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薬膳(2)

■季節の変化・気功に合わせて”食”を考える
人間は自然環境の一部である。体内の環境も自然の変化に順応させ、健康を維持している。季節の変化や気候に応じ、食べ物を選ぶことで健康を保つ。

●春~風
立春、雨水、啓蟄、春分、清明、穀雨の6つの節気を経て、立夏までの3か月。
◎春に適した食べ物
蕎麦、大根、香菜、せり、セロリ、小麦、大麦、トウモロコシ、ネギ、キャベツ、ほうれん草、トマト、鴨肉、牛肉、ソラマメ、エンドウ豆、ジャガイモ、南瓜、山芋、大豆、椎茸、大棗(たいそう)、人参、菊花、薄荷(はっか)、納豆など

●夏~暑
立夏、小満、芒種、夏至、小暑、大暑の6つの節気を経て、立秋までの3か月。
汗をかきやすいので、口渇、身熱、尿少など、水分不足が起こりやすい。
◎夏に適した食べ物
セロリ、せり、白菜、タンポポ、薄荷、菊、葛根、トマト、レタス、キュウリ、緑豆、はと麦、リンゴ、キウイ、豆腐、バナナ、冬瓜、鯉、はも、大根、ラッキョウ、蕎麦、スイカなど。

●長夏(日本では梅雨)~湿
夏と秋の間、大暑、立秋、処暑、白露の4つの節気の間。
湿邪の重濁性と粘滞性により、身体のだるさや重さを感じ病気も長くなりがち。蒸し暑く、細菌の繁殖しやすい季節。食べ物の取り扱い、食中毒に注意。
◎梅雨時期に適した食べ物
梅、緑豆、菊花、豚肉、へちま、金針菜、スイカ、はと麦、玉葱、冬瓜、小豆など。

●秋~燥
立秋、処暑、白露、醜聞、寒露、霜降の6つの節気を経て、立冬までの3か月。
収穫。自然界は陽盛から陰盛へ。人体陰陽も、陽消陰長へ。
気候が涼しくなり空気が乾燥。乾燥により水分を消耗させるため、津液不足に注意。
◎秋に適した食べ物
銀耳、木耳、ナシ、杏仁、百合、ピーナッツ、鱈、豚肉、鶏肉、うるち米、クコ、ネギ、栗、バナナ、キウイ、柿、カニなど。

●冬~寒
立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒の6つの節気を経て立春までの3か月。
冬眠状態。寒くて乾燥しているため、風邪、下痢、頭痛、腹痛、関節痛、喘息、高血圧、痙攣などに注意。
◎冬に適した食べ物
うるち米、もち米、粟、大麦、ジャガイモ、人参、インゲン、羊肉、鹿肉、豚肉、レバー、なまこ、エビ、胡桃、ほうれん草、ニラ、松の実など。

■体質の分類
「陰」「陽」「気」「血」「津液」
1.陽虚体質(冷え体質)・・・身体を温め活動の源となる陽の要素が不足気味。
2.陰虚体質(ほてり体質)・・・身体を冷まし潤う源となる陰の要素が不足気味。
3.気血両虚体質(疲労貧血体質)・・・気、血が不足気味
4.気滞血瘀体質(つまり体質)・・・気血の流れが悪いタイプ 
  *瘀(お)=滞る
5.脾虚湿困体質(むくみ体質)・・・水分代謝、脂肪代謝が悪いタイプ
6.湿熱体質(暑がり体質)・・・身体に熱と余分な水分が溜まるタイプ

■症状別の薬膳
症状に適した食薬、中薬を取り入れる。

●疲労・・・補気類・補血類・利水滲湿類(りすいしんしつるい)・清熱解毒類
利水滲湿類(りすいしんしつるい) とは、利尿作用により、体内に滞った余分な水分を取り除く作用を持つ食薬のこと。

●冷え性・・・補陽類・補血類・理気類
慢性的な冷え性は、陽虚証。血液が不足気味は血虚証。気の巡りが悪いのは気滞証。

●不眠症・・補陽類・補血類・理気類
中医学では、感情のコントロールに関わる肝と、気血に関するこことと深い関わりがあると考える。暴飲暴食による熱化型の場合もある。
ストレスを緩和させ、リラックスすること。

●風邪・・・辛温解・辛涼解表類・清熱類・利水滲湿類
寒性の鼻風邪:温める
熱性の風邪:身体を冷やす

●ストレス・・・理気類・補気類・補血類・利水滲湿類・清熱類・化痰類
肝機能:気血の流れが悪くなる。
心:動悸、息切れ
脾:代謝機能の衰え

●美容
2000年以上前の医学書「五十二万病方」に美容の処方記載。


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