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【新NISA】S&P500や全世界株だけの投資は超危険

こんにちは、20代投資女子のCIOです✨

今回は、S&P500だけでは危険というテーマでお話しします。
新NISAに向けて、投資商品を検討中の方も多いかと思います。
YouTubeなどのSNSではSP500や全世界株一本でOKといった内容も散見しますが、私は全くお勧めしません。

みんなが買ってるから、アメリカ経済は堅調だからといった何となくの理由だけで投資されている方がいれば、ぜひご一読下さい。

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真の分散投資ではない

はじめに、私は米国株の将来性を感じていますし投資もしております。
今回お伝えしたいのは、米国株単体ではリスクが大きいという点です。
こちらは日本株(TOPIX)と米国株(SP500)の長期的な推移です。

まだバブル時の最高値を更新できていない日本株に対して、この期間に米国株は13倍に上昇しました。しかし、米国株は成長が続いているから、という理由だけで、米国株にしか投資しないというのは危険です。主な理由は2つあります。


①分散効果が低く、リスクが大きい


最も大きな理由は、米国株単体では分散効果が低く、リスクが大きいためです。
投資の基本は分散投資であることはご存知の方も多いと思いますが、真の分散投資は、性質や値動きの異なる資産に分散することで、リスクを小さくしつつリターンを大きくすることです。

この視点で考えると、米国株のみへの投資は真の分散からはほど遠いです。

例えばSP500は500社で構成されているものの、全て「米国」上場の「株式」であり、500社の株価は全体として似たような動きをしやすいです。
資産運用では、「卵を一つのかごに盛るな(Don't put all eggs in one basket)」ということわざがあります。

GPIFより引用

一つのかごを落とすと全て割れてしまう(大きな損失)ためです。
SP500はまさに国も性質も同じ商品(卵)の集まりであり、不測の事態が発生すれば大きな損失となります。これは分散が効いている状態ではありません。

 真の分散投資に近づくためには、アセットクラス(株式、債券、商品など)と地域を分散させることが重要です。
アセットクラスや地域が異なる商品を複数持つと、それぞれ違った値動きをしやすいため、分散効果が期待できます。
Aが下がってもBでカバーするイメージです。


 少し難しくなりますが、組み合わせのポイントとなるのが相関係数です。相関係数は−1から1の範囲で表され、1に近づくほど似たような動きをしやすく、−1に近づくほど逆の動きをしやすい関係となります。
分散投資という点では、相関係数が低い資産を組み合わせることで、お互いの価格変動や損失を穴埋めでき、効果的な分散となります。

ピクテジャパンより引用

⬆️こちらは過去25年間の実績に基づく、各資産の相関係数です。

今回のテーマである米国株式の列を見ると、世界株式や先進国株式との相関は非常に強いです。
よって、米国株が下がればこのような資産も下がりやすく、組み合わせても分散効果は小さいです。

同じ株式であっても新興国との相関係数は比較的小さいです。
また、米国株と米国債は相関係数がマイナスなので逆の動きをしやすく、ゴールドは係数が0に近いのであまり関連性がないことが読み取れます。

これを踏まえると、米国株には新興国株や国債、ゴールドを組み合わせることで高い分散効果が期待できます。
先ほど言及した通り、アセットクラスと地域を分散することが重要です。

そもそも米国株単体では分散効果が低いのですが、近年は米国株インデックスそのものの分散効果も小さくなっています。
その理由は、アメリカの代表的なインデックス(SP500やナスダックなど)では、一部の企業や業種への依存度が非常に高くなっているためです。
SP500は時価総額加重平均で算出されるため、時価総額の大きな企業はそれだけ指数に占める割合も大きくなります。


これには一定の合理性がありますが、近年は一部の企業の存在感がますます大きくなっています。


 今年7月末時点のSP500を例にすると、構成比率トップのアップルがインデックスに占める割合は7.7%で高いです。
また、マイクロソフトやエヌビディアを含め、上位9社で全体の30%をしめます(ITバブルでは上位10社で25%)。
さらに、上位7社のうちテスラ以外はテクノロジー関連企業であり、一業種への集中度も高まっています。
このように一部企業や業種への依存度が高まっており、500社への分散投資から想像するほどの分散効果は期待できません。



②将来のリターンは不確実

米国株単体で運用するもう一つの注意点として、過去のリターンは将来を約束せず、今後米国株が停滞するかもしれない点が挙げられます。

米国株に投資する理由の一つとして、これまでの大きな成長があるかと思います。
米国株は成長が続いているイメージがあるかもしれませんが、非常に強いパフォーマンスを示したのはここ10年の話です。
こちらはSP500の推移ですが、2000年代は長期停滞の期間でした。このようなデータは頭に入れておく必要があります。


