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【新卒ストーリー】職人技術を未来へ繋ぐ。地方自治体×プロシェアリングで新たな「勝ち筋」を-Vol.12 鶴見 真子-

みなさん、こんにちは!
株式会社サーキュレーションの新卒採用チーム、佐藤里緒菜です!

サーキュレーションでは、創業当初より新卒採用を行ってきました。
2016年の1期生をはじめとして、2023年には8期生を迎え入れ、新卒入社メンバーは総勢70名以上になっています。

新卒入社したメンバーは会社を創っていく担い手として、コンサルタントやマネジメント職だけでなく、マーケティング・広報・人事などあらゆる領域で活躍しています。

そんな新卒でサーキュレーションを選んだメンバーが、様々な困難に直面しながらもどのようにそれを乗り越え、現在どんな活躍をしているのかを紹介したいと思います。

今回は、2023年3月度「泣ける仕事賞」を受賞した鶴見真子さんにインタビューを行いました!

アライアンス推進部パブリックチームで、日々地方のために何ができるかを考え、行動している鶴見さんの活動内容や、地方への想いを語っていただきます。

※泣ける仕事賞:売上以外の成果や日々の仕事のプロセスの中で、お客様や社内のメンバーに感動を与えた社員に贈られる賞。

鶴見 真子|アライアンス推進部パブリックチーム所属
東京工業大学修士課程修了後、2018年に新卒で入社。
1年半首都圏製造業チームで化粧品・健康食品業界を担当後、2019年11月から1年半北信越支社で富山県の企業開拓に注力。
2021年5月からアライアンス推進部に加わり、東日本エリアの金融機関との連携強化と全国の金融機関とのサステナビリティ/ESG推進のテーマでの連携強化を担当。
2022年8月以降はアライアンス推進部パブリックチームで、公共事業案件創出に携わっている。


1.「泣ける仕事賞」受賞に導いた「DX地域活性化チーム派遣実証調査事業」の取り組み

ーー泣ける仕事賞の受賞、おめでとうございます!

鶴見:
ありがとうございます!

ーーまずは普段のお仕事についてお伺いさせてください!アライアンス推進部ってどのような活動をされているんですか?

鶴見:
アライアンス推進部自体は、主に2つ活動をしています。
1つ目は、地方の企業様にプロシェアリングを活用いただくために、地方銀行など金融機関と連携すること。2つ目は、私が所属するパブリックチームでの活動ですが、地方創生に寄与するために、地方自治体など行政機関の案件をプロ人材と一緒に取り組むことです。
このパブリックチームは昨年2022年8月に発足してから、富山県との伝統工芸ミライ創造事業や、今回の受賞に繋がった内閣府の自治体DX推進事業を担当しています。

実は今日つけているかんざしとこのお団子が載っているお皿も富山県とのお取り組みで関わらせていただいている「高岡漆器」のものです。

※「高岡漆器」は富山県の国指定の伝統的工芸品で、
400年以上の歴史を持つ技術、立体感と独特な絢爛さが特徴である。

ーーそうだったんですね!色鮮やかで素敵だなぁと思って見ていました。そちらのお取り組みについても後ほど詳しくお聞きしたいです!

鶴見:
ぜひ、お話しさせてください!

ーーありがとうございます!今回の受賞については、当社初の自治体組織内でのプロシェアリングの活用に寄与されたということですが、活動内容について詳しくお伺いさせてください。

鶴見:
はい!内閣府による「令和4年度 DX地域活性化チーム派遣実証調査事業」を受託し、2つの自治体に対して、DX事業の推進支援を行いました。
この事業は、岸田文雄首相が掲げる「デジタル田園都市国家構想」を推進する中で、地方にDX人材が不足していることを背景に、複数名の外部人材で組成するチームの活用を実証調査することが目的にありました。

ーーへぇ〜なるほど!どれくらいの期間で、どんな支援をされていたんですか?

