ビストロ・サバイバー

私には恩師がいる。
高校1年の担任の先生、華道の先生。
そして私の最大の不幸を支えてくれた、大学の先生。

先日、ひょんなことから連絡をとり、ランチに誘ってもらった。

「あの頃は色々あったわね」
昔より少し痩せたようすで、先生は懐かしそうに目を細めている。美味しいお肉を頬張りながら、私は当時を思い出していた。


私は大学2年のときに学校に行けなくなった。
今までの我慢が決壊し、どうにもできなかったのだ。
夜中に死にたい気持ちを抑えながら必死に復帰できないか探した。自分に足りないものは何かを毎日検索欄に入れて記事を鵜呑みにして自分をいじめる毎日。
涙が止まらなくて、タブが400になったのを境に病院に駆け込んだ。

病名はつかなかったが、もしもう少しあのままだったら鬱になっていたと告げられた。

帰りに、久しぶりにLINEのトークを見た。
何件か心配のメッセージがあったが、どうしても返信ができず、少しして体調不良だと送った。これを最後に、私は1年間休学することにした。

人が好きだった。
傷つくのが怖くて深くは関われなかったが、私なりに大事にしてきたつもりだ。
だからこそ、言えなかった。助けてほしい、今学校にいけなくて苦しいんだと。
どうにかしてほしいなんて思ってない。ただ話を聞いてたまに一緒にいてほしかった。

誰からの声にも耳を貸さなかった私のもとに、一通のメッセージが届いた。
先生からだ。
心配の言葉がずらっと並んでいた。でも、不思議と先生の言葉は大丈夫だった。
私のことだけを考えて、何一つ無理なことなく私に届いた。

それからは早かった。
単位の相談や就職のこと、私の家庭環境まで親身になってくれたおかげで、私は1年遅れてだが無事に卒業できた。
かなり色々あったが、長くなるからいつかまた書きたいと思う。

そんなこんなで、今は優しい職場で忙しくも穏やかに過ごしている。

先生ありがとう。あなたのような大人が世の中にはいるんだという事実だけで、社会に優しくあろうと思います。
この先のあなたの人生が、全て優しいものでありますように。

またランチ行きましょうね。
以上、雑記でした。

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