Day21 IN MISSOURI、三大性欲との龍虎相搏
辺りが暗くなってから、公園に行ってこそこそとテントを組み立てる。その日暮らしの我が家が完成したら、テントの横に婦人さんを寝かせて、テントの中に寝っころがる。
テントのチャックを閉めて、やっすいうっすい寝袋に包まる。股間のチャックをあける、わけがないでしょう。テントでオナニーなんて、なにーやってるんですか。ムラムラしない、今日一日を思い出す。
テントを組み立て終わったあとも周りからみられる可能性あるのに、なぜか中で寝っころがると安心して落ち着く。
もうすっかり我が家だなあ、このやっすいテントも。
ふう、疲れたね、眠るか。
コオロギが、鳴いている。
静まりかえった夜の公園に、コオロギだけ鳴きあってる。
おい!あいつオナニーしようとしたぞ!
ナニー!ナニー!?
そんなことをコオロギに言われた気が、するわけないだろう。やるわけないだろう。どうするんだテントの中でオナニー中に銃でパアンっとひと思いに殺されたら。恥ずかしいだろう。いけるとこもいけなくなるわ。だからオナニーなんてするか。いや、オナニーしてなくてもひと思いに殺されるのは嫌だわ。やかましいわ。
中でもやたら激しく鳴いてるやつがいる。
近いな。無視して寝ようと試みるけど、これはきっとテントの下にやつがいる。
と気づいたけど、眠すぎて目を閉じた。
ヒートアップする虫のこえ。
リリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリネエネエキコエテルデショネエネエ!!!!!!!!
さっ、寝よう寝よう。
リリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリヤッチャウヨヤッャウヨエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!
さすがに眠れないから、もぞもぞと中からテントを少し浮かせて隙間をつくってあげた。
ほらほら、いきなさい。いまですよ。
バタバタやっていると、
コオロギの声もコオロギ、ごほん、遠のき、
やっとの思いで眠りについた。
どうもどうも、ちったです。
朝起きてテントをたたむと、やつは息の根がとまってた。
ごめんね。
今日の目標はセントルイス。
セントルイスのBBOYにあらかじめ連絡とっていて夜にセッションがあるからおいでと言われてる、久しぶりに身体を揺らそうと思う。
土曜日はバトルがあったそう。これからおっきな都市に行くときは土曜日に着くようにしよう。
順調にこいでいた。
自転車に慣れてきていると身体で実感した。
何時間かこいで、カールじいさんが言ってた自転車専用の橋がある、
"Chain of Rocks RD"
に乗っかった。
このチェインズロックスブリッジはアメリカで1番長い川であるミシシッピ川にかかっていて、
これを越えればついにミズーリ州に突入。
これでミズーリ州までひとっこぎやあああああああああ!!!
20分ほど順調にこいだとこで、
道がなくなっていた。この先の道は何キロにもわたりボッコリと穴が開いていた。
声にもなってない奇声をあげた。
仕方がないからまた20分ほど戻って他の道を進んだ。
カールじいさんは悪くない。カールじいさんは悪くない。
工事現場を過ぎたあたりでまたチェインズオブロックスロードに乗っかって、とうとう橋に到着。
これが予想以上に長くて、風が気持ちくて、一切写真を撮らずにひとっこぎで渡った。
すごくすごく気持ちがよかった。
そして、
IN MISSOURI!!!!!!!!!!!!!
どんどんROUTE66に惹かれている。
はっはっはっはっはっ
やればできるじゃないか!
長かったイリノイ州を笑い吹き飛ばしてミズーリ州に突入した。
セントルイスの町にはいるも、直感がまた働く。
悪く言ってる訳じゃないけどココロがそわそわするというか、この場を離れたくなるような感じ。
周りからすごくみられてる感じもしてひたすら漕いだ。
素直な感想、なんかこわかった。
辺りは暗くなってきていた。
チャリンコ横断しながら踊ろう、アメリカ各地のイベントにもでよう、なんて最初は思っていたけどそんな余裕なんてこれっぽっちもなくて、
毎日チャリンコをこいで進むのに必死で。
だからこそ今日はもうチャリンコのことは一旦忘れて踊る!!!!
