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Day35 たくさんの奇跡と出会いが繋がっている


昨日は映画でよく観そうなこんな感じの道をひたすらすすみ、綺麗な夕日はリチャードさんの車で眺めることとなった。

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(Googleマッップから)


コッコッコッコッ


リチャードさんの車をノックする音で目覚め、いま車の中にいるということに気づくまで時間がかかった。

リチャードさん、おはようございます。

どうもどうも、ちったです。

よっこら、あ、いてっ

そうだ、左足、小指をケガしていたのか、、、

昨日はいろいろありすぎた、、、


恐る恐るみてみると血は固まっているもののパンパンに腫れていて、ポークビッツになってた。好きだったなあ、ポークビッツ。食べちゃおうかなあ。


「朝ごはんにしよう。足は大丈夫かい?」


リチャードさんのあたたかさが朝のホットコーヒーよりも身体中にしみわたる。


ありがとうございます。

ホットケーキセットをご馳走してくれました。

出来る限りの英語でここまで来た話をした。自分で話してて笑えるくらい濃い話がでてくる。

そしてまた濃い出会い。


リチャードさんはバイクショップの前まで送ってくれた。

すると、


「タイヤの代金はわたしが払うから電話しておくれ」


そう言ってくれた。


わたしはこの感謝の気持ちを、このあったかい感情を、英語で話せないことが悔しくて悔しくてたまらなかった。

日本語でもうまく言い表せられないのに。


わたしはリチャードさんに本当にありがとうとお礼をして、英語で話せない分思い切り抱きついた。

リチャードさんも強く抱き返してくれた。

無事にゴールして、このハッピーを次の人達へみんなへばらまきますね。

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リチャードさんがいなければ旅を諦めていたかもしれない。

ありがとうございました!


荷物を全て背負って婦人さんとともにバイクショップへいった。

開口一番、
「そのサイズは扱ってないんだぜ、すまんぜめーん」

あらら、、、

「きっとここのショップならあるからそこにいってくれめーん」

仕方ないのでそこまで歩くことにした。


むむう、

さすが、


アルバカーキ。


みなさんアルバカーキといえばこんな感じのを連想すると思いますが、

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実際はそんなことなく、こんな感じで、

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誰がポークビッツですか。

アルバカーキはとにかく暑かった。

周りは砂漠、坂も多い。

街並みは土壁で作られてる建物と色合いが可愛くて好き。アラジンにでてきそう。


乾燥した灼熱の中一歩一歩進んで、ようやく紹介されたバイクショップについた。

「申し訳ない。そのサイズのタイヤはないんだ。」

わわわわわわわ

「きっとここのショップにはあるからそこにいくといい。」

なんとなく、わかっていた。


婦人さんと出会ったNYのバイクショップでさえ、これは中古の自転車でサイズが小さいからタイヤを取り寄せないとないと言われ、

この旅はじまってここまでくる間の立ち寄った色んなバイクショップで、タイヤがあると言われたことがなかった。


あるはずないじゃないかそりゃ。そりゃそうだよな、、、。

どうしようか。この婦人さんの状態じゃ走れないし、、、。

次のバイクショップでなかったらひとまずこの灼熱がキツイからその場で倒れこませていただこう。


そう思いながら一歩一歩進んでいった。

道を間違えていた。

なんなんだ!なんなんだー!!!!!


アラジンにでてきそうな街並みでとてもかわいくて素敵であわよくば暮らしたいくらいだけど、

分かりづらい、、、。

んーっと、く、苦しいぞ、、

数時間歩き続けてポークビッツがズキズキしはじめてきた。


なにやってんだわたしは。バカだな。

ジリジリジリジリ

暑さで街の景色が歪む。

暑いよもうやだよ!!!!!!

アルバカ!アルバカーーーーー!!!!!!


なんとか三件目のバイクショップにたどり着いた。

調べて出てくるバイクショップはこれが最後。


もう動けないよ。

お店に入って事を説明した。


「はっはっはっはっはっ!!!!クレイジーだなはっはっはっはっはっ!!!!」

お店の人が笑って、スタッフさんみんな集まってきてマジかよと笑う。

「ウチにはそのタイヤあるぜ、水飲むかい?」

わたしは膝から崩れ、本当にその場に倒れこんだ。


本当?本当なの?

「もちろん!!ウチはバイクショップだろ?!」


ありがとうありがとうと自然と涙がでた。


この旅にでてわたしは強くなっているのか弱くなっているのか。

「はっはっはっはっは!待っててくれな!
Wi-Fiも使っていいぞ!」

とても親切にしてくれた。


ひとまず店内をみていると、

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興味そそられた。m&mを買ってみた。

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なんかウサギのうんちみたいにコロコロでてきた。

エサ与えられた感じがした。

椅子に座って気づくと眠りについていた。


パン!!!!!!!!!!

銃声のようなチューブが破裂する音で目覚めた。

お店に着いてから2時間が経っていた。


シカゴのときも、

おっちゃんがいろいろ試してくれてやはりタイヤが合わないと言ってだめだった。

今回もそうなのか、、、

でも、もう疲れたよ、もう1度眠るね、、、

目を閉じているとひとりのスタッフさんが寄ってきて、

「完璧だぜ」

といってきた。

え?

本当に?

