリセットされることが救いですが)

ホムラは彼女とその命を翻弄する敵勢力(そして後述のリモリア人を狙う敵勢力)を排し、ただ彼女と過ごす平凡な日常を、そして共に添い遂げ海に還る未来を求めて闘っているのだろうというのが私の理解です。
恐らく潮汐後に主人公が彼女本来の寿命を生きることができたら、二人はそのままゴールインするはずだったんじゃないかなと思っています。けれど彼と彼女を取り巻く環境がそれを許さずしません。彼女は8万年を超えてなおたったの一度も本来の自分の寿命を全うすることができていない=その前に殺されてるのではないかと。寿命を迎えるまで穏やかに過ごすことも許されない、かといってすべてが終わることもない、主人公にとっても、そしてそれを止められないホムラにとってもまさに「終わりのない苦しみ」が続いているのです。

ホムラは主人公と2人で限られた寿命・残された時間を慈しみながらのんびり生き、穏やかな死を迎えて海で永遠の命を得る、そんな未来にたどり着くべく、永い永い時をかけて暗中模索しています。けれど敵は絶えず、地球では人間が、フィロスでは仲間のリモリア人が彼女の命をあろうことかホムラ自身に殺させようと狙います。金砂の終盤、彼は海神の予言を書き替え、海神の力の継承のために彼女の心臓をえぐるという未来を打ち消します。少なくとも自らの手によって彼女を死に追いやる事態を回避する手段を講じました。その先の未来は<潮汐09>を見る限り、一筋縄ではいかないようですけれど...…

ーーちょっと寄り道ーー
後述しますがリモリアの信者たちは(そして一時期までホムラ自身も)ホムラが主人公に心を送った契約と、海神の書に書かれた契約と混同しています。
海神の書は信者の心臓を抉り出すことで海神が真の力を得られると示唆していますが<金砂7:「リモリア:海神の書」>そこで取り出されるのは海神の心ではなく「愛で満たされた純真無垢な心」=信者本人の心です。海神の書に「海神の心を信者から抉り取り戻す」という描写が記載されている様子は現時点で確認されていません。
けれどリモリア人たちはホムラが本来の海神の力を得られていない事態、そしてホムラの心が主人公のもとにある事態をそれぞれ目の当たりにし、ホムラが海神の力を得ていないのは主人公がホムラをだまして心を奪ったせいだと捉えました(実際はホムラが海神の力を得ていないのは、主人公の心を捧げていないせい=別問題なのですけれども)。そして「海神の力を取り戻すには盗まれた心を抉り出さなければならない」説がリモリア人の間で定着し、これが広く流布する結果となりました。
ホムラはこれを否定しません。それが「心を取り戻す」であれ「信者の心を捧げる」であれ彼女の心臓をえぐる内容であることに変わりはなく、彼にとってそこにさしたる違いはないからです。彼にとってそれはどちらも受け入れがたい・回避するべき道でした(「海神の心を取り戻さないと、火種は消えて、海神は永遠に眠ることになる」だなんて、主人公に発現させてそれが事実なのか主人公の解釈なのかけむに巻くあたり、公式さん、ほんと上手いんよ...…)
ーー寄り道終わりーー

ーーまたべつの寄り道ーー
彼は海神の予言を無理に「書き替えた」とありますが、どの部分をどのように書き替えたかは公式で明らかにされていません。書き替えるとしたら①「海神の力が継承される」部分からか、②海神の継承のために「信者の心臓を貫かなければならない」部分をか、③「心臓を貫かれるのは主人公である」という部分だけか……。②は難しいでしょう。力の継承は過去にも行われてきたもので、継承に必要な要素を変更することは過去を変えることができないのと同様に難しいように思います。過去を変えずに未来だけを変える修正は①か③。でも③はナイでしょうね。主人公の「代わりに別の誰かを」なんてムーブはしないはず。となれば書き替えの内容は①「今後海神の継承は行われない」でファイナルアンサーかなと。これなら当代のホムラの意志だけで十分実現可能に思えます。
ーー寄り道終わりーー

さて、<金砂08>でリモリアの予言を書き替えた時、この時点でホムラは自分と彼女を繋ぐものは海神―信者の契約のみだと思っていたため、予言の書き換えによって彼女とのこれまでの縁を全て失う覚悟を固めていました。彼はひとまず彼女の命が狙われる理由を無くしたうえで、別の闘い、後述する海を取り戻すための闘いに向かおうとしていました。思うに、上手く決着をつけることができたら速攻で主人公ちゃんを口説き落としにいくのでしょうけれど、自分の命が尽きる前に戻れる保証もなく、宮殿に寂しく暮らす彼女の後の人生を守ることもできない、という苦渋の旅立ちだったはずです。なので主人公がホムラを思い出しその旅立ちに同行してくれることになって、それがホムラにとってどれだけ救いになったことか測り知れません。彼は前途多難な道行きに主人公を道連れにすることになってまず彼女のことを心配していますけれど(ほんと君はどこまでいってもそうだよね!号泣)、私としては一つ報われたじゃんよかったじゃん道中支え合って慈しみあいなよ2人の人生謳歌しなよ!と、2人の背中をバンバン叩いて送り出したいそんな気分です。
まあ、砂漠での旅路のその先が既に見えてる当たり、まだまだ一筋縄ではいかないようですけれどね…。<潮汐8:「私たちがを出たのはオアシスを探すためではない、心を取り戻しわれらの信仰とするためだ」>(なんだよ~結局鯨落都で心臓取り出されてるじゃんよ~何があったんだよ~)
海神の力は二度と継承されなくても、そこに海神の心があるならどうにか取り戻したい、そこに海の復活、海神復活の希望がある、とやっぱりリモリア人なら思っちゃうよね、そりゃそうだよね……。(早く早く早く早く、続きを、続きをくれ~~~!)