セッションの場所は、この辺り、
なんだけど、なあ?
裏道に入っては、ひと気のないとこを進み、
人がちょいちょい溜まっててわたしをみては会話を止めて、
ココロがばくんばくんになりながらもセッションの場所に向かった。
BBOYに会えればなんとかなる気がしてた。
音が聞こえる。
外で踊ってるのかな?
そしてようやくセッションの場所に着いた。
そこは狭い台みたいなところに乗って男女お酒を飲みながらワイワイしていて、
パリピ本願。
んんん、あれ、
思ってたのと、
違うなあ、、、
婦人さんを止めずに間違えてこの広場に入ってきちゃったあー感を出しながらそそくさとその場をあとにした。
ちきった。
もう真っ暗になっていてばくんばくんで呼吸しないでダウンタウンまで向かった。
ふぅ、ふぅ、ふぅ、
そして月明かりで薄暗く灯されてる存在感の大きなアーチがあることに気がついた。
使徒みたいだった。
わああああああ、、、
少し見惚れて、少し安心して、
写真を撮らずに我がモーテルマクドナルドへと向かった。
ここらへんで野宿するのはなんとなくこわかったからウォームシャワーズさんを使うことにした。
急なのにOKの返事がきてありがたくお世話になることにした。
この安心感たるや。
ダウンタウンを外れるとこわそうな雰囲気、ばくんばくんしながら進むとまた穏やかな感じのとこになり、
そしてホストの方の家に到着してお邪魔しました。
ああ、なんだこの安心感。
そういえばこのROUTE66を通る中でここは絶対にいこうと思っている場所がセントルイスにあって、それがビール好きにはたまらない!
Budweiserの本社があるのよ!
しかも無料ツアーがあってそれに参加すれば!
最後無料でバドワイザーが飲めるのよ!!!!!!
これはいくしかないとずっと前から決めていた。
赤いレンガが目印ってことだけは知っていたけど、
どこもかしこも赤いレンガなんだよなぁ。
場所はどこなんだと、ちゃんと調べると、
日曜日はツアー休みだった。
ねえ、日曜日こそじゃないの?
日曜日こそやらない?
そんな話をするとホストのエイミーさんがバドライトならあるよってくれました。
ツアーじゃ感じれないあたたかさをいただけた気がした。
まさかビールが飲めるとは、、、
ありがとうございます。
エイミーさんはシアトルからロサンゼルスまでチャリンコ旅したことがあるらしく、来月ニューヨークまでチャリンコ旅するみたい。
「ベットで寝る?」
って聞かれたけど、じょじょじょ、女性とふたりきりの部屋だなんて、だだだだめじゃないか。三大性欲を、三大性欲を!抑えてるわたしはリビングのソファで寝るよと言い、お互い別の部屋に行った。股間のチャックに手をかけた、わけがないじゃないか。わたしがベットで彼女がソファって気を使った意味だったかもしれないじゃないか。勘ぐるな、恐れ多い。ばかやろう。猛省するんだわたし。
チャリンコこぐ人に悪い人はいないんだ。そうだろう。
お互いの健闘を祈って、
おやすみなさい。
ソファに横になった。
踊れなかったしバドワイザーの本社にいけなかったけど、
ミズーリ州に入れたことがとにかく嬉しい。
なんだなんだ、着々と進んでいるじゃないか。
はっはっはっはっはっ
気づけば出発地点ニューヨークから2000km以上離れていた。
走行距離 : 110kmほど
総走行距離:2125kmほど
2014.9.7
少しでもニヤリとなれたなら幸いです。 よろしくお願いします☺️