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Day34 IN NEW MEXICO 強いハグで涙が溢れる



どうもどうも、ちったです。


母は昨日の出来事を聞いて、心配してくると思いきや

「ゴーグルもってけばよかったねぇ、、、」

と言っていた。

そこじゃない気がする。


サイクリストさんたちがよく着てるパツパツのやつあるじゃない。

あれすごく快適そうだなあといつも思うんだけど、お金ない場合水着もオススメ。


暑いので上裸に水着、


でもやはりゴーグルをかけるといよいよ種目が変わってくると思うからゴーグルは違う。


昨夜テントをたてた公園は最高だった。


寝る前に湖をみてしばらくぼーっとしてた。

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朝起きてここでのびのびとストレッチした。

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今日も笑えれば。


うしっ!しっしっしっ!


雨予報だったけど晴れてたからかっ飛ばした。


よっしゃああああああ!

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婦人さんもわたしも絶好調で快調に進んでいった。

「Hey!!」

横をみるとチャリンコこぎながら写真を構えてる、いかにもなサイクリストさんがいた。

パシャリ

お互いチャリンコをこぎながらお話してると彼もシカゴから横断してるみたいで、


うんうん、

水着ではない。


ゴーグルでもない。


彼はわたしの格好をみてクレイジーと言って追い抜かしていった。

横断してること信じてない様子だった。

わたしは必死に1秒間に5万回くらいペダルをこぐのに、

彼は1秒に1回こぐだけのペースでどんどん離れていった。


チャリンコが違うとこうも早いのか、、、


いや、わたしは婦人さんがすきだよ。

キーコキーコキーコとこいでいると、

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そういえばテキサスにはいってから全くROUTE66看板をみなくなってた。

やっぱかわいいなあ、かっこいいなあ君は。


お昼すぎになったから、


ピクニックエリアにはいってウォールマートで買った70セントのフランスパンをチョコソースでたいらげた。

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風が気持ち良くて、


うんうん、いけるぞいけるぞ。

しばらくこぎ進めると、

エイドリアンという町についた。

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えいどりあーーーーん!!!!!!!
"West End of Town"


よしよしニューメキシコ近いぞ待ってろおおおおおおお!!!


町にはいるとROUTE66たくさんでほくほく。

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かわいいんだけど、、、

ひとがいない。静けさだけ。


町のはじっこにくるとようやく人を見つけた。

カフェも見つけてなんだ人いっぱいいるじゃないかと。


入りたいけど、

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うぬ、みて満足じゃ。

コーヒーしばきたいけど、、、満足じゃ、、、


そしてMIDPOINT。

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ここがLINE。

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隣のカフェもかわいい。

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よっしゃーーーーーいったんぞいったんぞニューメキシコ!!!!!!!!!


2時間ほどこいで気づけばインターステイトに乗っていた。


がむしゃらにこぎつづけて、

やっと、、、やっと、、、!!!

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IN NEW MEXICO!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

いよっしいぃぃぃやああぁぁあああああああああ!!!!!!!!!!!!

何時間もこいだけど身体は軽くて婦人さんも快調でここまでこれた。


インフォメーションセンターでお水を飲んで、


おばちゃんとお話して、

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うれしさがにじみでてる。

嬉しすぎていろんなひとに話しかけた。


このままトゥクムカリまでいけるのではないか。

今日200kmいけるのではないか。


そのくらい調子がよくて、


ひとまず次の町でインターステイトを降りることにした。


長い下り坂はいり、

風が気持ちくて、

そしてなにより、


景色がやばかった。


こんなに奥まで真っさらな景色はみたことがない、、、

砂漠というのか、不毛というのか、このまま地球一周してもなんも存在しないのではないか、、、と思うくらいになんっにもない景気が広がる。

見惚れた。


地球って、アメリカって、大きいなあ。

グランドキャニオンもはやくみてみたい。


ずっと続く下り坂に、景色に、

気持ち良くて大きく息を吸う。


これまでの疲れが吹っ飛ぶかのようだった。


とうとうニューメキシコに入ったんだ、いけるぞ、いけるぞ。


この調子でいけばきっと、、


!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


左足に衝撃がはしった。

声にならない叫び声をあげた。


左足の小指の感覚がない。

まさか、、、

小指が吹っ飛んだのかとおそるおそる確認すると小指はあるものの、小指が確認できないくらい血が溢れ出ていた。


後ろを確認するとエンジンなのか、金属の塊があって、

そうか、

あいつに小指をぶつけたのか、、、

左足の小指はパックリと切れていた。


一気に痛みだして、ひたすら叫んだ。叫んでも叫んでも痛みは増す一方。

血はドクドクと感じるほどに止まらない。

わたしがいけない。

サンダルなんかでインターステイトを走って景色にみとれていたんだから。

でも、

悔しくて痛くて、


うああああああああああああ!!!!!


くそうくそうこんちくしょう!!!!!

さっきまで心地よかった風の色が変わり、傷口をえぐる。


ペダルを踏むたびに激痛がはしる。

わたしは終始歯をくいしばりながらこいだ。


うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!