ーーーさらに寄り道ーーー
現代でも金砂でもその先においても、ホムラの中には彼女から心臓を奪うという選択肢が残されていました。いつかそうしなければならない日が来るかもしれないという意識が常にあったのですね<潮汐><金砂9>。すでに永遠の命を失い時間に限りのある彼は(後述予定)自分の力が尽きた後で彼女が永遠の苦しみに残される事態を避けるべく、最後の手段として自らの手で全てを終わらせるという結末も見据えていたのかなと思います(それは同時に海を復活させリモリアの民の苦しみを終わらせることに繋がりますしね)。このルートも結局、ホムラは自分ではなく彼女のために何がいいかを考えて決めていくんでしょうけれど、そうなったらホムラは自分の寿命もまたずに主人公の亡骸と共に復活した海に帰るつもりだったんだろうな……。
幸い、金砂の時代の主人公が全てを思い出し、のみならず「命すらも捧げる〜世界で最も尊い信仰」を示すことができたので、締結途中で止まっていた海神の契約が前に進み、ホムラはリモリアの予言を書き換えることができるようになりました。
(つまりさーあの歌島のシーン、主人公が信仰示せてなかったらホムラの寿命的にバッドエンドまっしぐらだったわけでしょ?回避がギリギリ過ぎるんよ…怖過ぎるんよ…)
(強欲な人間たる主人公が金砂でようやく信仰示せたのは、それまでの8万年ホムラが一身に無私の愛を注いできたからなんじゃないかな〜、愛の積み重ねが身を結ぶ……尊い…)
ーーー寄り道終わりーーー

2.愛する民のための闘い

ーーーいきなり寄り道ーーー
ホムラって自分自身が海神という立場にありながらも、神という存在の意義に懐疑的といいますか、神の必要性や神に託す人々の在りように疑問をもってますよね。彼自身はとても実存主義的で、今起きていることは目を背けずまっすぐ受け止める、そこから先自分の望む道は自分で切り開く、そのために必要な努力はする、という思考の持ち主です(いや、これを貫けるってマジの有能オブ有能)
そんなホムラですから、当初はリモリアの民を愛しつつも、神として期待される役割にはあまり前向きでなかったように思います。<思念:純白の夜>で語られる「託すというのは漠然としたものでしかない」「神話もおとぎ話も、人間が作った話だ こういう話を作った人達は、自分の力を信じていなかっただけさ」というセリフがとても彼らしいなと思います。
その意識に変化をもたらしたのが同じ<思念:純白の夜>の中での主人公とのやりとりです。ホムラは主人公の思いを通して託す者たちの心を知ることになり、最終的に「希望を託されたものは、その希望を託されることにこそ存在意義がある」「神の形は、人の心から生まれたものだ。彼らが存在するなら人がより幸せになれるよう助けるべき」と、託される側としての意識を新たにしていきます。
つまり彼はただ自分が神だからという理由で信者を助けようとしているのではありません。かれが彼を信じる者たちを助けようとするのは、自分が希望を託されたからです。彼がこの奔走を続ける上では、必ずしも自分が神でありつづける必要はないのです。そう考えるとホムラの<金砂08>での決断は彼にとって極自然な判断だったように思います。
それにしてもですよ、主人公ちゃんによってホムラに変化がもたらされたこのストーリー、なんというかすごく…いいよね…(←語彙)
ーーー寄り道終わりーーー

さて、作中明らかにされた中で、リモリアは3つの喪失を順に経験しています
1.海神の心
2.文明(都市・文化・民)
3.海
リモリア人はこれらを失ったのち、ホムラに何を望み、願いを託しているでしょうか。それは海を失う前後で変わります。

