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男女の経営者配置に見る新たな視点:成長、安定、衰退に対する特性と配置の最適化


個々の経営者が持つ個性は重要であるが、その一方で、男女にはそれぞれ固有の特性があり、これが経営の舞台で発揮されることも無視できない。男性は挑戦と新規開拓に優れ、女性は安定と生存戦略に長けていると言われる。これを踏まえて、企業の成長、安定、衰退といった局面で、どのように経営者を配置すれば効果的なのか、考察してみたい。

理由と根拠

衰退分野での男性経営者の行動パターンは、イチかバチかの賭けか現状維持になりやすい。大きくなった企業が衰退している状況で、男性経営者が挑戦的な行動をすることはリスクが高く、その場合、女性経営者の安定志向の方針を尊重する方がより良い結果をもたらす可能性がある。

その一方で、新規開拓を行う際は、安定思考がリスクとなり得る。そのため、新規開拓に取り組むチームには男性経営者を主体とすることが、成功の可能性を高めると考えられる。

これらの理由は、男性と女性が長年にわたって果たしてきた役割に根ざしている。男性は町の新規開拓と拡大を担い、女性は家庭の安定と子供の生存を担ってきた。この特性は現代の経営者にも引き継がれていると見ることができる。

パナソニックに見る適用例

現在のパナソニックにこの理論を適用すると、全体的には安定している状態であるため、女性経営者の割合を増やすべきだと考えられる。また、衰退分野となっている部門の男性責任者が多いため、これらの部門から男性経営者を移動させ、新規開拓を目指すチームを編成すべきだ。

その際、給与は現状の7割から5割まで下げて、成功報酬を設けることで、男性経営者の挑戦意欲を引き出すべきだ。これは、買収費用を半分で済ませるというアイデアと同じで、リスクを負う意欲のある男性たちにとって、高い成功報酬があることが動機付けとなる。

一方で、安定した部門では、女性経営者の割合を増やすことで、組織全体の安定化を図り、衰退し始めた場合には、生存戦略を考える女性の能力を最大限に発揮できる環境を作るべきだ。

終わりに

本論は、経営者をゲームのように配置することが可能な前提での考察である。しかし、この視点から見ると、経営層に男性が多い状態や、男性と女性が半々の状態を維持するよりも、男性と女性の特性に基づいた配置が、より効果的な結果をもたらすと考えられる。

一般的な認識として、「経営者は男性がするもの」や「女性経営者を増やせば良い」という安易な考えが存在するが、それではなく、男女の得意な状況に合わせて配置を考えるべきである。

なお、今回述べた男女の特性は一般的な傾向に過ぎず、全ての男性や女性がこの特性を持つわけではない。それは「子供は親に似るかどうか」と同様で、「親と子は似ることが多いけれど、似ない人もいる」という理解が必要だ。

以上、男女の特性を考慮した経営者配置の視点から新たな考察を試みた。この視点が、経営者配置に関する議論に新たな視野を提供することを期待する。


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