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KEN PLAYS KEN 村松健ピアノコンサート2022

ピアニストであり作曲家である村松健さんのライブに行ってきました。
今回は都内。昨今のライブの中では、アクセスの良さが格別です。
会場は豊洲シビックセンターのホール。
北側と西側がガラス張りになっているのが特徴的。

冬も目前に迫る11月開催という事で、季節と共にある健さんのライブは
ライブを行う季節によって選曲がガラっと変わるのが特徴的。
ライブ中に言及していましたが、今まで49枚のアルバムをリリースして
おり、今回ライブで先行販売されたニューアルバムでちょうど50作目。
当然曲のストックも多彩。
どんな曲が飛び出てくるか、これも四季折々に行われるライブに
何度も行ってみたくなる理由のひとつです。

しかし今回は、季節性のライブとは一味違った趣向。
こういった「コンサート会場!」という空間でやる事が少ないので
どちらかというとコンセプトが場所寄りになっています。
曲目もオールマイティで、健さんの曲の中でも耳にする機会が
多いであろうモノがプレイリストにずらり。

特にフライヤーが作り込まれており、もはやパンフレットレベル。
シビックセンターホールの事、今回のライブの仕掛人である村上さんの
インタビュー、近年のライブ写真(自分が写り込んでました)、過去
作品をタイルのように並べたビジュアルアート。
その中に、演奏される曲目が既に書いてあります。
おそらく、ライブに足繁く通うファンよりも「ちょっと行ってみよう
かな?」という気持ちで来たお客さん寄りの舞台なのかな?と。
普段見かけない、若い人達の姿が多くありました。
スタレビの根本要さんも言ってましたが、コロナ禍でそういった
ライト層の足が鈍ったのが結構痛いとの事なので、挨拶代わりの
メジャーな曲を、季節問わずチョイスしたのだと感じました。

還暦を超えて音楽活動が盛んな健さんの事、曲も増えていくので
「聞きたかったあの曲」が、ライブに行っても耳にできない事が
あり、そういった配慮もあったのでしょうか、
富士通のCM曲(思いは海を越えて)、アフラックのCM曲(光の
ワルツ)、テレビ埼玉天気予報(雨上がりの国/flying together)、
そしてライブの定番曲である「出逢いと別れ」
これだけ一度に聞けるのは、かなりの満腹度でした。

1部が終わり、新作販売を兼ねた休憩時間を挟んで、第2部へ。
ここで、今まで閉まっていた会場のブラインドが解放され
舞台の向こう側、ガラス越しにレインボーブリッジが出現します。
気分をガラリと変えて、冒頭は健さん手製の三味線で2曲。
今回のライブで、自分が一番驚いたのはココ。
三味線といえば、余韻の少ない乾いた音色が特徴的で、それが
ピアノとは違うバリエーションとなっている、という印象だった
のですが、こういう「コンサート用のホール」で弾くと
まるで違う風に聞こえるんです。
残響音がそうさせているのでしょうか。
アルバム「生まれ変わる9の方法」に収録されている好きな曲、
「手袋とスープと昔ばなし」を原曲として、三味線一本で演奏した
「ゆむぐとぅ(唄えごと)壱」をプレイした際、その残響音が
原曲のクラヴィコードの音色にどんどん近付いていて、
マジか!すげぇ!と一人興奮しながら聞いていました。

フルートを演奏しながらピアノに近付いていき、間髪入れず
楽器をピアノに持ち替える、健さんの得意技を見せた楽曲の後
いよいよライブは大詰めへ。
アンコールを含めたラスト3曲「懐かしい街に帰ろう」「出逢いと
別れ」「雪催」は、疾走感のあるプレイで、前述したライト層に
かなり好印象を残したのではなかろうか、そう思える訴求力のある
時間となりました。
何度聞いても「懐かしい街へ帰ろう」の2度目の転調部分は涙腺が緩む…
「雪催」で締め括られた今回のライブ、すぐ傍に迫った冬の気配と
充実感と空腹感を抱えて会場を後にしました。

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