秘話セイレーンの時代、
この時代、リモリア人は海神の心とリモリア文明が失われていますが、海はまだそこにあり、還るべき場所として機能しています。
この頃ホムラは自ら率先して人間を手にかけているのですが、タンレイをはじめとする多くのリモリア人たちは人類に対して攻撃的ではありません。タンレイの「私が結婚したのは、過去を忘れたからじゃない。過去に生きていたくないだけよ...…ここにいるリモリア人はみんな、自分が立ち続けるための支えを探しているの」<深層:花束と挽歌02>という言葉から垣間見えるように、生き残ったほとんどのリモリア人はリモリアが失われた過去を受け入れ、未来を見据えて人間の世界に溶け込むことを受け入れようとしており、ホムラに何か願ったり託したりはしているようには見えません(もっともそういうリモリア人たちの一部は人間を共に眠るべき伴侶と定める=近い未来でその伴侶と海へ還る道を選んでいるので、のちの時代はそうでない人たちが多数派になっていくと予想されます)
ーーー寄り道ーーー
ちなみにタンレイは主人公が不死となりホムラと再会できたことをホムラにとって幸運だとみなしているようです。ホムラが主人公と現代で再会した後「何度もって何よ…だれもがあなたみたいに幸運に恵まれているわけじゃないんだから」<深層:花束と挽歌01>と話しています。彼女はホムラが海神の心を取り返すために主人公を捨てるべきだなんて全く思っておらず、むしろ主人公を永遠の伴侶として迎え、心の支えとするよう諭そうとしています(惜しい、けれど違うんだよタンレイ…ホムラは主人公の本来の姿を愛したいんだよ…主人公の唯一無二の姿はいずれ死にゆくそれなんだよ…)タンレイの目には、可愛い甥っ子が愛を捨てて復讐に明け暮れているように見え、居た堪れないのでしょうね。ホムラはホムラで「リモリアが重要だ」なんて取り繕って本心を全くみせませんし<深層:花束と挽歌02>
ただこれは私の想像ですが、セイレーン時代のホムラの殺しは、復讐を主な動機としているわけではないように思います。復讐心が全くないとは言いませんが、復讐心では動き出せていない様子<秘話セイレーン05>、「セイレーンの歌は復讐の歌などではない。リモリアのために歌われる挽歌だ」<〃>、「僕たちも分かっているんだ。復讐なんて本当は意味がないと」<金砂07>という言い回しはホムラが復讐を動機に活動するような思想を持たないことを示唆しています(そもそも本来平和主義かつ現実主義であるホムラが、意味も目的もなく恨みのだけに人間を殺めて回るというのはあまりにもらしくない気がします)。
彼の動機はどちらかというと、今後も狙われ続けるリモリアの民を守るためと、そしてなによりも、当時所在のわからなくなっていた主人公の情報を探すためだったんじゃないかなと。私の主観ですが、喪失感と焦燥の上に冷たく硬い決意の蓋をして「いつ崩れてもおかしくなさそう」だった頃<秘話セイレーン02>と比べて、主人公の所在を把握した後のホムラからはそういう脆さが無くなってるような気がします。探し続けていた主人公をついに見つけられたことでホムラは余裕のない殺しのフェーズを終えたのではないでしょうか(もっとも<深層:砂に沈む遺跡06>で明らかになっている通り、主人公と他のリモリア人を守るための殺しはその後も変わりなくも続けていくのでしょうけれど)
ーーー寄り道終わりーーー

そして金砂時代、
海が失われ状況は大きく変化します。
海の喪失はリモリア人にとって単に故郷の喪失を意味するだけではありません。彼らにとってそれは還る場所の喪失=過去および未来に眠る同族や愛する者たちからの永遠の断絶を意味します(ちょうど海があった時代の泡と化す死と同じように)。
この時代、アモンを代表するリモリア人たちは、ホムラが海神の書に則って主人公から心を取り戻すことに期待しています。とホムラが海神の心を取り戻すこと=海神の力を取り戻すこと=海を取り戻すことだと考えているからです。(一方でお前の判断に任せるって発言するあたり、ほんとリモリア人って相手をおもんばかる優しい優しい種族ですよね。普通言えないよ。。。)<金砂>
一方でホムラは海を復活させてリモリア人を海に帰すことを決意していますが、主人公を死なせるつもりはなく(加えて海神という存在を必要だと思っていないので)海神の心を取り戻すつもりもありませんでした。ホムラは海神の力を得ないまま自分自身の力で海を取り戻す方法を模索しており、
金砂の終盤においてはリモリアの予言を書き換えて海神の継承を無くし、自分が主人公の心臓を抉って海神の力を得るという選択肢を完全に捨て去りました。
今後海をどう取り戻していくかは今後のアップデートで語られる話になるのかな?と思います。がこの海を取り戻す闘いの結末は既に予言されているので安心してみていられるな~と思っています<思念:探す旅>(ホムラ!やってのける男!)


好き放題語っていますが、ついてきてくださってる稀有な方はいらっしゃるでしょうか(ありがとうオブありがとう!)
上の考察で前置きなしに登場させちゃっていますが、ホムラと主人公の縁を結ぶ契約について、遅ればせながら考察をまとめますね。

ホムラと主人公を結ぶ3つの重要な約束・契約

ホムラと主人公を結ぶ約束・契約は現時点で確定しているものが2つ、加えておそらく全ての始まりにもう1つあると思っています。1つ目が二人の縁を結び、2つ目が二人を永遠に結ぶものとなりました。3つ目の契約は金砂まで不成立→一時的に成立した後、最終的には契約そのものがなかったことにされました。