鶴見:
実証調査期間は6ヶ月間で、2つの自治体に弊社からプロジェクトマネジメント、セキュリティ対策において知見のあるプロ人材の計2名のチームをそれぞれ組成し、都市OS(データ連携基盤)を活用したデジタルサービスの実装を支援しました。
支援先の長野県茅野市では、実証調査事業の終了後も都市OSの拡張等をするため、引き続き弊社を活用いただいています。

詳しい取り組み背景やプロ人材の経歴については下記プレスリリース参照▽

2.地方自治体初、プロシェアリング活用における苦悩

ーー改めて、地方自治体の外部人材の活用の可能性を切り拓く良い取り組みですね!このプロジェクトは鶴見さんお一人でPMをしていたとお聞きしたのですが、プロジェクトを進める中で大変だったことは何かありましたか?

鶴見:
たくさんありました。
弊社にとって初めての自治体によるプロシェアリング活用ということで、庁内手続きのための対応や、自治体でプロ人材をチームとして活用いただく上で何が必要かをレポートでまとめることなど、新しく挑戦することが多かったです。
今だから言えますが、プロジェクト初期の頃は、毎日「これで合っているのかな」「何か抜け漏れしていたらどうしよう」と不安に苛まれていました。

ーー大変ですね。どうやってその状況を乗り越えたのですか。

鶴見:
当初、その時々にできることを調べてがむしゃらに対応していたのですが、手戻りになってしまうことがあったので、改めてPMの業務ってなんだっけ?と立ち返り、上司の猪俣さんから推薦してもらった本を参考にしながらガントチャートを書いたり組織図をまとめたりして、現状の課題や今後何が起きそうかなどを整理しました。
そのおかげで、状況把握や先を見据えたスケジュール立てができ、プロジェクト半ばからは安定してプロジェクトの進捗をモニタリングすることができました。

あと、プロジェクトを進める上では「なんとかなるマインド」を持つこともすごく大事だと思いました。当初は常に、「私って何もできない、私が状況を悪化させているのではないか?」と不安な気持ちに苛まれていたのですが、そういったネガティブな感情って、普段できることもできなくさせてしまうんです。
どんなメンタル状態でも起きることは起きてしまうので、一定の緊張は持ちつつ、楽観的でいることがパフォーマンスを出す上では大事だなと痛感しました。

3.「地域の仕事をしたい」という想いが実った、富山県の伝統工芸品の振興事業

ーーありがとうございます。それでは冒頭で触れていた、富山県との「伝統工芸ミライ創造事業」についてお話を聞かせてください!改めてこちらはどういうお取り組みなのでしょうか。

鶴見:
取り組み内容としては、富山県の伝統工芸事業者様が、伝統的工芸品の産地や異分野・業種の企業と連携し、産地内で横展開できるような新たなブランドやプロジェクトの創出を3ヶ年かけて目指すというものです。
1年目となる令和4年度は、10の事業者や複数事業者で組成されたグループ・組合様がプロ人材2名と新ブランド・商品の企画や立案に取り組みました。今年の令和5年度には、最大5事業者の企画案をもとに、試作や連携企業の発掘、販売戦略の策定を行い、令和6年度には、それぞれの取り組みや販路先拡大のためのプロモーションを支援する予定です。

詳しい取り組み内容や伝統工芸品の詳細については下記プレスリリース参照▽

ーーなるほど。伝統工芸品を他県の人の目に届けることができる素敵なお取り組みだなと思ったのですが、これはどういう経緯で、弊社が携わることになったのですか。

鶴見:
北信越支社でプロシェアリングコンサルタントとして富山県の担当をしていた時、提携している銀行の行員さんに「自治体の事業に関わりたい」とよくお伝えしていたんです。
そしたら、それを覚えていてくださった行員さんが、「鶴見さんがやりたいと言っていたような事業を富山県がやろうとしているよ。」と教えてくださり、提案するに至りました。
その行員さんには支社立ち上げ当初からお世話になっており、感謝の気持ちでいっぱいです。

