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山奥の桃源郷 MIHO MUSEUM

今年の夏、休日はほとんど家で過ごしました。少し寂しいですが仕方ないですよね。旅行したり、帰省したり、食事に行ったり。自由に外出できる環境がまた戻ってくる事を切に願っています。
そんな思いも込めて、数年前の夏に旅行して印象的だった場所を本日はご紹介します。
滋賀県の甲賀市の山奥にある美術館MIHO MUSEUM(ミホ ミュージアム)。

MIHO MUSEUM(ミホ ミュージアム)

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滋賀県の南部に位置する、甲賀市信楽町。その山間部に、『MIHO MUSEUM(ミホミュージアム)』は、1997(平成9)年11月に開館しました。
『MIHO MUSEUM』は、宗教法人・神慈秀明会により、美による社会奉仕を目的として設立されました。
コレクションの数は約3000点。エジプト、ギリシア・ローマ、西アジア、南アジア、中国・西域、アメリカ大陸などの古代美術と、仏教美術、茶道美術、その他絵画や漆工芸・陶磁器などの日本の古美術品を含みます。春・夏・秋の開館時は、世界の古代美術コレクションの展示とともに、テーマを持った特別展示が開催されています。
建築設計は、ルーヴル美術館のガラスのピラミッドなどの設計で知られる20世紀のアメリカを代表する中国系アメリカ人建築家、I.M.ペイ氏。『桃源郷』をコンセプトにした造りは、壮大で美しく、多くの人を魅了しています。

僕が美術館の存在を知ったのは、2017年にルイ・ヴィトンが2018年プレ・スプリング・コレクション(クルーズ・コレクション)をこの場所で発表したからです。
ルイ・ヴィトンが日本でショーをやるというのを聞いて、いったいどこで開催するのかとても気になっていました。
後日ショーの映像を見て、「日本にこんな美しい場所があるのか」とその壮大なスケールに驚きました。
その驚きや感動と同時に「ここに行ってみたい」と強く思い、その翌年の夏、京都旅行のついでに(というかこちらが本命)この山奥にひっそり佇む美術館へ行ってみる事にしました。

LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)/2018年プレ・スプリング・コレクション(クルーズ・コレクション)

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同メゾンが日本でプレ・コレクションショーを開催するのは初。会場となったミホ・ミュージアムは、パリ・ルーブル美術館のピラミッドで知られる建築家のI.M.ペイ氏が“地上の桃源郷”をイメージして設計。数年前にアーティスティックディレクターのニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)が同施設を訪れ、モダニティーと自然を融合させたコンセプトに魅了されたことから、今回のショー開催が実現したという。

コレクションのインスピレーション源となったのは、現代と高貴な先祖伝来の文明、未来主義と詩情、活気に満ちた大都会と優美な自然の風景など、相反するものの間を交互に行き来する世界。その追求の中心にあるのは、日本の伝統文化から始まるモダニティーへの進化だ。侍や鎧、武道の稽古着、象徴的な彫刻、水墨画や浮世絵、能、歌舞伎、さらに黒澤明や北野武の映画の世界観など、ニコラ・ジェスキエールが多岐にわたり探究してきたジャポニズムが、現代を生きるタフな女性のリアルクローズへと見事に昇華された。

全長1kmにもおよぶ巨大なランウェイ。ファーストルックを飾ったのは国際派女優の福島リラ。モデルたちは、歌舞伎役者を思わせるアイラインを強調したメイクアップで登場した。ミニのタイトスカートやスキニーパンツなど、ボトムはミニマルが基本。ウエストマークしたコンビネーションジャケットからは、シャツの袖や裾をのぞかせて動きをつけた。アーバンなパンツスーツや構造的なチュニックは葛飾北斎を想起させる色使い。織り合わせたジャージーやレザーのセーターは、パワーショルダーを強調したシルエットがまるで武士の鎧のよう。イブニングドレスは能舞台のように黄金色の輝きを放ち、繊細な着物の帯はテーパードパンツの素材へと変化した。ショーの後半に登場したスポーティーなジャカードドレスやキャップには盆栽のようなパターンが描かれ、和のムードを加速させていた。

さらに、今回のコレクションでは、デヴィッド・ボウイの衣装のほとんどを手掛けていたことでも知られるデザイナー・山本寛斎へのオマージュとして、山本がデザインした武蔵坊弁慶をモチーフにしたスパンコールワンピースやクラッチバッグ、アクセサリーなども登場した。

壮大な自然と近代的な建築が織り成す幻想的な雰囲気の中で、パリのエスプリと日本の伝統文化が融合した一日。ニコラ・ジェスキエールが表現したモダニティーは、現代人が忘れがちな伝統への敬意を呼び覚ます端緒となったに違いない。

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京都に一泊。朝いちで京都駅から琵琶湖線で最寄りの石山駅へ。ここからバスに乗るのですが、この道中が大変でした。道が悪い上に、ぐねぐねと回る山道をおよそ50分。乗り物酔いする事がない自分でも、これは正直きつかったです。それだけ険しい山奥にミホミュージアムは存在します。行かれる際はどうぞ覚悟して下さい笑

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バスがエントランスに到着。そこから美術館のある建物へ向かいます。歩いて10分くらいかかります。電気自動車の送迎もありますが、自然に囲まれた清々しい景色を見ながらゆっくりと歩く事をオススメします。
そしてその途中には、ランウェイのスタート地点としても使用していた、あの長いトンネルが。不思議なまでの静けさと、先が見えない長い道のり。とても神秘的な空間。

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その一本道を歩いていくと、遠くに少しずつ光が。ミホミュージアムの建物が徐々に見えてくる様は実に感動的です。

長いトンネルを抜けた先。壮大な緑に囲まれた細長い橋があり、その先には円状の広場、そしてミホミュージアムがあります。その光景はまさに俗界を離れた別世界、「桃源郷」のよう。長い旅路の末に辿り着いた、荘厳で美しい光景が広がります。わざわざ行った甲斐がありました。

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和を感じる入母家風なデザインをガラスで表現した建物は、中に入ると優しい光が降り注ぎ、とても居心地の良い空間になっていました。

この状況が収束し、自由に旅行できるようになった時、もう一度行ってみたいなと思っている場所です。行くのはとても大変ですが、時間をかけて行く価値のある美しい場所だと思います。

MIHO MUSEUM(ミホ ミュージアム)
〒529-1814 滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300
TEL:0748-82-3411
営業時間はお問い合わせ下さい


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