1. 最初の出会いで交わした約束【成立済】

これら私が想定している全ての始まりの約束です。潮汐の章の最初に主人公が生贄として海に投げ出された時にその場にホムラがいた理由であり、突然の出会い(のように見える)にも関わらず彼が彼女を信者にしようとした理由です。内容は明らかにされていませんが締結の言葉に続いたセリフが「約束だよ。君が来なかったらどこまでも君を追い続けるから」<本編7-11>なのだと思っています。
 2人の縁の始まりは<夜遊びの章>で既に語られています。最初の出会いはホムラが浅瀬で座礁し(幼年ホムラの潮汐逆流初体験だった?悪い人間の罠に捕らわれた?など妄想)主人公に軽い親切心で助けられるというものでした。おそらくこの恩を受けたタイミングでいきなり「僕の信者は君がいい」とくるか「僕の信者にしてあげる」となるか、主人公の不自由な境遇を見て「君が逃げたくなったときは僕が逃がしてあげる」的な恩返しでくるか、いずれにしても何某かの約束を一方的に取り付けたのかなと(←なにせホムラなので)。そして主人公はそんなことはいつもの親切に過ぎず気にも留めずに忘却したのかなと(←なにせ主人公なので)。
そしてこの幼い日に結んだ約束が青年期の2人の出会いを定め(主人公の生贄ピンチにホムラを駆けつけさせ)、その後の未来に繋げていったのだと思っています。

2. 2人で心を交換し合う契約
→ のはずが主人公の心に準備が整っていなかった結果、ホムラの心を主人公に与える契約【潮汐時代に成立済】
→ 心を交換し合う契約【金砂時代に成立】

これはリモリアの海神祭前日に2人が内容を定め、海神祭中に交わした契約ーただし本来海神祭で交わされるべきものと異なる2人のオリジナルの契約です。この契約がこの時から金砂以降まで、二人の縁を結び続けています。一方は神、他方は人間という本来アンバランスな関係であるにも関わらず、2人が対等でありつづけることが定められたホムラの愛が溢れる契約です。
ちなみにその内容はこうです↓
「最も敬虔で唯一無二の信仰が欲しいなら......それ以上に特別で唯一無二のものと交換しなきゃね。」「じゃあ、心をあげるよ。受け取ってくれる?」<潮汐7>
(これ、初見時心の中で叫ばずにいられなかった。「うおーい主人公ちゃん!強欲な人間ムーブでてるよ!見返りを求めてるそいつはどうみても最も敬虔な信仰じゃないよ~!君まだそれもってないよ~」って。)
主人公ちゃん、契約の締結時点では明らかに「最も敬虔な信仰」を所持してません。にもかかわらず心を「交換」ではなく「あげるよ」と言ってしまったホムラは一方的に心をあげる事態に…。そして心の交換は主人公ちゃんの心に最も敬虔な信仰が生まれる時まで持ち越しに…。金砂時代、主人公に最も敬虔な信仰が生まれた時、双方向の交換が初めて成立したのです。

ーーー寄り道にもなりきれない覚書ーーー
主人公はなぜこの時まで記憶を取り戻せなかったなかったのか。不明。
海神の書の石板の存在を感知できることがトリガーだった?
契約&最初の死以降、歌島には来れたことがなかった?
(歌島の場所はいつからかリモリア人にも分からなくなっていた?)
鯨落都には現代も来たことがあったはずだから、歌島と鯨落都は別の場所。
海神の書を用いた契約は鯨落都でむすばれたはず。
ではなぜ海神の書が歌島に?リモリア虐殺時に奪われた?
でも歌島のその場所を彼女は夢で見たことがある(=過去に来たことがある?)
歌島は主人公が当初幽閉されていた海神信仰の島?
リモリアに牙をむいたのは海神信者の人間たち?
海神の伝説の始まりの場所。とはどういうこと?
ーーー覚書終わりーーーーーー

3. 海神と敬虔な信者の契約
【金砂まで不成立→金砂で一瞬成立→消失】:

こちらが本来リモリアの海神祭で結ばれるはずだった契約ー海神が「海風が吹く全ての土地」<潮汐02>を守るために、信者が海神に最も敬虔な信仰を捧げる契約です。次代海神が海神の力を継承するために必要なステップとなります。2の契約が双方向の契約であるのに対して、この契約は信者が海神に一方的に心を捧げるものです。
この契約の本来の用いられ方はこうです→ 海神の継承の儀式の中では①まずはじめに次代海神とその信者がこの契約を交わします。②海神と契約を交わした信者は海神の書と会話できるようになり=次代海神が海神の書を読むことができるようになります(これはおそらく通常は海神にとって唯一の海神の書を読み書きする機会であり、海神はあまたある予言の中の一部を記憶してリモリアへもたらします。海神に命を捧げる信者にとってのこの機会は死ぬ前に未来の世の安泰を約束されるご褒美的位置づけかと)③その後信者は海神に口づけし、次代海神は信者からの口づけを受けながら「彼女の心臓を抉り出」して真の力=海神の全ての力を継承し正式な海神となります<金砂7>
一方でホム主の場合、潮汐時代に①の契約を交わそうとするもののそもそも主人公ちゃんは「最も敬虔な信仰」を所持していません。(本来あるべき一方的に心を捧げる姿勢を見せずに見返りを求めちゃった!まさに強欲な人間ムーブ!)ホムラはホムラで本来結ぶべき①の信者から海神への約束を受けるんじゃなくて②の心の交換の契約(しかも自分から主人公ちゃんへ約束部分のみ)を結ぼうとしていた気配があります<潮汐09:「これは僕から君への約束だ」>。なので①の海神―信者の契約は結果として不成立となりました。けれどホムラと主人公の間には既に別に契約=心の交換の契約が結ばれています。「海神と契約した」という条件を満たしていたので②の海神の書を読むことはできました。ホムラはこの時初めてそれまで先代以前の海神が伝えてこなかった継承の流れ(心臓を抉りだすくだり)を知ります。①の契約が成立していればこの時点で予言の書き換えも可能だったのかもしれませんが、「最も敬虔な信仰」を得られていないこの時の彼に海神の書の予言を書き替える力はありませんでした。ホムラは彼女を陸に帰すと約束しており、彼女の心臓を抉るというつもりは毛頭ありませんこのため、彼は海神の継承の儀式を最後まで遂行することをせず、彼女をリモリアの民から隠し、継承の儀をさながら無事に終えたフリをしました。

