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日本酒を紡ぐ

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愛してやまない日本酒への想い。
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2020年8月の記事一覧

グラスの音は時を超えて

キンとグラスを合わせる音が、ぼくらをあの日に連れていく。 お酒を飲むようになって10年余り。仕事でプライベートで、それなりの回数の盃を交わしてきた。浴びるように安酒を飲んだことも、おそるおそる高級酒を口につけたこともある。 景色ゆらぐ居酒屋の座敷、後ろのテーブル席の会話が気になる行きつけのカウンター、思いつきで友人と夜な夜な集まる近所の公園。ときには、誰にも(妻を除く)咎められない家のリビングで。 そこに、いつも乾杯があった。喧噪を切り裂くようなそれも、心の内を確かめ合

火入れだらだら系という原点回帰

そんなジャンルの日本酒が、確実に存在する。言うなればおふくろの味であり、お味噌汁である。 前回の記事に続き、またしてもごーださんの記事(下記)をきっかけにnoteを開いています。ごーださんありがとうございます。 前回の記事では、新酒、春酒、夏酒、ひやおろし、そして生酒を語った。ただ、これら以外にも日本酒の分類、ジャンル分けの方法はある。 醸造アルコールを添加せずに米と水だけで醸された「純米系」と、醸造アルコールを添加してある「本醸造系」。「吟醸系」はその名前のイメージの