水星の魔女新規が1stガンダムを見た感想~巡りあい推しカプ編~

【水星の魔女】からガンダム作品に触れた人間が1stガンダムを観たので、記念に初見感想を残します。劇場版三作目『巡りあい宇宙』編です。
機動戦士ガンダム、機動戦士ガンダム(哀・戦士編)・水星、閃ハサのネタバレを含みます。


今までのガンダムへの所感について
・水星の魔女プロローグ、1話~最終話まで視聴済み。面白かった。カップリングはグエ→スレが特に好き
・水星の魔女を観るまできちんと作品を観た事は無かったが、よくネタにされている名場面・名台詞はぼんやりと知っている。
・メカ、ロボットに対する知識は皆無
・【閃光のハサウェイ】(2021映画)視聴済み。以下閃ハサを観た時の感想↓
閃ハサに至るまでの話の背景を知らず、ストーリーや回想シーンがいまいちよく分からなかったが、ハサウェイは素朴なキャラデザながら陰と色気があっていい主人公だなと思った。
回想シーンで映った初音ミクみたいな女の子がトラウマになっているみたいだけど、何があったんだろう…?

・1st劇場版一部、二部まで視聴済みです。↓


・私がアニメを観ている時、一番テンションが上がるのが「推しカプのラブコメシーン」だ。
水星の魔女視聴中に一番食い入るように見たのは、グエスレが17話で温室前で話すシーンだった。水星の魔女は他にも少女漫画的ラブコメシーンが多数あり、キャラたちのカワイイシーンを沢山浴びる事が出来る。もっとラブコメ多めにして欲しかったと思うくらい、私はそんな水星の魔女を楽しんでいた。

でも、水星の魔女では楽しめたけど、1stでラブコメシーンを望むのは難しいだろうなと思っていた。

水星の魔女は公式が『新規層を狙った』と言っている通り、今までのガンダムとは作風ががらりと変わっているらしい。逆説的に言うと元祖ガンダムである1stでは推しカプが出来る事はないんだろうなと思っていた。

が、ある推しカプが出来てしまった。

それがブライトさん×ミライさんだ。

アムロの処遇を巡って話すところとか、この二人割とお似合いじゃない?こういうキャラたちの恋愛話がある事はあんまり無いだろうけど、同じ画面にいて喋っているだけでも嬉しい……とか思いながら観ていた。

そしたら巡り会い宇宙編でこの二人がそこはかとなく甘酸っぱい感じになってきていたので、「ほう……」と思いながら見守る事にした。私は推しカプが公式化しなくても満足出来るが、それはそれとして公式化しそうだったら全力で応援するという習慣を持つ人間だ。

ミライさんに婚約者がいる事が発覚したが、これは逆にブライトさんの勝ちフラグなようなする、幸せになってくれブライトさん、あなたにはその資格がある筈だ、と思いながら観ていた。

見続けた結果、ミライさんはスレッガー中尉のもとに行っていた。

これ、めちゃめちゃショックだった。いやわかる、ミライさんと婚約者さんとのあれこれにしっかり意見を言った時のスレッガーは超かっこよかったし、ブライトさんは口を閉ざしてしまっていたし、スレッガーのところに行くのは……わかる……。でも、私はブライトさんの事めちゃくちゃかっこいいと思ってるんですけど……ミライさんはお気に召さなかったんですか……?とやきもきした。

だが、それと同時に「ミライさんとスレッガー中尉……くっつかないかもしれない」と思った。

なぜなら、スレッガー中尉がかっこいいところしか見せなかったからだ。

これまで観ていて、『良い面ばかり見せたキャラは死んでいく』というガンダムの法則が何となく読めてきていたから……。そして私の予想は当たった。スレッガー中尉というナイスガイが命を散らしたのは残念だが、同時に「推しカプ……くっつくかもしれない」という希望に喜んでしまったのは事実だ。純粋に死を悼めなくてごめん、中尉……。

・アムロと父親との再会。
父親が酸素欠乏で正気を失っている事を察したアムロがつらすぎる。アムロはかつての母親との再会でも辛い体験をしたのに、父親に母さんの事は気にならないの……?って聞くところがすごく好きなんですよね。父親が渡したパーツ(実際は古いから使い道が無い)を受け取ってしまうところも優しくて好き……アムロも優しいし、アムロにパーツを渡す父親にも優しさがあるから、よりこのシーンのつらみが増しているんですが……。

地球連邦万歳しながら死んでいった父親は、主観的には幸せに召されたんだろうなと思うとちょっと羨ましい。1st一幸せに死ねた人かもしれない。


・アムロ、ララァ・シャアと出会う。
この湖畔のペンションがララァとの出会いのために誂えたようにすごく綺麗で、いいシーンだなーと思った。戦いから離れた理想郷みたいな場所でララァとアムロが出会うのは象徴的だ。その後シャアと出会って、ジオン軍との戦いに嫌でも意識が引き戻されるんですけど……。