ひとまず、ひとまずインターステイトを降りるぞ。


ガタン


ガタン

ガタンガタンガタンガタン


すぐにパンクだとわかった。

どうしてなんですか。どうしてこうも嫌なことが続くんですか。


婦人さんをとめて、

ひとまず持っていた貴重な水で足を洗った。


くっ。

パンクを修理してチューブは直ったものの、タイヤが素人からみてもあきらかに使い物にならなくなっていた。

タイヤの一部がすりへりまくってゴムが無くなり、繊維だけの状態でチューブが丸見え。これじゃあすぐにまたパンクする。


くそう、


シカゴのチャリンコ屋のおっちゃんが言っていた。このチャリンコでロサンゼルスまで絶対無理だと。

それでもやったると思ってたけど、言う通りすぎてぷうの屁もぐうの音もでなかった。

とにかく笑えれば。笑えるか馬鹿野郎。全く笑えなかった。

それにここはどこなんだ。長距離トラックしか通らないし人もいない。まだインターステイトなのか、、、辺りに店もなければなにもない。

暑い。疲れた。痛い。もう現実を忘れて眠りたい。


この3日間がむしゃらにこいできた。


とにかく進みたくて、相当しんどかったけどなんとかこの3日間で500km以上進んできた。

それでもこういう嫌なことが続く。

だめだったんですか。


こんなにがんばってもやっぱりこれは無意味ながんばりだったんですか。

わたしは神様を想像してココロの中で問いかけた。


神様?

いまわたしがいるこの場所には神様なんていないんだよ。

なにもないんだ。


もう満身創痍なわたしは婦人さんの隣に腰かけた。

そう、神様なんてここにはいない。


ただ、ひとりのおじちゃんが立っていた。


なにか話しかけてきているけど、なにも聞こえない。それどころではない。わたしの脳内はただいま不在なのですよ、と。

するとおじちゃんは婦人さんをかつぐと、どこかへ向かい出した。


冷静さを失って脳内不在のわたしもさすがに、ちょっと待って!ちょいちょいちょいちょい!声をかけた。

「修理が必要なんだろう?


車に乗りなさい。


トゥクムカリまで一緒にいこう。」


ようやくなんとなくおじちゃんの声が脳内に響いて、


泣きそうに、その場で崩れそうになった。


かろうじて、ありがとうと言えて車にゆっくり乗ると、バナナとお水をくれた。


彼は、リチャードさん。

すごくすごく優しくしてくれて、たくさん話しかけてきてくれていたけど、


全然脳みそにはいってこなく、相槌をするのに精一杯なほど頭の中がぐちゃぐちゃだった。


トゥクムカリに着くもバイクショップをみつけられず、二日後に到着予定だった300km先のアルバカーキにいこうと言ってくれた。

わたしはさすがにそれは大丈夫だと断った。

「その足とこの自転車でかい?」

なんも言えなくて、ふたたび車に乗せてもらった。


またすごくすごく優しくしてくれて、


あたたかさと、自分の非力さと、

よくわかんない感情でモヤモヤして、

これがまた憎いほど夕日がすごくすごくきれいで、

そんな景色のピントがぼけていく。


涙がでていた。

何をやっているんだろうか。


バレないように拭いて、気づいたら眠りについていた。

アルバカーキに着いた頃には22時をすぎていて辺りは真っ暗になっていた。

バイクショップは空いてないからひとまずウォールマートにいって足を治療しようと連れてってくれた。

消毒液やらいろいろ買ってくれて、足を洗った。

マクドナルドにいこうと言われ、わたしに$10を渡してきて好きなものを食べなさいと言ってくれた。


夜はどうしてるのと聞かれてテントで寝ているよというと、

今夜は車で眠りなさいと言ってくれた。


結局ひとりじゃなんもできず、ひとの優しさに甘えて、周りに迷惑ばかりかけている。


こんな旅をしていていいのだろうか。


ひとの優しさにつけこんでいるつもりなんてないけど、実際無茶をしてこうやってお世話になっているわけじゃないか。


改めていろいろ考えた。


そしてわたしを待っている大切なおめめさんがいて、家族がいて、仲間がいる。


このブログを始めてからわたしの知らない人にまでなにかしら影響を与えていることも知っている。


もう無茶はしない。

無事に生きてゴールします。

そしてあらためて、


ココロの底から感謝しています。


みんなみんなありがとう。
応援してくれている方々ありがとうございます。


なによりリチャードさん、これまで出会ってきて支えてくれたたくさんの方々、

本当に本当にありがとうございます。


生きてて、

うん、本当に生きててよかった。


たくさんの力をもらってきたので、

たくさんの笑顔をこれからもばらまいていく。

無茶せず。


なんでそんなに優しいんですかとつぶやいたら、


「Welcome to アメリカ!」


そう言ってわたしを強く強く抱きしめてくれたリチャードさんのあたたかさを一生忘れることないし、大切にしてこれからも生きていきます。

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ココロから感謝の、ありがとうございます。

ふたりで車に戻り、毛布を貸してくれた。

シートを倒し、毛布に包まった。


走行距離 : 180kmほど(+300kmほど車)

総走行距離:4090kmほど

現在地 : アルバカーキ

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2014.9.20

少しでもニヤリとなれたなら幸いです。 よろしくお願いします☺️