 1990年代後半、ITバブルに沸いた米国では、インターネット関連企業というだけであらゆる銘柄が買われました。
しかし、実態を伴わない株価上昇は、2000年3月をピークに崩壊しました。
ITバブルの崩壊でSP500は49%、新興企業の多いナスダック指数は78%下落しました。

 その後、ようやく株価が回復してきたのも束の間、今度は2008年のクレジットバブル崩壊(日本ではリーマンショック)で、株価は再度50%近く下落しました。
2度のバブル崩壊により、ITバブルのピークを大幅に超えるまでには実に12年を要しました。


 直近の10年間は非常に大きく上昇した米国株ですが、その前の10年間では50%の下落を2度繰り返しており、株価は一切成長しておりません。
今後についても、ここ10年間の驚異的なリターンは約束されておらず、大きな暴落もあり得ます。
このようなデータを踏まえ、米国株の成長を盲信するべきではないと思います。


全世界株はほぼ米国株


同じような理由から、全世界株式一本での運用もお勧めできません。
米国株単体と比べれば分散が効いていますが、それでもリスクが高いです。

そもそも、全世界株式とはいうものの、その内訳の半分以上は米国株です。

代表的な全世界株はMSCIが算出するオールカントリー・ワールド・インデックスに連動していますが、インデックスの6割はアメリカ企業です。
さらに、日本やヨーロッパ諸国を含めた先進国の割合は9割です。

 このようなポートフォリオは分散が十分に効いているとは言えません。
先程もご紹介した各資産の相関係数を見ると、米国株と先進国株は0.97で、基本的にほぼ同じ動きをします。

米国株が下がれば他の先進国株も下がるので、リスク低減にはつながりません。
また、米国株との組み合わせで有効とお話しした新興国株の比率は10%のみです。9対1の比率では、新興国株のパフォーマンスはあまり反映されません。

このように、全世界株式は半分以上が米国株、相関の強い先進国株を含めると9割となるため、実質的には米国株単体へ投資するのとリスクは同じです。
どう判断するかは人それぞれですが、私は全世界単体ではリスクが大きいと思います。


米国株vsオルカン議論は意味がない

ちなみに、米国株か全世界(オルカン)かという議論がよくありますが、お話ししてきたようにリスクの観点からは大差なしです。
ここ10年のリターンで比べると米国株が圧倒していますが、いずれにしてもどちらか一本のみで運用するのはリスクが大きいです。
また、何となく米国株と全世界株を両方保有されている方もいるかもしれませんが、相関係数は0.97であり、その二つに分散する効果はほぼありません。

米国株か全世界か、あるいは二つとも持つかといった議論よりも、
他にどんな資産(債券やゴールド)を組み合わせるとリスクが低減できるのかを考える方が意味があります。


終わりに

ここまで、米国株や全世界株単体で運用する危険性について、分散効果の低さと不確実な将来リターンの点からお話ししました。
繰り返しになりますが、私は米国株の将来性を感じておりますし、投資もしています。

伝えたかったこと

今回お伝えしたかったことは、米国株はやめた方が良いとか、危険というのではなく、私の意見では自分の資産を100%投資するだけの魅力はないという点です。

現在は新NISAに向けて、何に投資をしようか検討中の方も多いかと思いますが、今回お話しした内容が参考になれば嬉しいです。
もちろん、明確な根拠を持って米国株一本で投資するという選択もあり得ると思います。

投資で重要なこと

最後に参考程度ですが、私は資産運用において
・何に投資をしているのかを理解すること
・リスクとリターンのバランス
を大切にしています。

S&P500であれば、どんな企業で構成されていてどれくらいの利益成長が見込めるのかを理解する必要があります。
また、長期的(2,30年)には成長が見込まれるものの、50%を超える下落や10年間の停滞も過去にはありました。
これらを踏まえて上で、それでも米国株のみで運用する明確な根拠があるとすれば、一本で勝負する選択もありだと思います。

最近の米国株についてはこちらの動画で解説しておりますので、ぜひご覧ください🔽


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【免責事項】
このnoteは、有価証券への投資を勧誘することを目的としておらず、また何らかの保証・約束をするものではありません。投資に関する決定は視聴者様ご自身のご判断において行っていただきますようお願い申し上げます。


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