酒場のラルさんとの邂逅でも思った事だけど、アムロがシャアと初対面するとこ、すごくドラマチックな状況ではなくて、車が泥に填まっているのを助けて貰って……という日常の延長のシチュエーションなのがまたいいですね。こんな親切な人がいたら感謝するし一時的にでも好きになっちゃうなっていうのがリアルに想像出来るというか。

・アムロとララァはニュータイプ特有の理解力でかつてないスピードで通じ合う。
が、私はアムロとホワイトベースが嫌な所を見せ合いつつも次第に絆を築いていったところが好きだったので、「待って、、ニュータイプの仲良くなるペースに追いつけない……。私を置いていかないで……」と思いながら観ていた。
そしたらシャアが私の意見と同じような事を言いながらアムロとララァに怒ったので深く共感してしまった。アムロとララァが爆速で仲良くなるのつらいよね、わかる……。

・ア・バオア・クーでの戦い、最終決戦故にMS同士のやりとりが苛烈で、バトルシーンも良くて、観ていてとても満足感があった。水星の魔女は最終決戦周りに死闘感があまり無かったのが不満でしたが、1stを観て成仏出来た感覚があります。

最後の方、『恐らくラスボスはギレン・ザビなんだろうけど、誰がギレンを倒すのかな……やっぱりアムロなのかな……』と考えながら観ていたので、ザビ家の顛末にはめちゃめちゃ驚きました。1stガンダムのTV放映は打ち切りだったらしいけど、この辺の展開は打ち切りが決まった作品特有の勢いを感じる。


・激しい戦いの中でRX-78が破壊されて、やがて倒れる。
これまでアムロの戦いを見守ってきて、RX-78はアムロの武器なんだけど、アムロを守ってくれる盾でもあると感じていたから、RX-78の装甲が壊れて倒れた時なんとも言えない喪失感があった。RX-78をアムロの半身のように思っていたので、それが壊れて役目を終えて、ああ本当にこの作品は終わるんだな……と実感したというか。
ここに限った事ではないんだけど、ガンダムはMSやメカが壊れるところをゆっくり丁寧に描いている事に拘りを感じる。


・MS戦の後、アムロとシャアは白兵戦で戦い続ける。
この辺のバトルシーン、息を呑んで決着を見守っていたのに、アムロとシャアがフェンシングをするところで「あっ、グエスレがやってたやつだ!」と思ってそっちに意識が行ってしまった(水星の魔女後半でグエルとスレッタがフェンシングをするシーンがある)

そして戦い続けたアムロとシャアは、戦いの中で体勢を崩し、
ヘルメット越しにキスをするような構図になる。

せっかくのオマージュなんだからこれグエスレもやってよ!!!!!!!!
私は推しカプが公式でくっつかなくてもそれはそれで良しと思いながら生きているけど、それはそれとして推しカプのシーンは貪欲に欲しがる……そういう業を持ったオタク……!

・シャアはニュータイプが搾取されない世界を作りたい。その為に危険過ぎるニュータイプとして覚醒してしまったアムロを殺すか、同志に引き入れたいらしい。

このときのシャアの主張、一部わかってしまったのがつらかった。地球連邦がホワイトベースをニュータイプ隊として危険な作戦に置いた時、頑張っても使い潰されるだけなんじゃん……って悲しくなっちゃったから……。

でも、ニュータイプ同士でなくともアムロとホワイトベースの面々はわかり合うようになった。私はそれに希望を見いだしていたので、アムロ、行かないでくれ……と願いながら観ていました。

アムロがブライトさん達に今後の展望を言って勇気づけた後、セイラさんとカイと3人になった時、あれは嘘なんだろ?って指摘されるところ、すごく好き。
ブライトさんをはじめとしたホワイトベースのクルーたちは大部分がオールドタイプだし、ララァとやったみたいに通じ合っている訳ではないけど、それでもアムロとクルーの間には思いやりがあって……。私にはそれがすごく嬉しかったので……。

結局アムロはシャアのもとには行かなかった訳だけど、そうなってくれて良かったです。


・1stガンダムのラストシーン、とてもぐっと来てしまった。
「僕にはまだ帰る場所があるんだ。こんなに嬉しい事は無い……」って、言ってみればベタな台詞なんだけど、これまでのアムロとホワイトベースの戦いを見守ってきた身としては感無量になってしまう。
アムロを宇宙から見つけ出すのがブライトさんやセイラさんではなく、子供であるカツ、レツ、キッカというのがまたいい。可能性とか、未来とか、そういう事に思いを馳せてしまった。

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