見出し画像

「鳥取市」国から選ばれたSDGs未来都市

鳥取市は、国から選ばれた「SDGs未来都市」で、産学官の連携による「自然エネルギーの創出と活用による農村イノベーション」の実現を掲げています。重要な事業の一つとして、微生物発電の実用化を目指した実証実験が、市内の耕作放棄地で進められています。

この実証実験は、鳥取再資源化研究所(北栄町)が、鳥取市や大手商社の丸紅(東京)、山口東京理科大学(山口県山陽小野田市)と連携して進めており、同市鹿野町の耕作放棄地に水が張られ、64基の燃料電池が設置されています。

また、鳥取県では、「鳥取県公共施設等総合管理計画」とあわせて、「鳥取県インフラ長寿命化計画(行動計画)」を策定し、既存インフラ機能を確保し、適切な維持管理と長寿命化対策による維持管理費や修繕・更新に係る費用の縮減と平準化を図っています。


微生物発電

鳥取市では、微生物発電の実用化を目指した実証実験が、市内の耕作放棄地で進められています。市によると、微生物の中には土や泥に含まれる有機物を分解する際、電子を発生させる種類があります。市が実用化を目指す微生物発電では、このタイプの微生物が多く付着する多孔質ガラス発泡材「ポーラスα」を使った燃料電池を作ることで、従来のものより多くの電気を発生させることを狙っています。

「ポーラスα」は、県と共同開発した鳥取再資源化研究所(北栄町)が、鳥取市や大手商社の丸紅(東京)、山口東京理科大学(山口県山陽小野田市)と連携して進めており、同市鹿野町の耕作放棄地に水が張られ、64基の燃料電池が設置されています。

同研究所と同理科大が連携して実施した実験では、「ポーラスα」を使った燃料電池は、発電能力が最大で約10倍高くなることが示されています。今回の実証実験では、実際の田んぼでも同様の発電能力があるかを確かめるのが目的です。鳥取市によると、発電能力を10倍にできれば、100平方メートルの田んぼで一般家庭1世帯の消費電力(1カ月あたり400キロワット時)をまかなえるということです。


鳥取県インフラ長寿命化計画

鳥取県では、「鳥取県公共施設等総合管理計画」とあわせて、「鳥取県インフラ長寿命化計画(行動計画)」を策定し、既存インフラ機能を確保し、適切な維持管理と長寿命化対策による維持管理費や修繕・更新に係る費用の縮減と平準化を図っています。この計画は、社会資本の整備に取り組んでいるもので、国土交通省中国地方整備局が関与しています。


鳥取県公共施設等総合管理計画

鳥取県は、「鳥取県公共施設等総合管理計画」を策定しました。この計画は、本県の公共施設等の全体を把握し、長期的な視点をもって長寿命化・更新・統廃合等を計画的に行い、財産負担を軽減・平準化するとともに、公共施設の最適な配置を実現することを目的としています。今後も、県が保有している公共施設等は県民の皆様の重要な財産であるとの認識の下、本計画に基づき公共施設等のより一層の有効かつ適正な維持管理・活用に取り組んでいく予定です。


ポーラスα

「ポーラスα」は、鳥取再資源化研究所と鳥取県が共同開発した多孔質ガラス発泡材です。家庭から出るガラス瓶などを砕き、発泡剤となる貝殻などを混ぜて約1000度で焼き上げることで生成されます。

この素材は、微生物発電において、微生物が多く付着することで、従来のものより多くの電気を発生させることができます。また、節水型農業のための土壌改良材としても使用されており、サハラ砂漠に近接する半乾燥地帯のモロッコでのトマトやインゲン栽培に試験導入され、良好な成果をあげています。



鳥取県内で実施されている他のプロジェクト

鳥取県では、様々なプロジェクトが実施されています。例えば、鳥取県と日本財団は、日本一のボランティア先進県を目指し、地域住民が元気に暮らし、誇りを持てる社会づくりのための共同プロジェクトを実施しています。

また、県管理河川のうち二級水系において、流域全体で実施すべき対策として「流域治水プロジェクト」が策定されました。

さらに、多様な人材の活用とデジタル化・DXによる生産性向上を通じて良質な雇用を創出し、本県産業の持続的発展を目指して、「鳥取県地域活性化雇用創造プロジェクト(地プロ)事業」が行われています。



その他のSDGs未来都市

「SDGs未来都市」は、地方創生を一層促進することを目的に、2018年度からSDGs達成に向けた取り組みを提案する都市を選定・認定する制度です。各年度最大30都市が選定されています。

例えば、新型コロナウイルス感染症による各地域における課題等を解決すべく、地方創生SDGs推進による新型コロナウイルスの影響への取組事例が調査され、27の自治体より36の取組事例が報告されました。



なぜ鳥取が選ばれたか

「SDGs未来都市」は、SDGsの理念に沿った基本的・総合的取り組みを推進しようとする都市・地域の中から、特に、経済・社会・環境の三側面における新しい価値創出を通して、持続可能な開発を実現するポテンシャルが高い都市・地域を政府が選定するものです。
鳥取県は令和4年度「SDGs未来都市」及び「自治体SDGsモデル事業」に選定されました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?