ESCAPE-②

休職も長くなると休職した理由を具体的に考えてしまう。

学生時代に学んだことの延長線上のような仕事内容であるので、仕事のベースはできていて当然という認識をされていて、すでに研修は済んでいるような環境だった。

そんな環境であったが、責任のある立場として仕事をするというのは僕の中で大きく違っていた。1つの作業に使える時間も限られ、作業も学生時代に学んだこととは違う、職場のやり方や上司たちのやり方それぞれにはまるよう仕事を進めなければならなかった。

年齢の近い先輩たちは自分の仕事の進め方を会得していたので、自分も早く会得しなければならない。そんな思いに駆られていたが、能力や仕事の質、速度は全然上昇しない。そんな日々を必死に過ごしていた。

その先輩たちは「頑張れ」と応援してくれていたが、実際に指導する上司には毎日注意され、何が正解なのか分からないまま指導される日々が続いた。

そうして過ごすうちに頭はすっきりせず、眠れず、何も感じなくなる日々が始まりだした。はじめは酒で逃げたりもできたが、睡眠の質が落ち、次の日の仕事の質を落とすと怒られる。怒られたくない。その思いから酒も段々と飲むのが怖くなりだし、次第に酒だけでなくゲーム、テレビ、ラジオ、そういったストレス発散になるものがすべて自分の仕事の質を落とすものにしか感じなくなりだした。

仕事ができないという不甲斐なさと、怒られることしかない職場と、ストレス発散が許されないという思考。この3つに僕は殺されかけたのだなと考える。自分の考え方と職場の環境。これが相互作用したわけである。

だからといって同期は休職していないので僕個人の問題が大きいのだろう。

不甲斐ないな。そう思う。

どこまで転げ落ちても不甲斐なさを満たすタンクに底はないのだろうな。とも思う。



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