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晴れ渡るだけが夜明けじゃないこと

また、企画メシの講義明けのNoteが遅れてしまった。
初回以外、決められた期限を守れていない。


僕は思考の瞬発力がない。
自分の考えがすぐに出てこないし、講義を受けてその瞬間で感じたことも、うまく自分の言葉に変えるのには時間がかかる。

だから、いつも遅くなってしまっている。でも自由課題だから、自分のためだから多少遅くなってしまってもいいか、という気持ちもあって怠惰にしてしまっていた。

でも今回は、いや今までもそれだけが理由じゃないかと思い始めた。
それは自分の中で煮え切らない、ざらざらとした違和感があったからだ。


企画メシの課題としての(そこまで義務だとは思っていないが)Noteでは「講義での学びや感じたこと」と「これからの決意表明」といった文章を書いていた。

今回の講義でも、前のNoteに書いたような、それだけじゃないたくさんの学びと発見と感情があった。講義を聴きながら、強く心を揺さぶられた瞬間もあった。

このNoteはちゃんと納得して書いたものだ。

けど、講義のあとそこで感じた感情や熱と、講義以外での状況や感情を照らし合わせても、うまく噛み合わないこともいくつかあった。
何かが腹落ちしない、納得のいく言葉が出てこない。1週間経っても、そのざらざらとした違和感は消えない。


僕は今スウェーデンに留学に来ている。言葉がなかなか通じないことも多く、苦労していた中での講義だった。

「暗闇の中では世界の法則性が、捉え方が変わる」「対話はそのラリーを楽しむもの」という檜山さんの講義中の言葉。
とても心が揺さぶられた。
そうだ、英語が話せなくてコミュニケーションがうまくできないからといって、そこに間違いがあるわけじゃないんだ!
もっと、対話を楽しんでいかなきゃ!

講義中は確かにそう思った。今でも強くそう思っている。

でも、そう簡単に変われるものでもない。


実は少し前に今の感情をまとめようと留学記を書いた。

楽しいと期待に胸を膨らませていた留学だが、正直辛い時間が長い。
語学の問題もそうだが、それ以上に自分の欲求が何かが分からなくなっている。

異文化体験を求めてきたはずなのに、そう信じていたのに、自分は新しい世界との対話が本当にしたいのだろうか、それを楽しいと思えているのだろうか、楽しみたいのだろうか。
今の自分の行動を振り返る限りYesとは言えない。

そんな自分の講義以外での対話に対して後ろ向きな感情と、講義での前向きな感情に矛盾がある、それが今のざらざらとした違和感の正体だと思う。

僕は、できるだけ早くその違和感への答えを出そうとしていた。これから自分はこうしていくんだと決意を言葉にしなくては、と。


でも、そこに焦りを感じなくてもいいんじゃないだろうか、と感じ始めた。


少し遡って一年半ほど前、6週間ほどウガンダに行ってインターンシップをしていた。

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ウガンダで一緒に過ごした少年たちの写真

当時活動を終えて帰国した僕を迎えていたのは、「どんな成長をしたのか」という質問や周りからの期待だった。
でも、僕は何も変わっていなかった。

書き始めると長くなるので省略するが、6週間も異国で過ごして最終的に得られたのは「自身の醜さへの気づき」だけだった。

だから、何もできていない、何も変わっていない自分に嫌気がさした。

けどそんな時に出会った曲がある。

日食なつこさんの”少年少女ではなくなった”という曲だ。

この曲にこんな歌詞がある

”笑うだけが命じゃないこと
晴れ渡るだけが夜明けじゃないこと”

この言葉に、とても救われた。

夜明けは、物事の新しいスタートの比喩としてよく使われる。
でもそんな夜明けも、ただ透き通った清々しい空とは限らない。
もやもやした曇りかもしれない。重い空気の雨空かもしれない。
それでも朝が来る。綺麗な朝だけが、始まりの朝ではない。

そんなことを思わせてくれる歌詞に、勇気をもらった


今だってそうだ。
企画メシで得られる貴重な学びも、留学を通して感じる複雑な感情も、どれも偽りがない真っ直ぐなものだからこそ、簡単に答えは出ない。自分の中にある矛盾や違和感に常に追いかけられている。

でも、それでもいいんじゃないかと思う。別に今を否定する必要はない。


先にあげた”少年少女ではなくなった”の中にこんな歌詞もある

”叫ぶだけが 勇気ではないこと
突き通すだけが 正義ではないこと
知ったその向こう あなたも僕も
それでも捨てられないものを知る”


いつどこで答えが出るかはわからない。
でも、いつかどこかで自分の中で譲れない、捨てられないものが明確になる。
そう信じて、今のざらざらした感情も、弱い自分も連れて少しづつ進んでいきたい。

そんな昔には思えていたことを、ふと思い出しました。


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