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息子そっくりの少年に出会った女性の心の揺れを描く『おもかげ』の短編版、期間限定公開!

 短編を長編化するという流れは、今年日本で公開された新人監督作によく見られる傾向だ。現在ヒットを続けている韓国のキム・ボラ監督『はちどり』の前日譚が、主人公の小学生時代を描いた短編『リコーダーテスト』だし、「Black Lives Matter」のデモが盛んに行われている今話題となった『SKIN/スキン』も、黒人に対する白人の強烈な差別意識を強烈な皮肉を込めて描き、2019 年アカデミー賞短編映画賞を受賞した短編『SKIN』より一部登場人物も引き継ぎながら、ストーリーを大きく膨らませ、憎しみの連鎖を断ち切るまでを描いている。

 そんな中、10月23日に公開されるスペイン・フランス合作の『おもかげ』は、2019年アカデミー賞®にノミネートされた類稀なる短編の「その後」を描いている。現在、公開日までワンシーンワンカットで描かれる衝撃的な短編が公式サイトで公開されている。旅先で夫といるはずだった息子からかかってきた電話から、息子がビーチに一人きりであることを知り・・・。自分がその立場だったらどうするだろうと思わず考えてしまう展開に釘付けになる短編。これを見ると、その後の主人公のことが知りたくてたまらなくなるはず。新しい形の短編を長編に発展させる方法だなと『おもかげ』を見て納得することだろう。この新しい才能をお見逃しなく!

©Manolo Pavón

短編「Madre」(10/22(木)23:59まで期間限定公開)

http://omokage-movie.jp/madre.html

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