※鶴見さんが2019年に富山県で初めて受注した際に、記念で支援に入るプロ人材と撮影した一枚

ーー北信越支社にいたことでできたお取り組みなんですね。

鶴見:
はい。本当にありがたいです。だからこそ、「自分のできることはなんでもやろう」という精神で取り組んでいます(笑)

事業者さんは、何百年という技術を代々継承しながら、経営されている方々です。
そこに、プロ人材の方が関わってくださるので、私ができることは、とにかく動くこと!だと思っています。

4.職人さんの素晴らしい技術・大好きな地域に関わりたい

ーー素敵ですね。ただ、「できることはなんでもやろう精神」、口に出すのは簡単ですが、実際に行動に移すのは難しいなと思います。そこまで頑張れるモチベーションの源泉は何なのですか。

鶴見:
2つあって、1つ目は祖父の影響です。
私の祖父は建具屋を3代目として営んでいました。バブルのころは新築の需要もあり、繁盛していたのですが、私が中学生になるくらいから景気が悪くなり、一緒に働いていた職人さんも段々と減っていきました。そしてその数年後、最期の最期まで病床の上で工房を心配しながら、祖父は息を引き取りました。

私は、祖父の「頼まれたらなんでも作ってしまう匠の職人」の一面しか知りませんでしたが、素晴らしい経営者だったと思います。私が小学生になる時は、勉強机を作ってくれました。
ただ、需要が小さくなっていく中、マーケティングのノウハウやその技術をどう転用すればいいか指揮をとれる人がいなかったのだと思います。
今は4代目として叔父が後を継いで、自治体連携のプロジェクト等、様々なことにも取り組んでいますが、祖父を含め、日本の素晴らしい職人さんの技術が存続し続けられるような「勝ち筋」を見つけるために、私も微力ながら寄与したいと日々活動しています。

2つ目は、大学生時代のインターンシップでの活動で感じたことです。
学生時代に3年ほど自治体のPRや地域の仕組みづくりの受託事業を行っている会社にインターンをしていました。
そこで「勿体無い!」と感じたのが、自治体は単年度予算のため、数年単位で事業を行うことが難しく、また、職員さんも数年で異動になってしまうため、熱量ある職員さんがやりたいことがあっても実現しにくいということでした。

そんなことを漠然と思っていた時に、サーキュレーションを知り、もし、事業の構想設計〜推進する時に、その領域の専門的知識や経験を持つ民間経験者が、利害関係のないフラットな目線で地域のことだけを考えて関われたら、中長期的に持続可能な「事業」を職員さんと一緒に企画できるのではないかと思い、入社しました。

ーーなるほど、そういう原体験があったんですね。どちらも、鶴見さんの「力になりたい」という想いが伝わるエピソードです。

鶴見:
ありがとうございます!「力になりたい」というより、「自分が好きと思うものを守れる人間でありたい」みたいな理想からくる想いかもしれません。笑

自治体、伝統工芸事業者・組合の方々も、「地域のプロ」「伝統工芸のプロ」なので、そこにプロシェアリングを通じて不足するパーツが加わることで、時代が進むにつれて内部だけでは解決できないことも、発展し続けられると信じています!
なので、仕組みづくりと言ったら烏滸がましいですが、その一助に貢献したいと思っています。

ーー素敵な想いをお聞かせいただきありがとうございます!それでは最後に、読んでくださった方に向けて一言お願いします!

鶴見:
今回の内閣府のDX事業、富山県の伝統工芸品事業のように、自治体でのプロシェアリング活用を増やせたらと思っています。
富山県の事業に関しては、随時プレスリリースなど発信していきますので、お力添えいただける方はぜひ鶴見までご連絡お願いします。

【鶴見へのお問い合わせ先】
株式会社サーキュレーション 担当:鶴見(つるみ)
メール:alliance_p@circu.co.jp
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-21-5 サーキュレーションForPro

最後までお読みいただきありがとうございました!

執筆者:大橋 真実
編集協力:鶴見 真子、川島 誠洋