ーーーちょっと寄り道ーーー
疑問)海神の書に心臓を奪う未来が書かれているのに、なぜホムラは主人公と海神―信者の契約を進めようとしたのか 
→ リモリアの予言は当代の海神にしか読めず持ち帰る内容に限りがある

海神は最も敬虔な信者が傍にいないと海神の書を読むことができません。海神と信者の血を合わせかけないと石板に文字は浮かび上がらないためです<金砂8>(蛇足ですが人間は古代リモリア語が分からないので、実のところ海神にしか読めません)。さらに言えば通常の海神祭では信者は予言の内容を教えてもらっても海神祭の終わりまでには心臓を捧げ他界する運命です。なので海神がリモリアの予言を読むチャンスは通常一代で1度きり。リモリア人に伝えられる予言は全て、海神が継承の儀式の最中に読んだものを選び伝えたものと思われます。何を伝え何を伝えないかは海神の御心のまま、海神の立場からするとリモリアの民にとって重要な予言(リモリアの未来に関わる予言)を持ち帰ることを優先し、神と信者の間の儀式の手順なんてのは些末なものとして伝えられずに来たのではないかと思います。前代までの海神は神と信者の契約を疑問に思うこともなく遂行してきたのでしょう。ホムラは信者を愛しちゃったのでビッグプロブレムとなったわけです。
つまりホムラは知らなかったのです。海神の継承の儀式の最中海神と信者二人きりになったときに何が行われるのかを。そして他のリモリア人もそれを知らなかったので、儀式後に彼女を隠したホムラのごまかしがうまいこと通用したわけです。
ーーー寄り道終わりーーー

そして金砂の時代。主人公ちゃんはついに「最も敬虔な信仰」を胸に宿します。ホムラのために海神の心は返していいし自分の命をなげうっていい、と言えるようになりました。最も敬虔な信仰を捧げると宣言する信者を得て、ホムラはついに予言を書き替える力、選択肢を手に入れます。ホムラは主人公の心臓を抉る未来を語る海神の継承の儀式を後の世から消失させ、結果海神―信者の契約そのものの存在を無きものとすることができました。

潮汐時代から金砂時代に至るまで、ホムラは海神―信者の契約のあるべき形(信者が見返りなしに心身を捧げ、海神は海陸への祝福を約束する形)をちゃんとわかっていなかった節がありますよね。潮汐時代、彼は海神継承の儀式の中ですら心の交換の契約の内容で契約を取り交わす気満々でした。彼らが結んだ心の交換の契約=海神―信者の契約だと思い込んでいたようです。だから金砂時代、リモリアの予言を書き替え、海神の継承を消失させたとき、ホムラは彼と主人公との唯一の契約と二人を結ぶ縁をすべて破棄する覚悟だったわけです。
海神―信者の契約が成立・消失したと同時に、完全に成立した契約があります。これまで部分的に(ホムラが一方的に心を上げる形で)成立していた心の交換の契約です。主人公の中で「最も敬虔で唯一無二の信仰」が生まれ、ついに「最も敬虔で唯一無二の信仰が欲しいなら......それ以上に特別で唯一無二のものと交換」<潮汐07>が成り立つ条件が揃いました。<金砂09>で「彼は心の中で何かが少しずつ成長していくのを感じていた。苗木のようであり、藤蔓のようでもあるそれは、徐々に彼の魂に絡みついていく」とありました。主人公の心がホムラに捧げられ、その魂に深く結びついたのです。
<潮汐09>でホムラが主人公に心を捧げた時の「その細い糸は私の手のひらに埋め込まれ、新たな掌紋を成し、私の命と魂の一部となった」の描写と地になっています。(<金砂08>で海神―信者の契約が消える時、魂に埋め込まれた何かが抜け落ちるような描写はありませんでした。主人公に渡された心は海神―信者の契約消失後も引き続き彼女の魂にしっかり残っているはずです)
つまり潮汐時代から金砂時代を経てなおも二人を結ぶ縁は、海神―信者という立場による契約ではなく、ホムラと主人公というお互いを対等に見合って交わした契約に基づいているのです。しかもそれはホムラが8万年の時をかけて実らせた縁なわけで。そんな縁、尊すぎるじゃん最強じゃん。もう、ただただ推すよ…ただ推すよ…。

