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カラダの中にあるダンス

今週の幼稚園年中さんのクラスでも、
先週に引き続き、

『音を描く、絵を踊る』

というワークショップをやりました。

先週、音を拾って、耳の中に集めてきて、
それを絵にしてみる、というあそびをした事を
覚えていた子たちは、

「もう始めてもいーい?」

と待ちきれない様子。
このあそびが気に入ってくれたようで、
もっとやりたい!という気持ちが
溢れています。

今回は、できあがった絵を、
楽譜のように使って、動きにしてみました。

聴こえてきた音がシュッと
軽い線で描かれているなら、
軽くて、素早い、流れのある動きに
なるかもしれないし、

太く力強い線なら、
動きも重く、遅く、どっしりした
動きになるかもしれない。

その線をどう解釈し、
どう動きという方法で体現するかは、
その子次第。

先週よりも、いろいろなタッチで描くYくん

そこには、もちろん、
正解も不正解もないのです。

まずは、私が自分の絵を観て動いてみます。
これは、決して『正しい見本』を見せるため
ではありません。

私は、アーティストの役割というのは、
子どもたちに、

「まだ知らないこと」や
「出会ったことないもの」

あるいは、

「それって本当にそうかな?」

という問いを、投げかけ続けることかなぁ、
と考えています。

普段子どもたちの中にある「あたりまえ」が、
そうじゃないものに変化したならば、

世界がちょっと違って見えたり、
いろんな事に対する感じ方が、
変化するかもしれないから。

あるいは、その子の中にある何かが、
確信に変わるかもしれないから。

そのために、こういうワークをする時は、
まずは私自身が面白がって、
できる限りいろいろな事をやってみる。

自分自身のためにも、
ああかな、こうかな、と
いろいろ試してみる。

そうすると、子どもたちからは、

びっくりしたような、
嬉しくなったような、
楽しくなったような、

なんとも言えないステキな笑顔や
笑い声、拍手なんかが起こります。

そして、「やってみたい人!」と
私が言うと、はいっ!とたくさんの
小さな手が挙がります。

恥ずかしがりながらも、勇気を出して、
自分からみんなの前に出てくるEちゃん

私に当てらあれると、
ちょっと恥ずかしそうに、
ドキドキしながらみんなの前に出てくる。

でも、カラダは早くやってみたくて、
ワクワクで溢れてしまっています。

しかし、実際のところ、
このワークを今回生まれて初めてやった
子どもたちから出てきた動きは、

驚くほど小さかったり、
驚くほどあっという間に
終わってしまいましたのです!

でも!

例え小さくたって、短くたって、
みんなのその小さなカラダの中には、

確かに、ダンスが生まれていました。

ダンスというのは、自分のためにやること。
自分の中にある真実を、確かめるためのもの。

初めての行為に対する
戸惑いや緊張はあったとしても、

自分にどんな音が聴こえてきたのかを、
カラダや動きで、味わってみたり、
もっと理解してみたりすることを、

前に出てきてくれた子たちは、
確かに楽しんでいるようです。

この時、

大人の目が、何を観ようとするか

これが、とてもとても大切だと思うのです。

「動きが小さいな。もっとハッキリ!」
「えー、短いな。もっとちゃんとやって!」

などと、言いがちな気がします。
だけど、このクラスの担任の先生は、

「あー!確かにそう言う感じの線だね!」
「うんうん!その感じ、よくわかる!」

と、子どもたちといっしょになって、
嬉しそうに、楽しそうに、
子どもたちに声をかけていらっしゃいました。

担任の先生が、面白がってくれることで、
安心して自分の世界に没頭するSくん

クラスが終わった後も、

「みんなすごいですね〜!」と、

心から感動していらっしゃる。

こういう先生ご自身の豊かな感性が、
子どもたちの豊かな表現や、
やってみたい!という気持ちに繋がってるな、

と、私も感動したのでした。

カラダの外まで出てきたダンスも
もちろんステキだけれど、

子どもたちの
小さなカラダの中で起きているダンスも

決して見逃さない、
この素晴らしい担任の先生といっしょに、

これからも子どもたちと
表現あそびの世界を楽しんでいきたいと、

幸せな気持ちでいっぱいになったのでした。

Sayaka

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