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2023年5月の読書記録

普段は読書メーターに読書記録をつけているのですが、字数制限があったりエクスポート機能がなかったりするので、バックアップがてらこちらにも月ごとにまとめていくことにしました。(📕書籍・Kindle/🎧audible)

5月の読書まとめ

2023年5月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2162ページ
ナイス数:125ナイス

https://bookmeter.com/users/1257218/summary/monthly/2023/5

7冊とただでさえ少ない中、4冊がaudible。
6月半ばに資格試験を控えているためなかなか読書の時間が取れず、通勤中に聴けるaudibleの割合がついつい多くなってしまう。
そして積読は増える一方……試験が無事に終わったら消化ターンに入りたいなあ!


各作品の感想・評価

読書メーター投稿時の感想からネタバレ成分をなるべく省き、あらすじや255字で書ききれなかった感想を加筆しています。

評価基準

☆☆☆☆☆ 文句なし! 年間べスト級
☆☆☆☆★ 面白かった! 大満足
☆☆☆★★ それなりに楽しめた
☆☆★★★ 可もなく不可もなく
☆★★★★ イマイチ合わなかった……

📕☆☆☆☆★「ババヤガの夜」王谷晶

寺田克也の表紙が印象的でかなり気になっていたんですよね。文庫化を機に手に取ったのですが面白かった! 疾走感のある物語で一気読み。

ヤクザのお嬢様とその用心棒が心を通わせ組織からの逃避行を図る……という筋はかなり王道ベタですが、暴力の申し子のような新堂依子の存在感によって無二の物語になってるな~と思った。

世界と自分との間にどうしようもないズレを抱えた人びとが、いかにしてそこに折り合いを(あるいは決着を)つけて生きていくか……というお話だと思っているのですが、そのテーマと話の構造が有機的に結びついているところもうまいです。おすすめ。

📕☆☆☆★★「Mephisto Vol.7 2023 Spring」

メフィスト 2023 SPRING Vol.7 感想
https://note.com/cinita/n/nd1e53f31b293

🎧☆★★★★「スタッフロール」深緑野分

華々しい映画業界を支えるクリエイターたちの地道な仕事にスポットを当てた作品で、映画のトリビアや特殊造形・CG映像の制作過程や技術的な話は大変興味深く聞けたんだけど、肝心の本筋……メインキャラクターたちの物語にあまり魅力を感じられなくて、最後まで乗れなかった。
うだうだ悩みながら職場やルームメイトに迷惑かけまくるヴィヴにだいぶイライラしたし、2部で発生したある問題の原因と解決の流れはあまり納得がいってない。

「ベルリンは晴れているか」積んでるんだけどどうしようかな……。

🎧☆☆☆☆★「【新版】財務3表一体理解法 」國貞克則

audibleでは小説ばっかり聴いていたけどこういう本もあるんだなあ。簿記の勉強が難航していたので助けになればと聴き始めたのですが、かなり面白かった!

B/S・P/L・C/Fの役割や構造の解説から始まり、各取引がこの三表にどう反映され、各表がどのように連動しているのかが具体的な例を挙げて丁寧に解説されていて、資格テキストで腑に落ちなかった処理の理屈がようやく飲み込めた気がする。がんばろう……。

🎧☆☆★★★「ポアロ登場」アガサ・クリスティ

ポアロとヘイスティングズの印象が「スタイルズ荘の怪事件」とかなり違って面食らいました。訳がタメ口なんですよね。ポアロの一人称も「僕」だし。それに合わせてナレーターの演技のテイストもかなり違うし。
(今回はワシントン・ポーシリーズも担当されてる藤井剛さん! うれしい)

意地が悪くて大人気ない自信家のポアロと、すぐに調子に乗る明るいおしゃべり野郎のヘイスティングズが小気味よくタメ口でやりあう姿は、対等な気のおけない友人同士という感じでイイ。
なんか全体的にホームズ&ワトソンのバディ関係をなぞったような雰囲気だったな、大家さんとか出てくるし。「チョコレートの箱」とかもろにオマージュしてますしね。

一編選ぶとしたら「謎の遺言書」が好き。依頼人の叔父と姪の造形も面白いし、ラストのポアロが語る逆説も自信家ぶりが伺えてほほえましい。

📕☆☆☆☆★「東京店構え マテウシュ・ウルバノヴィチ作品集」マテウシュ・ウルバノヴィチ

「美の壺」のレトロ建築回紹介されていて気になっていた本。
イラストレーターのウルバノヴィチ氏が実際に見て回ってこれだ!と思ったお店を描いたイラスト集で、日本の商店の「顔」のなんと多様で個性に満ち溢れていることか! と眺めていて本当に楽しい一冊でした。

光と影の彩色がカラフルで独特なんだけど、お店のリアルな実在感としっかりマッチしていて大変魅力的。建物のディティールについての筆者のコメントも視点が独特だしこだわりを感じて大変面白かった。


🎧「誰か―Somebody」宮部みゆき

☆☆☆★★

三郎や梶田姉妹を始めとする人物造形や、情景、心情描写が巧みで、一人の男性の人生を追ってゆく過程と交差する人間模様にすっかり引き込まれてしまった。

じゃあなんで☆3なのかというと、終盤炸裂する悪意の連打にかなりげんなりしてしまったから……それを受け止めてしまえる三郎の打たれ強さが本当にもどかしい。ちょっとでも言い返してくれたら聴いてるこちらもスッキリできるのに! まあそんな善人だからこそ感情移入してしまうんだけど。
ほんと巧いなあ、宮部みゆき。

続刊の「名もなき毒」は配信が予定されているけど、本作以上にヘビーそうなので、聴くのは勇気がいるなあ……。


気になる6月の新刊

📕書籍

6/15「エフェクトラ――紅門福助最厄の事件」霞流一
6/15「本格王2023」アンソロジー
6/20「名作ミステリで学ぶ英文読解」越前敏弥
6/20「カラー版 名画を見る目Ⅱ」高階秀爾
6/20「蒸気駆動の男」アンソロジー
6/21「密室ミステリガイド」飯城勇三

なんと言っても来月は霞流一の新刊ですよ!
最近の作は、ミステリとしてはかなりすごいことやってんだけど癖の強い設定にちょっとついてけない感があったのですが、今回は久々の紅門福助ものということでかなり楽しみ。

🎧audible

6/9 「ヨルガオ殺人事件 上」アンソニー・ホロヴィッツ
6/28「プロジェクト・ヘイル・メアリー 下」アンディ・ウィアー

「カササギ殺人事件」が内容もナレーションも最高だったからヨルガオにもかなり期待してるんだけど、下巻の配信予定が8/11だからそれを待ってからにしようかな……。

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