ホムラは海神なのかという話

これまで記載してきたように、私はホムラは当代海神でありながらも本来の海神の力を得ていない状態だと考えています。海神の力の継承を終えていないからです(主人公に心を与えたからではなく)
ホムラの海神の継承の儀式は途中まで進められたものの、海神―信者の契約が不成立のために途中で中断されました。そしてこの契約がついに成立した金砂時代には直後に海神の継承そのものとその流れの中に織り込まれているであろう契約がまるっと削除されました。ホムラは海神としての力を部分的には得ながらも、本来海神として得られたであろう力は未来永劫得られないことになりました。
<潮汐>でホムラが先代海神の火種を吹き消した時から、海神の火種は消えたまま灯されていません。<潮汐09>で儀式の終わりに灯された火種のようなものは海神の火種ではなく、継承の儀式を終えていないことをごまかそうとしたホムラ個人のEvolの炎なのだと考えています。
ごまかしの代償は大きく、アソが「この炎を失うとリモリアは光を失い何百世紀もの眠りにつく」<潮汐02>と述べていた通り、火種を失ったリモリアはその後滅亡し何百世紀もの間失われることになります。(金砂の時代、8万年=800世紀は少なく眠り続け、いよいよ予言されたリモリアの再生は近いって感じがしますね!残り199世紀を近いと表現するってのもあれですが)<金砂>でアモンが「お前は海神ではない」と言ってるあたり、ホムラに海神の力がないことはリモリア人の間にも知れわたっています。災厄の日にリモリアを守れなかったその時に、リモリア人はホムラに海神の力がない事実に気づいたのかもしれませんね。

ーーーちょっと寄り道ーーー
アモンが「彼女がどのようにしてあの心を手に入れたのか、忘れてはいまいな?」<金砂06>と話すように、リモリア人の間では海神が主人公に心を"奪われた"、"主人公に騙された"と認識しているようです。その解釈がどこから生まれたのかは今のところ描写されていませんが、ホムラが海神の力を失っている、ホムラが主人公に一方的に心を捧げている、主人公から敬虔な信仰が提供されていない、なんてところを見てしまえば、まあそう思ってもおかしくありません。
ただ、どうなんだろう?ホムラは主人公に「騙された」と思っているんでしょうか?そうは思っていない気がします。ホムラが主人公に対してやるせなさを噴出させるのはいつも"忘れたこと"に対してであり、"騙そうとした"、"欺いた"と認識しているシーンは出ていません。そもそもホムラの性格や愛の深さを思うに、彼は"こっちは心をあげたのに向こうはくれなかった!"なんて損得勘定で考える男じゃないように思います。彼ならきっと"自分が愛したから心を捧げた。以上。"、って感じで見返りを得られなかったことについて"騙された"と騒ぐことはないんじゃないかな。もちろん愛し合いたい思いは一貫して持ち続けているのでしょうけれど。
たぶん「心を奪われた」「人間に騙された」という出来事は事実としてあるんですよ。ただ、その実態は「主人公に心を奪われた」「主人公に騙された」ではなく、ホムラが「心=主人公を奪われた」「(主人公ではない)人間に騙された」ということなんじゃないかなと。そんな妄想をしています。
ーーー寄り道終わりーーー

ホムラは1BODY1人格だろうという話

少し話題を変えて、ホムラは転生をしているのか?という話。巷ではホムラや他のリモリア人が転生を繰り返しているのではないかという予想がありますが、私個人としては生まれ変わりはしておらず、1Body1人格だと思っています。そう考える理由はいくつかあります。

リモリア人は転生(with記憶継承)するのか → しないっぽい

初めにそもそもリモリア人に転生があるのかを考えます。以下の3つを考えると少なくとも記憶付きの転生はしていなさそうです。
①「海と一つになって永遠性を得る」という死生観がある
 ― リモリア人のこの死生観は生まれ変わりを前提にすると生まれ得ないものでしょう。仮に、海と一つになり別の存在になりを繰り返すことを永遠の命と呼ぶのならそれは既に永遠の存在で在るので、海と一つになることを「永遠の命を得る」という表現はしないはずです
②リモリアの都市に子世代を教える学校がある。
 ― リモリアにはアソや他の子供たちが通う学校がありましたね。これは彼らは生まれてきたときには知識がない。生まれ変わりによる知識の継承がないことを示しています
③高度な文明を持っていたはずの古代リモリアが虐殺後なぜか復興できていない(人はそう簡単に深海に来れないはずなのに)
 ― これは根拠としては弱い、その他の事情も多々ある&今後出てくるんだと思うんですけども(火種の話とか)。文明をつかさどる大人たちが大勢殺され都市文化を維持できなかったのが大きいのではと思ってます。結婚式に集まれる程度しか生き残りがいないって、どんなにリモリア人が長寿だったとしてもその人数で高度な文化・技術の継承は無理だよね。

