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わたしが廃墟を愛するわけ


いきなりですが、私は廃墟マニアです。


廃墟マニアというとホラー好きであると思われることがありますが、そうではありません。私は、廃墟に残り、漂う人の生活に思いを馳せることが好き。お化けは大嫌いです。


全ての廃墟マニアが同様であるというわけではありませんが、ここでは「私が廃墟を愛するわけ」を書いてみます。


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まず、「私は廃墟マニアだ」と気づいたのは、確か7、8年前のこと。


ほとんどが空き家となっていた地元の商店街を自転車で通り過ぎるたび、なんだか惹きつけられるものがあって首を一生懸命キョロキョロさせながら中を覗いていました。どうしてか、懐かしさのような、言葉にならない感情を抱いていました。


ある日、私の部屋でふと、あんな古い建物に心揺さぶられるなんて、私はおかしいのではないかと考えました。このヘンテコな症状に名前はないのか。そして、仲間がいることを期待しながら、インターネットで調べたのです。結果、「廃墟マニア」という言葉に出会い、仲間の存在を認識しました。意外とたくさんいるらしいです。


私は、廃墟に残る人間の余韻を感じ取り、当時の生活を思い浮かべ、知りもしない人の生活の暖かみを感じることが好きです。今そこで暮らしていた人はここにいないのに、私はその人が暮らした場所を目の当たりにしている。こんなにも近いのに果てしなく遠い、不思議な距離感。生まれてきた時代が違うだけで、同じ場所に立っている。その何とも言えないもどかしさに、自然とワクワクする。


これこそ、私が廃墟を好きな理由です。


そして、廃墟の中でも住宅や商店が一番好き。生活や日常を感じられるからでしょうか。遊園地や鉱山跡などには、あまりテンションが上がらず。そのへんの廃墟をチラ見できればいい。最もお金のかからない趣味。


意味が分からないと思ったら、通勤中、通学中、周りに潜む廃墟をそっと覗いてみてほしい。そして、そこに‘’生活‘’が存在していた日を思い浮かべてほしい。


廃墟に魅了される日が、来るかもしれません。


おわり


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