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来週の相場見通し(9/16~9/20)ダイジェスト版

時間がない人のために、来週の相場見通しの超ダイジェスト版です。要点だけなので、興味がある方は本編を見てください。

1.米国の状況

9月第1週目の米国株式市場は、極めて好調だった。9月1週目は「9月相場への不安等」から、利益確定売りの勢いが強く、ハイテク株中心に大きく下落したが、第2週目(今週)はS&P500の11セクターの内、エネルギーを除く10業種で1週目の下落を全て取り戻した。

今週の経済指標は、特に株式市場にポジティブだったわけではない。
注目されていたCPIは総合では前年比+.2.5%と22年6月のピークである+9.1%から順調に低下してきた。もはやインフレは米国の大きな懸念事項ではない。

大局的にはインフレが鎮静化していることは間違いないものの、同時にCPI項目の中で最も粘着性の高い住居費が前月比+0.5%に上昇したり、スーパーコアが+0.33%に伸びたりと、インフレ目標へのラストワンマイルが近いようで遠いのではないかという不安も生じた。

市場はこのCPI統計を受けて、来週のFOMCでは50bpの大型利下げではなく、25bpの慎重な利下げ幅になるとの見方が強まったが、WSJのニック記者の「FRBは25bpか50bpで迷っている」という記事が出たことで、再び50bp利下げ期待も復活している。

来週のFOMCでは、ドットチャートは以下の表の一番下のような中央値になると目されている。これは昨年12月のFOMC時におけるドットチャートと非常に似ている。

但し、昨年12月時点と比べると、米国の2年金利は約65bp、5年金利は約35bp低い水準に位置しており、かなり利下げに前のめりになっていると思われる。すなわち、FOMC後には短期、中期金利は上昇する可能性があるだろう。

米国大統領選関連では、カマラ・ハリス氏とトランプ氏の初の討論会が行われた。カマラ氏が優勢だったとの見方が強いが、大統領選の行方はぎりぎりまで分からないだろう。特に激戦州は直近でも以下のような状況であり、ペンシルベニア州の勝利者が大統領になる可能性が高い。

いずれにしても、大統領選が通過後には、不透明感が晴れて、米国株式市場は堅調な地合いを強めるだろう。今回の選挙は、共和党が上院を民主党から奪取する可能性が高いため、想定される組み合わせは4種類だ。株式市場、債券市場においては、ねじれ議会になってバランスが図られることが良いのかもしれない。

実際にニクソン大統領以降の大統領・議会の関係とS&P500の騰落率の関係は以下のようなものだ。ねじれ議会は、米国株には悪くないのである。

2.日本株と為替相場

為替相場はFOMCまではドル安円高が進みやすい展開。140円を割り込めば、23年の138円50銭が視野に入る。しかし、既に米国2年金利はこの先の複数回の利下げを織り込んで低下しており、FOMC後には金利が上昇する可能性は相応にある。米金利上昇に連動して、ドル円相場も反発しそうだ。

IMMの円買いポジションもかなり急上昇しており、145円程度まではすぐに戻りそうだ。(下図)

海外投資家の日本株の現物と先物の合計は年初から9月1週目までの累計で2兆円を超える売り越しと冴えない。日本株に新たなテーマや期待が発生すれば、どっと日本株投資を加速させる余力がある。そういう意味では、自民党総裁選の行方と論戦動向は注目しておきたい。

要約版は以上です。

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