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脱炭素の切り札!都市ガス各社が進めるメタネーション技術とは?

【都市ガス各社がメタネーション技術の開発を進める】


温暖化ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現に向け、都市ガス各社は水素と二酸化炭素(CO2)から都市ガス主成分のメタンを合成する技術「メタネーション」の開発を進めています。これにより、既存のインフラやガス機器を活用できるため、脱炭素の「切り札」として期待されています。

【メタネーション技術について】


都市ガスの主な原料は化石燃料の液化天然ガス(LNG)です。石炭や石油に比べて少ないが、ガス燃焼時にCO2を排出します。メタネーションは、発電所や工場などから回収したCO2を原料に使えば燃焼時のCO2と相殺され、実質排出量ゼロになる仕組みです。

【東京ガス横浜テクノステーションに実験製造設備】


東京湾に流れる鶴見川の河口部に東京ガス横浜テクノステーション(横浜市鶴見区)があります。そこには、メタネーションの実験製造設備があり、各界からの視察が相次いでいます。

【実験製造設備の構成】


実験製造設備には、日立造船製のメタネーション装置(高さ13メートル)があります。合成メタン(e―メタン)の製造能力は毎時12.5立方メートルで、横長の水素タンク、CO2タンク、e―メタンをためるタンク、太陽光発電装置などが並んでいます。


【e―メタンの品質について】


e―メタンは、水素と二酸化炭素を合成させて作ります。その品質について、メタネーション推進グループマネージャーの小笠原天然ガスと同じような品質であり、既存の都市ガスのインフラやガス機器を活用できるため、実用化に向けた課題をクリアする重要な要素の1つ」とコメントしています。


【今後の展開】


都市ガス各社は、メタネーション技術の研究開発を進めるとともに、実証実験を実施し、実用化に向けた課題をクリアしています。今後も、より効率的な技術開発や普及に向けた取り組みが期待されます。また、政府もこの技術を積極的に支援し、2021年度補正予算において、メタネーション技術の普及に向けた取り組みに110億円を計上するなど、支援策を打ち出しています。

以上、メタネーション技術についての詳細について解説しました。今後も温暖化対策に向けた技術開発が進められ、社会の脱炭素化に貢献することが期待されます。

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