一緒に作業場にいくとごっついタイヤに履き替えて生まれ変わった婦人さんがいた。


婦人さんが喜んでいた。

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前のタイヤは使いもんにならなくなっていた。

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こんなにボロボロになるまで4000km近くも走ってくれてありがとう婦人さん。


そしてスタッフのお兄さんありがとう。

「もうこれでパンクはしないよ、大丈夫。ゴールできるよ。」


お兄さんの言葉がココロ強く響いた。


「それよりも日本語知ってるんだ。」


え、日本語知ってるの!?


「えっと、

アタマ!


カタ!


コシ!


ヒザコシヒザコシ!!!!!!!」

まさかそのギャグがくるとは思わず爆笑した。

ありがとう、とか、こんにちは、とかを想像していた。

そんなお兄さんの名前はテイラー。

テイラーさんはタイヤの他にも、


実は壊れていたブレーキも、

ペダルを踏むたびに聞こえていたノイズも直してくれていた。

いくらですかと聞いたらテイラーさんはそんなのいらないよと言ってくれた。


ましてや、


そんなことより今夜は寝る場所決まっているのかいと言って、


「ウチはお父さんが病気で寝込んでいて泊めさせてあげれないから友達に聞いてみよう!」

そう言ってテイラーさんはいろんな友達に電話をしてくれました。

テイラーさんのあたたかさにまたしても涙しそうだった。

ありがとう。

テイラーさんの友達の返事を待っているときに、


ウトウトしつつ先ほど連絡していたウォームシャワーズの方から返事がきて、

「もうひとりゲストいるけどそれでもよければいいよ」

と日本語で返ってきました。日本語で。

、、、ん?


宿が決まったことをテイラーさんにかくかくしかじかヒザコシヒザコシ!と説明すると

「あと30分待っててくれないか、ドライブしよう。」

イケメンにデート誘われた。

30分待ってテイラーさんが仕事を終えて車に乗っけてくれた。


「ウォームシャワーズの人にはぼくが電話しといたから、ひとまず一旦ウチにいこう。」

食べるかと言われて食べた。グミみたいな、

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生姜。

むせたけどくせになる。


アルバカーキの街並みがとてもかわいくて、

テイラーさんのお家もとてもかわいくて、


そして素敵な家族だった。

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かっこいいでしょテイラーさん。デートしてるんだぜ。わたし。


「ビール飲もう!」

そう言って近くのBARに連れてってくれた。

ありがとうテイラーさん。

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アルバカーキの地ビールをご馳走になると、テイラーさんのお友達さん登場。

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ずっとヒゲを触ってて、高校時代の友達のツネニアゴサワテル君を思い出した。

彼は常にアゴヒゲをちょりちょりと触っているから勝手にそう呼んでいたけれど、

ツネニアゴサワテル、、、いまはアルバカーキに住んでいたのか。

連絡よこせよこのやろう。


勝手に親近感湧いてほくほく。


もうひとりお友達さん登場して4人になると、


「なに食べたい?」

テイラーさんが聞いてきた。


わたしが毎晩マクドナルドに行ってることを知っているテイラーさんは

「ファッキンマクドナルド以外にしよう。

お金は気にしないでぼくが払うから。」

そう言ってお寿司やさんに連れてってくれた。


感謝しきれない。

久しぶりの味噌汁。

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久しぶりのお米。

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どう?親指邪魔でしょ?

ポークビッツみたいでしょ?


あたたかすぎて、お寿司おいしくて、

みんな箸使うの上手で、

まったりした空間が居心地良くて、


本当にありがとうテイラーさん。


お友だちともバイバイしてまたテイラーさんとドキドキのふたりきりになると、


「ウォームシャワーズの彼らはいま近くのBARにいるみたいだ。

もう一杯ビールする?」

え、、、本当に?(甘えちゃうよ)


「もちろん!いこういこう!」

ありがとうと、もう一杯!とハイタッチをした。

そしてウォームシャワーズのホストの方たちがいるBARに向かった。

BARに着くと、ウォームシャワーズのホストのエリックさんは日本語で迎えてくれた。

その彼女さんのムネさん。


そしてわたしとは別にもうひとりのゲストの方がいた。

あれ


ん?


そもそもエリックさんが日本語ペラペラなのに驚いていたのだけど。

シカゴにいるときInstagramみてて、今アメリカチャリンコ横断してる日本人の方がいることを知っていた。

会えたらいいなあと思っていたけど、その人が目の前にいる。

わたし、あなたのこと知ってます!!!!


わたしが一方的に知っていたUGさんと日本語ではじめましてをする。わーすごい!ってなってるふたりの中に「すごいねー!」って普通に入ってこれるエリックさんにもまた驚いたけど、


こんなことがあるんだ。


そして時間が経って、

ここでテイラーさんとバイバイすることになった。


今日1日とても親切にあたたかくしてくれて、仲良くなって、

思った以上にさみしくなって、


でもこれまた英語で思ってることをたくさん話せないのが悔しくて、

またその分強く抱きしめた。

本当にありがとうございました。

一期一会って、

たくさんの奇跡と出会いが繋がっているなあと思った。

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この旅もそうだけど、

普段も、生きてて出会うかわからなかった、知り合うかわからなかった人と出会って、そこからまた奇跡のように奇跡が続いて出会いがあると。


リチャードさんにこの1日であった出来事をメールして、ほっこりした気持ちで眠りについた。


走行距離 : 0km
(歩き回ったけど)

総走行距離:4090kmほど

現在地:アルバカーキ

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2014.9.21

少しでもニヤリとなれたなら幸いです。 よろしくお願いします☺️