妻のおかしな寝言百選

最近のペースを見るに、この辺りでまとめておかないと。

妻は寝言をよく言う。小さい頃からずっとらしい。その多彩なバリエーションにぼくはいつも心を動かされるなんてことがあるはずもなく、ただ夜中に起こされては安眠妨害を受けている。

というほど困ってはいないのだけど、だんだんとツッコミが難しくなってきた。最近は起こされるたびにTwitterでメモがてらつぶやくことにしている(じゃないと二度寝して結局ぼくが忘れる)ので、そのまとめ記事という位置づけで書いてみることにした。

以下、記憶のかぎり時系列でお送りする。


つぶやき系 「サバの…味噌煮…」

結婚前、妻がまだ徳島で一人暮らしをしていた頃の寝言。ぼくが週末に徳島を訪れ彼女の部屋に泊まっていたとき、明け方に真横でつぶやかれた。記憶にある中では一番古いもの。

家族に寝言を言う人なんていなかったから、最初は寝言だとわからなかった。いきなり深夜に魚の話をされたのである。しかもどちらかというと肴である。

「サバの…」で何を言ってるかわからなくて耳をそばだてたところ、確かに聞こえたそのフレーズは「味噌煮」だった。まだ、サバ缶が巷でこんなに流行る前のお話である。


鳥系 「ココココココココ!!」

人の声帯から出てくる音ではなかった。怖すぎ。都心のマンションの一室で、朝ニワトリの鳴く声で起こされた人の気持ちを考えてほしい。

試しに「CO」を連続して発音してみるのだけど、結構難しい。できたとしても美しい発音にはならない。なんだ美しい発音て。ちなみに妻ももう再現できない。ニワトリはいずこへ。

起きてから妻に伝えたら「わたし酉年だから」と干支のせいにして妙に納得していた。


叫び系 「なんかいる!なんかいる…!なんも…いない!」

寝言というか寝ぼけ。恐怖。一緒に暮らし始めて間もない時期だったから、二人での生活にストレスを感じていた説が濃厚とされている。

深夜に「なんかいる!なんかいる!」と叫んで飛び起きる妻。大人しく寝ていられる声じゃないのでぼくも飛び起きた。彼女は自分のベッドを指さして慄いている。

明かりを点けたけどベッドの上には何もない。ぼくが「なんもいないよ、ほら。大丈夫だよ」と声を掛けると、しばらくして妻は「…なんも…いない…!」と力尽きたようにベッドに倒れこんだ。ホラーか。


叫び系2 「急病人です!!」

「急病人です!!」って叫ぶ人、ふつう人生で遭遇しなくない?

例によってぼくは飛び起き、彼女を起こして声を掛けた。どうやら夢を見ていたらしい。怪我をした人がいて、助けたいのだけど自分は身体をどうしても動かせず、叫ぶしかなかったとのこと。それKANA-SHIBARIでは。

もう一回言うけど、「急病人です!!」って叫ぶ人、ふつう人生で遭遇しなくない?


叫び系3 「助けてー!!」

いやもう、深夜に強盗が入ったかと思ったよね。隣の部屋の人からはDVを疑われかねないレベルの雄たけびだった。

結婚して半年が経った頃の寝言だったと思う。寝汗かいてたし、この時期は何かとストレスを抱えさせていたのかなあと。二人とも、仕事から帰ってきて慌ただしく夕飯とお弁当作って寝るだけの生活が続いてた。

きっと怖い夢を見させたんだろうな。ごめんよ。


ジェスチャー系1 「走って走って!」

妻は寝相が悪いので、布団をよくベッドから落とす。

この晩もぼくがたまたま目を覚まして横を見たら、布団をはいでいた。風邪をひくだろそれじゃと思って布団を掛けたら、腕を振って走るポーズをしながらこう言われた。かなりメロス。

叫び系のシーズンを終えた頃の出来事。深夜に突然駆け出すことを命じられる経験は新鮮だった。


つぶやき系2 「コレステロー…ル…」

前日の夕飯のとき、ぼくの母親がコレステロールの検査に行かなきゃっていう話をしていた。それが妻の潜在意識に何か働きかけたらしい。

今これを書きながら妻に話したら、「お母さんのコレステロール検査のこと、夜中も覚えてて偉いでしょ?」と言われたのでスルーしておいた。


語りかける系1 「できる?」

最近の語りかける系は高度になってきている。

たまたま早朝に目の覚めたぼくが、彼女を布団をかぶせてあげたらこう尋ねられた。思わず「えっ、何を」と返したら無視された。寝言だった。


リピート系 「んー、たとえば!たとえば!」

意味がわからない。


ジェスチャー系2 (無言でただ拍手)

明け方、横を見たら両手を上に伸ばして拍手してた。面白すぎた。


語りかける系2 「また行くの?」

先週日曜の寝言。ぼくは朝から免許の更新に行く予定で、6時半頃に目を覚ました。ベッドから出た瞬間、彼女はぼくにこう声を掛けてきた。

「また行くの?」

いや免許の更新5年に一度だわ。またって何やねんと思ったけど、よく見たら寝てた。

ちなみにこの日の府中運転免許試験場は、建物の外に500mぐらい列ができててウルトラディズニーランドだった。誰か、ファストパスを。


祭り系 「そーれそれそれそれそれ!」

今週水曜の朝、ぼくを起床させたアラーム音。5時半頃、隣のベッドで妻がこうつぶやいて、というか控えめに叫んで、ぼくは目を覚ました。

祭りでもしていたのだろうか。それにしては陽気な感じではなく、割と声に気合が入っていた。部活の応援をする保護者みたいな。

妻に何の夢を見ていたのか尋ねてみた。

「夢を見てた記憶はないんだよね」
「炭鉱の中で作業をしてたのかも」
「石炭を押し上げるような」

シチュエーションが理解不能すぎて面倒くさくなったので、それ以上質問するのはやめておいた。


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百選は無理だったけど、2,000字も使ってた。笑

振り返ってみたら、楽しい寝言が増えてきていることに気づいた。
妻へ。これからも布団は被せるから、楽しい時間をよろしく。

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