『デッドリー・イリュージョン』(2021)

 悪魔系だと思って観ていたら全然違った。Netflixのあらすじ、たまに違和感がある。

 ベストセラー作家のメアリー。久しぶりの執筆に集中するため、ベビーシッターを雇うことにする。契約したのは、清楚で礼儀正しく読書好きなグレース。子どもたちを甲斐甲斐しく世話し、皆から愛される彼女に、メアリーは心を許す。しかし執筆中に現実と想像の区別がつかなくなる問題を持つメアリーは、今度も酷い悪夢を見てしまい、グレースとぶつかることとなってしまう。

 話の筋も結末もなんだか『エスター』を感じる。けれども及第点だ。なぜかって? 女性同士のセクシーな絡みが何度もあるから。

 「悪夢」の中でグレースに誘惑され、ついつい乗ってしまうメアリー。外国人の歳の差百合って美しくて好きだ。どこまでが現実で、どこからがそうでないのかが観客にも示されないから、考えながら観るのが楽しい。

 全体的に無駄な音楽も無駄な驚かしもないから、すっきりした印象がある。おしゃれなホラー。グレースは衣装も髪型も少しレトロなのが可憐さを引き立てている。

 最後の解決パートを、もう少しわかりやすくして欲しかったとも思う。メアリーの視点からだとあやふやだから、警察による説明があってもよかった。これじゃまるでフランス映画だ。(最後までミステリアスなのが魅力かもしれないけど)


 途中子どもたちが全然出てこなくなったから、おや、もしかしてと思ってドキドキしたけどちゃんと生きてた。さすがに子どもには手をかけないよね、子どもには。

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