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日本企業のDX取り組み、米国企業との差

「日本企業のDX取り組み、米国企業との差は大きい」とIPAが発表したDX白書2023によると、日本企業のDXに取り組んでいる割合は69.3%前年度比13.5ポイント増加した。しかし、全社戦略に基づきDXに取り組んでいる割合は米国企業に比べて13.9ポイント低い54.2%であり、DXの成果が出ている割合は米国企業に比べて31.0ポイント低い58.0%であった。DXの取り組み内容に関しては、デジタライゼーションに当たる「業務の効率化による生産性の向上」で成果が出ている日本企業は合計で78.4%、米国企業は79.1%とほぼ同じ割合であったが、デジタルトランスフォーメーションに当たる「顧客起点の価値創出によるビジネスモデルの根本的な変革」で成果が出ている日本企業は、米国企業に比べて49.8ポイントも低い21.5%であった。

日本企業がデジタルトランスフォーメーションで米国企業に後れを取っている理由について、DX白書2023は、DXの全社推進に関する施策やDXの担い手である人材の確保で、米国企業に比べて日本企業が遅れている現実が浮き彫りになっていると指摘している。全社戦略に基づくDXの取り組みをしている企業に占める割合は低く、DX推進担当者の設置率も低いという。また、デジタルトランスフォーメーションに必要なクリエイティブな発想力やデータ分析力などの人材の確保も課題である。このような課題に加え、日本企業は従来のビジネスプロセスや文化に固執しており、DXに対して保守的な姿勢を示す企業も多い。


調査では、DXの取り組み内容に関しては、「アナログ・物理データのデジタル化」「業務の効率化による生産性の向上」といったデジタイゼーション/デジタライゼ産に当たる取り組みは日本企業でも進んでおり、成果も出ているということが示されています。しかし、デジタルトランスフォーメーションに当たる取り組みに関しては、日本企業が米国企業に比べて遅れを取っているということです。

デジタルトランスフォーメーションは、ビジネスモデルの根本的な変革を伴うため、単に業務の効率化や生産性の向上を目的とするデジタイゼーションとは異なる視点となります。このような変革を実現するためには、経営陣からの強いリーダーシップが必要とされます。また、データ分析やAI、クラウドなどの新しい技術を取り入れるだけでなく、ビジネスプロセスやカルチャーの変革をもたらすためのクリエイティブな発想力や人材が必要とされます。


日本企業がデジタルトランスフォーメーションで遅れを取っている理由には、上記のような要因が挙げられます。しかし、IPAは、このような状況を打開するために、企業がDXを推進するためのリーダーシップを発揮し、人材の育成に注力することが重要であるとしています。また、IPAは、政府がDXの推進に積極的に取り組み、企業や社会全体のDXの意識を高める取り組みを進める必要があるとも指摘しています。


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