キネ坊主の映画人生を紐解く⑲

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このnoteを始めるきっかけとなった、京都みなみ会館の吉田館長のnoteを見てみると【Save our local cinemas】に関することが書かれていました。読んでいて、なんだがグッときました。そんなことが起きていたんですね。関西のミニシアターがもつ力を改めて実感しました。私も購入いたしましたTシャツ、発送完了メールを受け取りました。無事に届いて映画館が再開したらこのTシャツを着て取材に駆け回りますよ!

そうそう、今日取り上げようとしていた作品は、アパレルというキーワードで微妙につながっていました

『ロックンロールミシン』(2002)です

[仕事も恋愛もなんだか上手くいかない日々を送る会社員の賢司は、高校の同級生、凌一と再会し、彼が仲間と一緒に自分たちのデザイナーズ・ブランドを立ち上げようとしていることを知る。ひょんなことから部長を殴り会社を辞めることになった賢司は、凌一のブランドの立ち上げを手伝うようになる。アパートの一室で悩ましくも楽しい日々を送る賢司。しかし、彼らの服はなかなか売れないのだった…]

これはテアトル梅田で観ましたね。行定勲監督が『GO』を手掛けた後に携わった作品です。その後の監督作品を観てみると、テアトル梅田で公開された作品があったなんてレアかもしれません。

また、加瀬亮さんがミニシアター系の作品に出始めた頃です。舞台への出演に始まり、この後に様々な映画にドラマに出演していくので、とても若々しく観えます。あ、この前に『ハッシュ!』にも出てたんですよね。コツコツと作品に出て演技も積み重ねていたんですよね。

今改めて考えると、『アイデン&ティティ』にも通じる作品でもあります。アパレルでインディーズ・ブランドを立ち上げ意気揚々と取り組んでいくけども、なかなか上手くいかない…その先に見たものは…といった流れ

最近はあまり見なくなったけど、社会人になってみたけども、モラトリアムな時期を過ごしている様子を描いた作品。大人の青春物語ですね。学生や社会人になって社会のレールに乗っかってみたけど、思い切って降りてみたいけど降りれない…でも降りてみたら、どんな風になるんだろう、と大人の青春映画を観て、夢うつつな気分に浸ってみたいんですよね。あ、今のオイラと対して変わらないか!?

本作で印象に残る台詞があって、当時は知り合いに真似していったことがあったっけなぁ

「このミシン、ロックンロールミシンて言うんだぜ。こうやって8ビートで進んで、早くすると、16ビートになる」

タイトルにもなった台詞ですね。もちろん、そんな理は一切ないんだけど、なんかカッコいいなぁ、って思ったわけですよ、当時のオイラは。ロックに生きたいぜ!

上に貼り付けた映像は冒頭部分しかないですが、この映画は明暗の演出が印象的なんですよね。アパートの一室に射す夕焼けの光が鮮やかでそれを見ているだけも、なんだかイイ作品を観ている気がする。岩井俊二監督の下で育った行定監督ならでは技術なんだろうなぁと勝手に思っています。この技術は現在の作品までしっかりと引き継がれているなぁと感じます。

あぁ、行定監督にも一度はインタビューしてみたいなぁ。またガッチガチに緊張している気がするけども。ここに書いていたら、いつかは実現するかな。今後公開予定の『劇場』、本当に素晴らしい作品です!無事に劇場公開される日を楽しみにしております。

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