ホムラは転生するのか → してないっぽい

ではホムラは海神の力によって転生するのか。
<夜遊びの章>で800年待ち続けたとプンスコしているホムラさん。800年待ち続けた記憶を持っている彼は、少なくとも800年生き続けていますよね。少なくとも24歳ではありません。彼はいつから彼の人格で生きているのでしょうか。
リモリア滅亡から現代まで → してないっぽい
ホムラには肉親がいます。叔母のタンレイです。<深層:花束と挽歌02>でタンレイの結婚式に出席したリモリア人たちは、彼女が海に暮らしていた時代を知っています。リモリア人に記憶を受け継ぐ転生がない以上、彼らは古代リモリア時代から生き続けているとみてよさそうです。「リモリアの生存者はほとんど全員が出席していた」という表現もこの見解を支える一文になりますね。肉親や他のリモリア人がそうである以上、ホムラも同様であると考えるのが自然です。
②先代から潮汐の時代まで そして金砂まで→ してないっぽい
ホムラの認識では先代の海神はすでに死んでいますよね<潮汐7章:「同意を求めていたら先代の海神と面会していただろうね」>。ホムラにとって先代とホムラはそれぞれ別の存在で、ホムラが生きている今、先代は死んだままです。転生していたらこうはならないはずです。
さらに言えば先代の海神が「"次"が最後の海神」になるといったのであれば、潮汐ホムラ以降最後のホムラに至るまで、その間に死と再生を挟んではいけないはずです。そうでないと先代がホムラを「次」と呼び、次のホムラが「最後」であることが矛盾になりますから。次の次の次…なホムラが生まれることはないはずです。なので潮汐時代から金砂時代まで、ホムラは8万年の時を越えて、ずっとずっと生き続けていると思われます。(8万年……ホムラの周囲に同じ時を過ごす同族がいることが救いだけれども。それにしたって誰にも分かつことのできない苦しみと重責を背負っての8万年……しんどすぎるわ……)
③ホムラの肉体が永遠性を持っている
<香り纏う夢>のなかで、ホムラは薬の材料として「永遠に流れる水の流れ」を捧げています。血の流れが途絶えない=基本的にその身体が終わりを迎えることがないと言えます。生まれてから永い永い時を過ごしいつか最期の日を迎えるまでホムラは1つの身体で生きているはずです。

ーーーちょっと寄り道ーーー
Sarah Brightmanの謳う"Love And Deepspace"のOfficial Music Video。
当初見た時は"Free from the rule of death now seems so dull." のタイミングで映るのはなぜセイヤじゃなくホムラなんだろうって思ったんです。でも今は納得。セイヤがフィロス星で生まれたのなら、ホムラはセイヤよりはるかに長生きですよね。8万年はやべー。

Sarah Brightman: "Love And Deepspace" Theme Song Official Music Video
https://www.youtube.com/watch?v=urONohYpdVA

ーーー寄り道終わりーーー

でも老いたり若返ったりしてるじゃん → たしかに

ホムラは作中少なくとも3回、「約束だよ」の時<本編7-11>、リモリア滅亡の時<セイレーン05>、金砂の過去話<金砂03>、金砂の先の話<潮汐09>で少年の姿で登場しています。一方アモン長老は潮汐・金砂の両エピソードで年老いた見た目で登場します。「ホムラやリモリア人が転生している」説においてはこれが強い根拠とされていそうですね。それはほんと、確かにって感じ。
 これは転生してない説を掲げる立場からの妄想ですが、リモリア人は自らの姿形をある程度自分の意思でコントロールできるのではないでしょうか。本編7章でホムラは結構すんなりと人間→人魚に姿を変えていましたよね。リモリア人は、人魚←→人間、人間(深海適応Ver)←→人間(陸地適応Ver)の変化・適応をたやすく行なう技術を持っているわけで、それができるなら、少年←→老体の変化もそれほど難しくないように思います。
 妄想を重ねますが、リモリア人は人間の世界で永い時を過ごす中である程度見た目の年齢を操って人と同じように過ごし、ある時身体の年齢と身分を変えてその正体を隠しているのではないかと思っています。ホムラも同様に人間の世界に潜伏する中で適宜姿を操って過ごしてきたのではないか(オペラ歌手MoAから歌手ホムラに身分を変えた時にも年齢を若返らせたことで、両者の関連性を疑われずに済んだのでは?)現代や金砂では自分の年齢を主人公の年齢に合わせているのではないか?というのが目下の想像です(もっとも座礁した幼年期はガチの幼年期だったのでしょうから実年齢より上にはなれないのかもしれませんね)。アモンは代々「長老」という役職を引き継ぐ家柄です。老いた姿形をとった方が立場上収まりがいいのかなと思っています。彼、見た目が嘘みたいに声がめちゃめちゃ若いじゃないですか。本当はホムラと同じように若い姿もとれるのだ、ということを示唆するためのあの声なんじゃないかな~と思ってます。

ホムラに残された寿命

さて、以上のようにホムラとリモリア人は8万年という永い時を生きてきたと考察できるわけですが、金砂の時代には、彼らがなにやら時間的に切羽詰まっている様子が見られます。アモンの「火種はもう持たない...…残された時間はどれくらいだと思っている?これはリモリアにとって最後のチャンスなのだぞ」というセリフやホムラの黒く染まった炎にわずか残る小さな光が危機感をあおりますよね<金砂2>
では何が迫っているのか。
ホムラの寿命が尽きようとしています(私の解釈ですよ)
まあ尽きようとしているとはいえ、8万年生きた時間間隔での"残された時間"なので、人間の寿命なんぞよりははるかに長いんでしょうけれど。
彼が永遠に生きられる身体を失い、限りある命となった場面は<思念:香り纏う夢>の中で描かれています(個人的にはこの思念、伝説級に重要なエピソードだと思ってるんですけど、ほんとなんでこんな重要な話が普通の思念に紛れてるんでしょうね!謎!)

<思念:香り纏う夢>の中でホムラは薬の材料として3つの素材を、
ー「永遠に月のように輝く宝石」として「首筋の」「最も貴重な鱗」を
ー「永遠に途絶えることのない水の流れ」として「永遠に流れる」「血」を
ー「永遠に途絶えることのない潮騒のような素敵な声」として「歌声」を
提供しました。これは、歌を録音しておしまい、小瓶に入る分の血を失っておしまい、なんて簡単に済むようなものではありません。その素材の源となる本質的な何かが失われます。エピソード内では、薬が使われその効果を発揮した瞬間からホムラの声が掠れていますよね。これは魔法薬が発効=魔法の素材が消費されたことによりホムラの潮騒のような素敵な歌声が消費され永遠に失われたこと、そして歌声以外の素材においても同様に大きな代償を払うことになったことを示しています。
ホムラは主人公を人間に戻すために「永遠に途絶えることのない水の流れ」=永遠に生きられる身体を代償として支払い、限りある命となったのです。

ーーーちょっと寄り道ーーー
血で永遠の命を失い、鱗と歌声を捧げてホムラは何を失ったのでしょうか。
「首筋の」「最も貴重な鱗」はホムラの武力を象徴するものだと解釈しています。<金砂の章>ではリモリア人は逆鱗を抜くと簡単に手懐けられると述べられており、<潮汐の章>でホムラは「その鱗は最も鋭い武器となる」と述べています。首筋の鱗=逆鱗は闘う力の象徴であり、それを失うと闘うことができなくなり従順になる。逆鱗を捧げたホムラは次代海神のもつ本来の武力を失ったのではないか(そしてその結果としてリモリアを災厄から守れなかったのではないか)と思っています。
「歌」で失ったものは明瞭ですね。ホムラの歌声は呪われました。本来リモリア人の歌声は人を魅了するものですが、ホムラの歌声は人に死をもたらすものとなりました。さらには歌うこと自体がホムラの身体にダメージを与えるものとなり<セイレーン01「喉から伝わってくる焼けるような痛みが鼓動と呼応し、ずきずきと神経を刺激する」>ホムラはリモリア人でありながら歌う喜びを永遠に失っています。
ーーー寄り道終わりーーー

<金砂02>の時代、火種を失ったリモリアが永い眠りについてからゆうに800世紀を越えたこの時代、いよいよホムラの寿命は尽きようとしています。アモンが「火種はもうもたない」といった"火種"とは、潮汐時代に輝いていた海神の火種のことではありません(その火種が消えてしまってリモリアは滅びたのですから)ホムラの命、ホムラの炎、海神の火種を復活させうる唯一の希望が「もうもたない」のです。都市リモリアを失い、還るべき海を失ったリモリア人にとって、海神たるホムラの存在は唯一の希望の光であるはずです。そのホムラがリモリアの火種を復活させられないまま息絶えようとしている。そうなったときリモリア人に残されるのはただ、絶望のみです。
リモリア人の立場からすると、なんとか海を取り戻したい、何とかホムラに海神の力を得てほしい、たとえリモリアの予言が書き替えられていたとしてもホムラが主人公の心を抉り出しさえすればワンチャン海神の力が宿るんじゃないか(何やらホムラと主人公の間にはいまだに何か契約が生きているようだし)という風に考えるのは自然ですよね。金砂以降もそのワンチャンを狙ってホムラの説得を試み続けるのだろうと思います(そしてどういう流れでかはわからないけれど<潮汐09>の夢が現実となる......)
ホムラは何を考えているだろう。捨て去った力に頼ることなく、海神不在の海を復活させる方法を求める旅に、何か望みはあるんでしょうか。歌島は見つけた今、次に鯨落都を見つけることで何を変えられると考えているんでしょうか。聡いホムラが何の根拠も希望もなくただ彷徨うとは思わないけれど、それにしたって情報がなさすぎます。共鳴をもつ主人公が同行することで希望は広がるのでしょうか。このあたりの話がどう転がっていくかはやはり今後の伝説待ちですが、最終的に海が復活しリモリアの民が海に還る未来は<探す旅>の中で予言されています。「最後の海は...…大きな代償を伴う」そうですけども。放浪者は「ナイフを握りしめる」そうですけども。
復活した海にホムラと主人公はたどり着けるのでしょうか。
そのナイフが「愛という名」であることに希望を見出して、次なる伝説を、座して待ちます(涙)

ホムラさん時系列

わーん!
ほんとはホムラまわりの時系列までまとめたかったけど、時間がないよー!
大型アプデ前の今時点での思考ログとして何とかまとめたい!
また次回!!

読んでくださった方!ありがとうございました!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?